G.フォーレ   歌曲 「踊り子」
OP113−4
 1919

Danseuse
                              

すみれの花々を編む姉妹の妹、   
夜を徹して火と燃えておまえの頬は蒼ざめている、
踊れ!鋭いリズムで、おまえの身体に捲いた細紐が
  ほどけてしまうように。
  
すらりとした壺、動きがあってしなやかなフレスコ画、
踊れ、踊れ、手のひらを私たちの方に伸ばして、    
かのエロスが解き放ったあらわな羽のように、
 細い足をそらして。
 
かすかに揺れている八重咲きの花のようであれ、
うつろう欲望にかけられた肩掛けのようであれ、 
きよらかな灯火であれ、不思議な炎、
 思念であれ!
 
踊れ!うつろな私の笛の音に乗って、
あの神の姉妹の妹よ。  潤いのある滑走、
むなしい口づけ、おまえの滑らかな腰に沿うて・・・、
 むなしい踊り子よ!
 
        ルネ・ドゥ・ブリモン(ドゥ・ブリモン男爵夫人)



            
                             



 MIDIヘ

                    オスティナートによるリズムのパターンが終始続く曲。
                    ルネ・ドゥ・ブリモンさんの詩は雰囲気は伝わるものの
                  もう一つ言いたいことが伝わらぬ。
                   フォーレの曲は歌詞がわからなくても強い印象を残す。
                 ダンス・・ダンス・・・。どこまでも続く輪廻の輪。永久の逸楽
                 と退屈。