赤と緑のレーザー回折光で波長を比べる


赤色レーザーポインタと緑色レーザーポインタの光を,丸めた回折シートに当てているところ
○こんな実験です
赤と緑のレーザー光を回折シート等に当て,光の点の広がり方を比べて,波長の違いを簡単に知る実験です。

○こんなことが学べます
回折格子によって,波長に応じた角度で回折波が広がること,回折波の干渉によって,強い光の点が得られることが分かります。

○こんな仕組みです
回折シートやレプリカ回折格子は透明プラスチックシートに等間隔に筋(きず)がつけてあり,その部分では光は乱反射します。筋のついていない滑らかな部分は,光の狭いスリットであり,そこを通った光は回折して広がります。この広がった光どおしは干渉して光の強弱を作ります。回折格子では強い光の点が得られるため,CDなどの光ディスクの読み取りでは,中心とその両側の3本の光線を利用して光の信号の強弱とヘッドの位置を読みとっています。

○発展
回折格子の式 dsinθ=nλ

d:格子定数(筋の間隔),θ:入射光線と参照する点との角度,n=0,1,2,・・・,λ:波長
この式を満たすとき,明るい点がθの方向に生じます。
緑色レーザー発光モジュールLM-102-D 532nmの緑色レーザー光を発生する。3Vで動作するため利用しやすい。紫外領域にピークを持つ蓄光シートに当てても全く発光しないので,光の吸収の実験にも利用できる。 回折光の強度のピーク(明るい点になる)を重ねると,二番目以降の外側のピークが,緑が赤の内側になることより,赤は波長が長いことが分かる
○準備しよう
赤と緑のレーザー光源,回折格子またはレプリカ回折格子,回折シート等
○実験のしかた
赤と緑のレーザー光を回折シートに当てます。このとき,中心の光のスポットを近づけると,波長の違いが比較しやすくなります。

○開発の経緯
緑のレーザーポインタが販売されるようになりましたが,まだ高価です(2007年初頭)。そこで,秋月電子の通販で売られている緑色レーザー発光モジュールLM-102-Dを購入し,3Vの電池と押しボタンスイッチを接続しました。青のレーザー発光モジュールが売り出されるのを待ちたいと思います。