グラファイトの反磁性を用いた磁気浮上


グラファイトの間でネオジム磁石が浮揚している
○こんな実験です
グラファイト(黒鉛,Graphite)は炭素の同素体(ダイヤモンドや無定型のススも)で,鉛筆の芯に使われています。
六角形のベンゼン環が無限に広がる二次元平面間がわずかずつずれ,ファンデルワールス力により弱く結合した構造をしています。
このグラファイトにはさまれた空間で,ネオジム磁石を空中に浮上させる実験です。

参考URLhttp://tsukubabiryuushi.jpn.org/TPIEN2/052.pdf
○原理
グラファイトは構造上自由電子が多く,導電性で反磁性を示します。この反磁性を利用し,フェライト磁石との吸引とグラファイトとの反発により,小さなネオジム磁石をグラファイトにはさまれた空間で,重力に逆らって空中に浮揚させます。
○準備しよう
グラファイト(直流モーターの整流子用)25.0×15.6×5.5mmを2個使用(購入先:松前電気商会(秋葉原)),ネオジム磁石(百均のマグネットから取り出したもの)φ=4.6mm×高さ4.7mm,浮上高さ調整用磁石(フェライトまたはネオジム磁石2個),浮上用リング状フェライト磁石(外径60.0mm,内径31.3mm,厚さ7.0mm),木箱等,のこぎり,木工ボンド
○実験のしかた
@ 2枚のグラファイトを6〜7mm程度開けて平行に木材等で保持します。
A リング状フェライト磁石を真上から近づけ,浮上する距離を決定して木材で固定台を作って乗せます。
B 2個の磁石(NとSの向きに注意)を用いて,浮上の高さを調整し,2枚のグラファイトの中間で静止するようにします。
浮上の実験動画

各磁石の極性に注意。左右の磁石の位置を変化させることにより,浮上の高さが調節できる。


実験材料一式