12月29日


〜アジャンターの遺跡〜


 朝、ホテルの庭に出ると遠くからコーランが響いてくる。今日は日曜日。朝のお祈りの時間らしい。街中が祈りの響きに包まれている。

 今日は、バスでアジャンタ-の遺跡へ出かける。道は、デカン高原を走り抜ける、一本道。オーランガバードから北へ140キロのところを流れるワーグラー渓谷の断崖中腹に刻まれた仏教寺院群。
 1819年、虎狩りに来ていたイギリス騎兵隊士官が、発見。追っていた虎がワーグラー川を渡り、葛でおおわれた石窟に逃げ込んだことがきっかけだという。虎が渡ったんだ、今私が立っているここを。
 今は、インコやリスが群遊んでいる。

 ガイドのKさんは、ちょっと有名人。
ここは、フラッシュ禁止の石窟が多い。係りの人が反射板を持って、外の光を集め、壁画や石像を見せてくれる。
 のみとかなづちだけで、これを彫ったっていうんだから、すごい。

 石窟群を歩いている間じゅう、カゴに乗らないか、絵はがきはいらないか、物売りがずっとついてくる。「ジュンコさん」「カノウさん」知っている限りの日本人名をあげて、呼びかけてくる。それでも、「NO!」を続けると、「あとで? わたしのなまえ、覚えておいてね。あとで?」とついてくる。「あとで。」なんて日本的な言い回し、いったい、いつ、誰が教えたんだろうね。

 「NO!」を続けていた私も、ついに、石の小物入れを買ってしまった。1個200ルピーだというのを、お金がないだの、デザインが好みでないだの、となんだかんだと2個で100ルピーにしてもらった。





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