Cu-Mg電池でLEDを点灯させる


高輝度赤色LEDが発光している様子
○こんな実験です
銅CuとマグネシウムMgを電極に用いたボルタ型の電池作り,LEDを点灯させます。銅とマグネシウムはイオン化傾向(溶液中におけるイオンへのなりやすさ。条件によって順位が変動することがあるので注意)の位置が離れており,銅と亜鉛のボルタ電池より高い電圧を得やすいという利点があります。ただし,マグネシウムは酸化されやすく,すぐ黒くなりますが。
この電池のすぐれている点は,水だけで使えることです。

○こんなことが学べます
電池を直列接続することにより,電圧を高くすることができます。また,イオン化傾向の離れている金属同士を組み合わせると,起電力が高くなること,イオン化傾向の大きい金属が負極になることが分かります。高校生になったら,イオン化傾向については,標準電極電位を調べましょう。

○こんな仕組みです
金属を電池に利用したときに,イオン化傾向の大きい金属が溶液中に+イオンとなって溶け出すので,電子を極板に残して負極になります。標準電極電位(水素を基準)の差が大きくなるように組み合わせると,起電力が高くなります。
マグネシウムは空気中にそのまま放置できる(黒く酸化されますが)ものとしては,一番標準電極電位が-2.356Vと大きな金属です。ちなみに正極の銅は+0.340Vです。金だと+1.520Vと高いのですが。
LEDは赤がエネルギーが最も低く,低電圧で点灯します。緑,青と電圧が高くなります。
赤色発光ダイオードは1.5V程度で点灯するものもあるが,1.6V以上のものが多い。3個直列での点灯中の電位は1.7Vになっている。
ちなみに,何も接続しないときは2.7Vだったので,1個の電池あたり0.9V程度の電圧が出ているようだ

ここで製作する電池。3個の電池を直列に接続する。
○準備しよう
マグネシウムリボン,銅板(薄いもの),カラーボード(厚さ5mm),高輝度赤色LED,布のリボン,両面テープ,万能ボンド,水,スポイト,千枚通しや錐,金切りばさみ,カッターナイフ,ラジオペンチ

○作り方
@カラーボードを5mm×40mm程度にカッターナイフで切ります。
A銅板をマグネシウムリボンの幅に金切りばさみで切り,2枚はマグネシウムリボンと端を交互に折って接続し,ラジオペンチでつぶします。
B金属リボンの裏に両面テープを貼り,カラーボードに巻き付けます。
C両端の金属に,千枚通しや錐で,LEDの足が通る穴を開けます。
D布のリボンの裏面に両面テープを貼り,細く切って銅とマグネシウムの中間に巻きます。このとき,隣り合う電池同士の布がくっつかないようにします。
E巻き付けたリボンの端を,万能ボンドで止めます。
F両端の銅の穴にLEDのプラス側を,マグネシウムの穴にマイナス側を差し込み,ラジオペンチでしっかり固定します。
Gスポイトで水を布に染みこませます。

銅板とマグネシウムリボンの端を交互に折って接続する

リボンの裏に両面テープを貼る

千枚通しなどで,LEDの足が通る穴を開ける

布のリボンの裏に,両面テープを取り付ける

銅側がLEDの足のプラス,マグネシウム側がマイナスになる

布のリボンをしっかり巻き付ける
巻き付けたリボンの端を,万能ボンドで止める

水を布に染みこませると点灯する
○開発の経緯
2009年度NICE(化学教育の国際会議)で,韓国の先生が銅とマグネシウムの電池でメロディーICを鳴らす教材をワークショップで紹介しました。水だけで鳴るので,LEDを点灯させてみようと思い,今回の教材を開発しました。