潮汐(TIDE)   


 ●どんな実験なの
潮汐は潮の干満ともいい,主に月の引力によって生じます。湖海水のほかに,大気や固体地球にも潮汐(大気潮汐,地球潮汐)はおきます。引力は距離の二乗に反比例するため,そのような力を発生させる工夫として,特殊な形状の斜面を作り,落下の加速度が距離の二乗に反比例するようにしました。その斜面の上を円形に集めたビー玉をころがし,その全体の形が斜面方向に引き伸ばされるのを観察する実験です。

【原理】 潮汐は,主に月や太陽などの起潮力によって,湖海面が周期的に昇降する現象です。大きさのある物体が外からの万有引力の作用を受けているとき,潮汐力がこの物体にはたらきます。物体の各部分が外力の中心からの距離に応じた,強さの異なった引力を受けることによって潮汐力は生まれます。地球の自転による半日周期,1日周期の変化が最も顕著ですが,月と太陽の相対位置に起因する半月周期,同じく軌道上の距離からくる半年周期など,長期間の周期もあります。月に起因するものを太陰潮,太陽によるものを太陽潮とよび,月の影響は太陽の約2倍あります。高潮と低潮は1日2回あるのがふつうです。場所によって1日1回のところもあり,それぞれ1日2回潮,1日1回潮とよばれます。高潮と低潮の水位差を潮差(range of tides)といいます。月が太陽と地球を結ぶ線上に位置するとき(つまり満月と新月のとき),双方の起潮力は強めあって潮差は最大になり,これを大潮(spring tide)とよびます。逆に月がその線と直角方向に位置したときは潮差は最小になり,これを小潮(neap tide)とよびます。
参考:理化学辞典第5版

次の図左は,月と地球との距離を地球の半径の60倍として計算した,実際に生じる潮汐力の相対的大きさを計算したものです。月の側と反対側でほぼ等しい力の分布を示しています。
右は,月と地球との距離を地球の半径の5倍として計算したものです。左右非対称で,月側で力が大きくなっていることが分かります。ここでの実験でも,この様子が観察されます。

参考:足利裕人 物理教育 39-2 (1991) 70

●実験のしかたとコツ
【材料】 発泡ポリスチレンのブロックと板(斜面の工作用),木工用ボンド,ビー玉(茶色と青,数十個),ビデオカメラまたはディジタルカメラ(記録用),セロハンテープの芯

【方法】 
@ 発泡ポリスチレンのブロックと板を用いて斜面を作ります。接着には木工用ボンドを使います。斜面の断面はy=-1/xのになるようにします。
A 斜面にセロハンテープの芯を置き,その中央に茶色のビー玉(地球に相当)を,その周囲を青色のビー玉(海水に相当)で囲みます。
B 思い切りよくセロハンテープの芯を情報に抜き,ビー玉を一斉にころがします。ビー玉が斜面方向に引き延ばされる様子を,デジタルカメラやビデオカメラで撮影して観察します。







注意:上の4枚の図は,各写真ごとにデジタルカメラ画像を並べたもので,ビデオの連続フレームではありません。

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