水晶球とガラス球,アクリル球の見分け方


溶融水晶(直径10cm)
○こんな実験です
10cmの水晶球が安価に購入できたので,本物かどうか調べてみることにしました。安価なものはまず疑ってかかりましょう。しかし,安価な溶練水晶は,粉末にして再結晶させる際に,天然のものに含まれる気泡や不純物が除去できるので,レンズなどいろいろ実験に使うことができます。時間をかけて結晶化させていないので,石英ガラスとも言えるでしょう。怪しい占いに使われる大きなきれいなものは大抵このタイプのようです。私にはパワーを込めることはできませんが。

○こんなことが学べます
天然水晶と溶練水晶,ガラスの性質の違いを学ぶことができます。

○こんな仕組みです
珪素原子の周りに4つの酸素が4面体となって結合した珪酸が,c軸方向に三回らせん軸を形成して連続し,六角柱状になったものが水晶の結晶です。天然の水晶は,方向によって複屈折や偏光の性質を示します。これらの性質の二重のチェックを行えば,にせものを掴まされることはないでしょう。購入時には偏光板を持参しましょう。また,パソコンの液晶モニター画面は偏光しているため,メモ帳などの白い画面を出しておいて,その前に偏光板を置いて間に球をはさんでも,同様な効果が見られます。

○発展
結晶の持つ物理的性質をいろいろ調べてみましょう。また,溶練水晶はアクリル球やガラス球よりずっと安価で均一なため,ハーシェルのように望遠球の接眼レンズとして使ったり,いろいろ活用できます。私は集光装置に利用しようと思っています。

ブラジル産の水晶(青谷高校への留学生の贈り物)。窓辺に置いていたら,色あせて紫色が消えてしまった。もったいないことをしたもんだ

直交した偏光板の間に入れると,一部(写真では右上部分)に偏光による着色が見られる

直径2cmの天然水晶球(600円から700円(東急ハンズ渋谷店で購入))。このように直交した偏光板の間に入れると,干渉縞模様が観察できる。このパターンが見えると天然水晶である
天然水晶球を通して細い線を見ると,複屈折によって線が二重になって見える。偏光板がないときは,ゆっくり回転させて漢字の細いフォントをさがして見てみよう
髪の毛のように細い線は,複屈折によって2本に見える。水晶球を回転していって観察しよう

角度を変えると,干渉模様の色が逆転するのが見える
天然水晶球も角度が変わると干渉パターンが見つからない。こまめに時間をかけて慎重に観察しないといけません
直径1cmの天然水晶球(300円程度)

角度を変えると干渉パターンの色が逆転
ガラス球を直交した偏光板にはさむと,十字に交差した黒いパターンが見られますが,干渉縞は見られません。しかも,どの方向に回転させても,このパターンになります
溶練水晶を直交した偏光板にはさむと,きれいなパターンが見られます

溶練水晶の向きを変えると模様も変化します。

この溶練水晶では複屈折の判定は困難。よく見ると1本に見える

溶練水晶の鑑定書(って意味あるのかなあ?)。台座は実際は作りが悪くちゃち。中国での原価は果たして何円?百円は切っているような

密度を見ると石英だけのように見える

人工的に成長させた工業用水晶。方向によって色偏光が見られる

アクリル球。ガラス球と似たパターンが現れる面もあります。

しかし,アクリル球は回転させると黒いパターンはガラス球と異なり変化します。もちろん干渉模様はありません