蛇腹式望遠鏡


2007年10月13日(土)青谷地区公民館での理科大好きボランティア事業での工作教室。2時間でなんとか完成。大人一人で7,8人の子供達を担当して蛇腹折りを手伝った。

蛇腹式望遠鏡の試作器第一号

○こんな実験です
作りやすくて正立像が得られる屈折式望遠鏡として,ガリレイ式望遠鏡を,筒に蛇腹を使ってコンパクトに作ります。

○こんなことが学べます 
ガリレイ式望遠鏡のしくみや,近くや遠くの物体に焦点を合わすには,筒の長さを変えなければいけないことが分かります。

○こんな仕組みです 
対物レンズに凸レンズ,接眼レンズに凹レンズを組み合わせた望遠鏡をガリレイ式望遠鏡といいます。
ガリレイ式望遠鏡は,対物,接眼とも凸レンズを使ったケプラー式望遠鏡と異なり,遠くの物がそのまま正立して見えるので便利だが,視野が狭いのが欠点である。
しかし,ガリレオ・ガリレイはこの望遠鏡で月のクレーターを発見し,また,4つの衛星が木星の周りを回っていることは,地動説の有力な証拠になった。

対物レンズと接眼レンズ(プラスチック製)

こんなに小さく畳むことができます
○準備しよう
対物レンズ(凸レンズ55/340mm),接眼レンズ(13/63mm),A4黒画用紙の型紙2枚,両面テープ(幅5mm),厚紙(方眼入り),色のついた紙,サークルカッター,セロハンテープ,白鉛筆,カッティングマット

○入手先 レンズ:(株)シータスク

蛇腹の型紙のdownload(花子のpdfファイル)

A4サイズの黒画用紙の型紙を2枚つなぎ,筒にする。5mm幅の両面テープで留めても良い

黒くて折れ目がわかりにくいときは,白鉛筆で折れ線をえどっておくと良い

蛇腹の型紙。これを2枚使う


対物レンズと接眼レンズを穴の位置に取り付け,セロテープでレンズの端を止める
○作ってみよう
@型紙の蛇腹を縦方向に2枚両面テープでつなぎ,また,円筒を作るように両面テープで止める。
A山折り,谷折りを交互に繰り返して蛇腹折りをする。
B蛇腹の両端に,対物・接眼用にサークルカッターで円形の穴を開けた厚紙を,両面テープで貼り付ける。
C対物レンズと接眼レンズを穴の位置に取り付け,セロハンテープでレンズの端を止める。
Dはみ出した厚紙を切り取る。
E化粧紙にサークルカッターでレンズ用の穴を開け,両面テープで止める。
F はみ出した化粧紙を切り取る。
○製作の注意
@蛇腹はていねいに折れ線に注意しながら慎重に折ろう。
Aレンズは手垢で汚れたり,堅いものに当てて傷をつけないようにしよう。
Bレンズカバーを付けたり,レンズの固定方法を工夫してオリジナルの実用的な望遠鏡に仕上げよう。

A42枚つないで蛇腹折りしたもの


3m先の像

30m先の像
○遊び方
対物レンズと接眼レンズの固定板を左右の手で持ち,観察する像に合わせて蛇腹の長さを調整しながら焦点を合わす。近くの像と遠くの像とで蛇腹の長さがどう変わるか調べてみよう。
像の倍率と対物レンズ,接眼レンズの焦点距離の関係を調べてみよう

○こんなこともできるよ
接眼レンズを凸レンズに変えて,ケプラー式の望遠鏡にしてみよう。像の見え方はどうなるかな。


○開発にあたって
蛇腹の応用と,青谷地区の子供達の要望の強い望遠鏡の工作を組み合わせました。蛇腹の型紙の折れ線は,広島の田中祐美さんに,機械で切れ込み線を入れてもらいました。
ガリレイ式望遠鏡の原理図を左に示す。対物レンズの像より手前に接眼レンズをセットするため,同倍率では,ケプラー式に比べ,対物と接眼レンズ間の距離を短くすることができる。