写真は、ライス・テラス。日本の棚田とどこが違うって、まわりの松の木・杉の木の代わりが、ヤシの木ってところかな?路上の土産物やさんの庭先に降りなきゃ見れないのが、ちょいとつらい。店先で、朝のお祈りの準備をする女性。私たちお客の相手をしながらも、時間になるとこれを始める。その所作がとっても優雅。見とれてしまった。
ジンバランからウブドへ向かう道々、路端の大木や大石に、チェック柄や、黄色の布がまいてある。バリに滞在中、至るところで目にする光景だ。この布は「神聖なるもの」の目印。そして、そこに祈る人々。「祭り」の期間というのではなく、毎日の生活の中に「祈り」があるのだ。かつては、日本もそんな生活があったのだろう。う〜ん、だけど今の生活の中には、こうして、ちょっと立ち止まる時間ってのを、すっかり忘れているよなぁ。
写真は、ウブドの市場。お土産のカゴと布の下見。「あなたなら、いくら?(この商品にいくら出してくれますか?)」と詰め寄られて、タジタジ。二階の布地屋さんで、バリにホームスティしているという、日本人女性と会う。「バリに通うこと、5回でこうなりました。いずれバリで仕事ができれば。」と微笑みながら答えてくれる。帰り道、立ち寄った、土産物屋は、なんと停電。薄暗い店に、お客より店員さんの数のほうが多い。テロ以来、お客もなかなかつかないとのこと。商うのもなかなか、たいへんだぁ。
他に、ネカ美術館も訪ねる。伝統的なバリ絵画の他に、インドネシア人画家の絵や、バリに魅せられ、バリを描き続けた外国人画家の絵が展示してある。西洋絵画の影響を受けたウブドスタイルの絵も素敵だが、画面全体をさまざまなモチーフで埋め尽くす、バトゥアンスタイルも、気にいったる
夜は、ヶチャックダンスを楽しむ。「チャッチャッチャッチャッ・・・・」と、大勢の男達のコーラスが始まる。このコーラス、もとは、労働のときに歌っていたものらしい。誰かが、「チャッチッ・・・」と始めると、田畑のあちこちから、合いの手のようにして、声が返ってくる。労働のつらさや愚痴をこんな音にして、発散していたことがそもそもの始まりなのかもしれない。それがサンヤンダンス(恍惚状態にある娘たちの踊り)とむすびつき、今は、男達のケチャにのって、ラーマヤーナ物語が踊られる。ショーが済むと、観客も舞台に上がって、踊り子さんたちと写真撮影。そして踊り子さんたちは、なんと、トラックの荷台に乗って自分の村へと真っ暗な夜道を帰って行く。スコールがやってこないうちに・・・。昼間は、生活のために働いて、夜は観光客にダンスを見せるためにトラックに乗って劇場にやってくるのが日課だという。な〜んか、素敵な芸能生活だなぁ。「ありがとう!!明日も元気で!!」と、闇の中に走り去るトラックに手をふった。