宇宙ステーション内の無重量(微小重力)

○こんな実験です
地球を周回する宇宙船内で、ものがふわふわ浮くのはなぜか、を示す演示実験です。

○こんなことが学べます
地球を周回する宇宙船内で、ものがふわふわ浮くのは、宇宙船もその中の人も物も、同じ加速度で落下しているからです。

〇 実験方法
宇宙船の外枠と、搭乗者等を同時に自由落下させます。

いっしょにお互いの距離を保って落下するのが分かります。

〇 開発の動機
フジテレビのかつての子供向けの夏休みの「ひらけ!ポンキッキ」の放映で、「宇宙船の中でものがふわふわ浮くのは、地球から遠く離れているため、重力が小さくなるからです」と、嘘の説明をしていました。早速、メール、電話、ファックスを入れて抗議し、すぐ訂正すると言われたけど、さすがに放送局は訂正しません。

そこで分かりやすい、楽しい演示実験を考案しました。ちなみに落下する外枠はバイキンマンの乗る宇宙船です。


実験動画を見る
参考:Jaxa 微小重力とは

宇宙ステーション(ISS)は、高度400km付近の宇宙空間を飛行しています。

しかし、この高度でも僅かな高層大気が存在し、宇宙ステーションは常にその抵抗力を受け、減速の加速度が発生します。

また、地球の重力と慣性の働く方向のつり合いがとれている構造物の質量中心(CP)から離れることで、それによる加速度も生じます。

ほんの小さな加速度ですが、実験や活動の舞台となるISSは「無重力」ではなく「微小重力」となります。
○準備しよう 
発泡スチロールのボール(百均ショップにもあります)、ストロー、ボールを受ける漏斗(3Dプリンタで作りましたが、厚紙や針金でも作れます)、油性ペン
遊び方 
ストローが漏斗から出ないようにして、漏斗にボールをくっつけます。逆さにしても落下しません


○開発にあたって
以前は針金で漏斗を作ってましたが、セロハンテープで漏斗の下を覆って吹くと、ボールが漏斗に張り付くことが分かり、3Dプリンタで実験しやすいような形状に漏斗を作りました。