石英・水晶の摩擦ルミネッセンス

○こんな実験です。
阪神淡路大震災の震源である野島断層の石は石英でした。こすり合わせると,とてもよく光りました。ここでは山梨県の乙女鉱山の石英(網倉様よりゆずっていただきました)を用いました。また,水晶はブラジルの留学生の土産のアメジストと,工場からいただいた人工水晶の棒を用いました。ペンチではさんだ場合と,こすりあわせた場合について実験しています。

○こんなことが分かります
ある結晶をこすりあわせたり,急につぶしたりすると,発光することが分かります。

石英(quartz)をつぶす
○こんな原理です 
こすったり,つぶしたりしたりする物理的な力による発光は,摩擦ルミネッセンス(triboluminescence)と呼ばれる現象です。400年も前にフランシス・ベーコンが,砂糖のかたまりを爪でひっかくと光ることを発見したそうです。
ルミネッセンスは熱を伴わない発光現象の意です。
摩擦ルミネッセンスでは,力学的エネルギーによって結晶中の電子が励起され,安定な軌道に落ちるときに光を放出します。
布テープをはりあわせて急にはがすと,青白く発光します。氷砂糖をペンチでつぶしても発光します。これらも摩擦ルミネッセンスです。

○準備しよう
石英,水晶,ペンチまたはプライヤー

○実験してみよう
@水晶や石英の小片をペンチにはさみ,部屋を真っ暗にしてつぶします。
A水晶,石英どうしでこそってみます。。

石英どうしをこすりあう

水晶(crystal)どうしをこすりあう
石英,水晶の摩擦ルミネッセンスの動画を見る
参考:
・氷砂糖を割ると静電気が発生し,両側に電位差が生じる。それが放電するときに空気中の窒素を励起して紫外線を出し,さらに氷砂糖が紫外線を吸収して蛍光を出す。

真空中で粘着テープをはがしたときにX線が出る。

湿布のセロハンを剥がすときも光るようです。

・励起源からのエネルギーの供給がないとすぐに発光が止まるのを蛍光、残光を持つのを燐光と呼んでいます。

・フォトルミネッセンス(Photoluminesence, PL)、
物性物理では、このルミネセンスのスペクトルや強度を調べることにより物質の性質が分かる。

・エレクトロルミネッセンス(Electroluminescence, EL)
電界によって励起するルミネッセンス (EL)。

・カソードルミネッセンス(Cathodoluminescence、CL)
電子線( 電子ビーム )によって励起すること。電子ビームは簡単に10nmから数nmの大きさに絞ることができる。

・熱ルミネセンス(Thermoluminescence, TL)
熱による励起。放射線の照射を受けた物体が,加熱によって発光する現象。放射線による物質の吸収線量が発光量に比例する。
Dosimeter - TLD)が利用される。