学校設定科目 「エネルギーと環境」学習指導要領

作成者:平成16年度原子力体験セミナー「授業実践研究コースV」高校部会A班
2004年12月28日 初版
「エネルギーと環境」の目標

 人類と自然との関わりを総合的にとらえ、人類にとって必要なエネルギーと、その環境への影響を理解させるとともに、エネルギーと環境に対する見方や考え方、および実践的な態度を育てる。
(1)エネルギー
 人間生活にかかわりの深い水力、火力、原子力などは、エネルギーという共通概念でとらえられることを理解させるとともに、日本と世界のエネルギー事情を調査し、継続的なエネルギー供給について、科学的、主体的に考察する態度を育てる。

ア 現代のエネルギー事情
 各国の電力事情の実態とその背景について理解させる。
イ エネルギーの種類
化石燃料の有限性と環境への影響を理解させ、継続的でクリーンなエネルギーについて考察させる。
ウ エネルギーの発生
 発電方式の種類と特性を理解させる。

(内容の取り扱い)
 内容の(1)のアについては、電力を中心に、各国のエネルギー事情について書籍やWeb上の資料等の調査をとおして、問題解決型に扱う。
イについては、資源には限りがあることを認識させるとともに、エネルギーの消費には、環境への配慮が不可欠であることにも触れること。
ウについては、発電には火力、水力、原子力などの他に、多様な方式があることを理解させる。その際、発電の原理には深入りしないこと。また、自然エネルギーについては、模型を組み立て、動作させて簡単な原理を体験的に学ばせることも考えられる。
(2)環境
 人類が開発した新しい物質やエネルギ−の大量消費が、地球環境に影響を与えていることを理解させ、それらの緒問題について科学的に考察し、主体的に行動できる態度を養う。

ア 地球環境の変化
 エネルギーの大量消費に起因する環境の変化について理解させる。
イ 地球環境の保護
 環境の悪化の原因を理解させ、環境を維持するための方策を考察させ、主体的に行動できる態度を養う。

(内容の取り扱い)
(2)のアについては、温暖化や砂漠化などの地球環境の変化の実態について、探求活動を通して理解させる。その際フィールドワークや調べ学習などを取り入れることも考えられる。
イについては、環境の変化の要因を理解させ、解決に向けた行動が取れるよう、具体的な方策を考察させる。
(3)放射線の利用と管理
 放射線の性質を観察、実験などをとおして探求し、それらへの関心を高めるとともに、基本的な概念や法則を理解させ、放射線と日常生活の関わりについて認識させる。

ア 放射線と放射能
放射線の発生やその特性などについて理解させる。
イ 医療、工業、農業等の分野での利用
 放射線は身近に利用されていることを理解させる。
ウ 人体・環境への影響と適切な管理・運用
 放射線は適切に管理・運用されることにより、人類に有用であることを理解させる。

(内容の取り扱い)
  内容(3)のアについては、放射線の基本的性質を理解させ、「はかるくん」、「霧箱」等の実験、実習をとおして体験的に扱う。その際、核反応や半減期については深入りしないこと。
イについては、現代社会において、医療、工業、農業等の分野で利用されていることを扱う。その際、専門的な技術には深入りしないこと。また、情報機器等を用いて調査し、発表しあうことも考えられる。
ウについては、人体や環境に与える影響を考察し、適切な管理、運用について考える能力を養う。また、ディベートを取り入れて科学的、論理的に思考し、発言する態度を育てることも考えられる。