磁性流体とスパイク


φ=25mm×5mmのネオジム磁石((株)シータスク)による磁性流体のスパイク。右下は磁石と磁性流体との距離を示す
○こんな実験です
φ=25mm×5mmのネオジム磁石((株)シータスク)を用いて,磁性流体のスパイクを観察したところ,密着させるとスパイクが生じず,ネオジム磁石の周囲に磁性流体が集まりました。このネオジム磁石は円周付近の磁束密度が高く,中心部は低い構造のようです。
また,磁界観察糟で見ると,やはり中心付近は鉄粉が疎であり,囲より磁束密度が低くなっていました。
たまたまこの磁石と磁性流体が0.5mm程離れて置かれたときにスパイクが観察されたので,磁石と磁性流体との距離を変え,生じたスパイクの様子を観察しました。

○こんなことが学べます
磁性流体のスパイクや磁界観察糟を用いると,磁石の周囲の磁界の様子が観察できることが分かります。また,この様子から磁力線をイメージすることができます。

○こんな仕組みです
磁性流体「UNIDURA」はマグネタイト(磁鉄鉱)など微細な磁性体がオレイン酸とケロシンの液に溶け込んだ黒い液体です。フェリコロイドとも呼ばれ,NASAが宇宙服のシールドなど,宇宙計画のために開発しました。ダンパーやスピーカ,磁気パターンの観察や医療に用いられています。この流体は磁石を近づけるとウニのようなスパイク状の突起が発生します。このスパイクは磁力線の様子に近いため,磁力線のイメージが観察できます。
磁場が弱いところではスパイクの密度が減っており,磁場が特に強いところではスパイクがくっつきあって一体化しているようです。さて,どうしてこのようになるのでしょうか。


右の2つの図はネオジム磁石Bによるスパイクの観察結果である。スパイクは生じにくい。
左上の図はアルニコ棒磁石によるスパイクである。磁界観察糟の様子でも見られるように,N極側の磁界が強くなっているのが観察できる
○準備しよう
磁性流体UNIDURA((株)シータスク),ネオジム磁石,アルニコ磁石等,シャーレ等の平たく薄い皿,磁界観察槽

○実験のしかた
@ シャーレ等の容器に磁性流体を薄くとり,下に磁石をセットします
A 磁石と磁性流体の距離を変えながら,生じるスパイクの様子を観察します
B 磁石を磁界観察糟に入れ,磁石の周囲の磁界の様子を観察し,スパイクと比較します
φ=25mmのネオジム磁石Aの磁界の様子。
周辺部に磁性体が多く集まっている
φ=25mmのネオジム磁石Aの磁界の様子を横方向から観察したもの
上の図を横から見たところ。ネオジム磁石Aの磁極をつなぐ磁力線が分かる
φ=10mmのネオジム磁石Bの磁力線は,面から均等に生じている 磁力線はN極からS極へ向かうイメージが分かる

このアルニコ棒磁石の磁界は,N極側の方が強い。そのため磁性流体のスパイクがN極側で多く見られる
上から見た様子