フォーレ チェロソナタ第1番
Op.109 第2楽章 1917年
第1楽章もそうですが、この2楽章も「対位法的」な組立があるようです。
「対位法」などと言うとたいそうですが、一つの動機や旋律が、3度とか
4度とか違う形で現れて、もう一つの動機や旋律と重ねられたり、カノン
を形作ったりします。ポリフォニーとも言います。
「対位法的」とはとても頭の良さそうな、哲学的な印象をあたえます。
第2楽章アンダンテは、最初のピアノの三つの和音が象徴するように全
般にとても静かで瞑想的な印象を与えますが、曲の構成はなかなかダイ
ナミックで力感あふれるものになっていると思います。
叙情的にして同時にダイナミックというのがこの楽章全体の印象です。
第1楽章の疲れを癒すような楽章ですが、同時に激しい第1楽章とのつな
がりもあるとみました。
三つの和音の後の第1テーマはちょうど宇宙の暗黒を表すようで、続く
子守歌のような第2テーマはかすかに懐かしさと光明を放ちます。
なんだかベートーベンの暗黒から光明へみたいですが、この曲にはそう
いう形而上的雰囲気があるのも否定しがたいところです。僕はアポロか
ら見た地球の姿なんてものをイメージしました。
第2テーマはちょうど和服姿の女性が袖を翻すような感じもありますね。
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