ミツバチ偏光板(Honeybee Polarlization Plate)


○こんな実験です
ミツバチは花の蜜を求めて飛び回った後,迷わずに巣に帰り着きます。これは太陽コンパスという方法で,太陽を使って方位を感知しているからだそうです。太陽からの光の偏光の状態を感知して,太陽の位置を確認し、飛ぶ方向を決めます。太陽光による空の偏光状態は,太陽の方向や高度によって決まります。ミツバチの眼は多数の単眼で構成された複眼ですが,その単眼ひとつひとつは8つの光受容器を持っていると言われています。8つの受容器のそれぞれが,360°/8=45°ずつ回転した偏光フィルターのようなものでおおわれ,受容器に入射する特定方向の偏光を感知します。このことはミツバチだけでなく,多くの昆虫に見られます。このミツバチの目をシミュレートしたミツバチ偏光板を作って,太陽の方向を探します

実際,このミツバチ偏光板で青空を観察してみると(動画で確認しよう),南の方向では偏光による効果が無くなり,すべての偏光板が明るく光を透過します。南から東,北,西,南と向きを変えて観察すると,反時計まわりに,中心に対象な方向の偏光板が暗くなって回転するのが分かります。ミツバチは太陽が見えてなくても,青空が植物のすき間から見えると偏光状態を観察し,太陽の位置を判断することができます。
しかし,太陽の位置で方位を割り出して巣へ戻るのか,偏光の様子で方位を割り出すのか(両者とも結局は同じことかもしれませんが)ミツバチに聞かないと分かりません。

○こんなことが学べます 
光の偏光や,空が偏光している様子,偏光を用いて太陽をさがすことができること等が学べます。

○こんな仕組みです 
光は酸素分子や窒素分子に衝突し,分子中の電子を激しく揺り動かして光を放出します。これをレイリー散乱と呼びます。この散乱過程で偏光が生じます。偏光板はそれぞれ一つの振動方向の光しか通さないため,空の偏光状態によって異なる明暗のパターンを生じます。 

液晶画面は偏光しているので,明暗が見られる


型紙のdownload(pdf)

液晶モニターにより,偏光方向が異なる
○準備しよう 
型紙,偏光板(偏光メガネ2本など),油性ペン,糊,両面テープ,はさみ,カッターナイフ

○作ってみよう
@ 型紙のdownload(pdf)を行い,厚紙に印刷して切り抜きます。
A 偏光板の下に型紙の下部の図を重ね,油性ペンでえどり,切り取ります。写真は「うずしお科学館」でいただいた偏光メガネを使った例です。これを4組作ります。
*注意:偏光板は全て同じ向きに揃えて切らないといけません。
B 羽根の筋が揃った部分をさがし,衝立部分にセロテープで止めます。
C 衝立部分を箱の中程にはります。
D 箱の両側の穴に,透明シートをはります。
E 箱を組み立てて完成です。

○製作の注意
@ 羽根ははる前に目に当てて,自分の指を見ます。このとき,骨のようなものが見えるところをさがします。
A 墨汁はあまり濃くぬる必要はありません。紙が曲がらないように薄目で十分です。

偏光板の下に型紙を重ねて油性ペンでえどり,切り取る

2011年9月科学遊び広場にて 青谷地区公民館 

台紙の裏にはりつける

ミツバチ偏光板で空の偏光を調べる
○使い方 
@ ミツバチ偏光板を腕を固定して東西南北の方向に回転させ,太陽の位置と見え方を調べて,ミツバチのように太陽の位置から方位が分かるように練習しましょう。
A ミツバチ偏光板を1か所に固定し,1日の青空の偏光の変化を調べてみましょう。

○気をつけよう
太陽を直接のぞかないでください。


○参考文献
つくる科学の本 足利裕人編著 (株)シータスク

裏から見たところ,中央に円板を貼る

表の中央も円板で止め,両端を折り返して両面テープで止める

2011104日 鳥取市若葉台での北の方向の偏光の様子  時間とともに暗い部分が反時計まわりに回転している


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2011年.9月15日12時.20分 鳥取市若葉台での東西南北方向の青空の偏光の様子
東→南→西→北と向けると暗い部分が時計回りに回転する
動画で確認しよう
 動画では観測者が 南→東→北→西→南と回っているので,反時計回りに回転している


南東

南 太陽の方向では偏光が消える

南西 偏光が反時計回りに回転している

西