G.フォーレ   連作歌曲 「優しい歌」より

 第2曲   黎明はひろがり

P61−2
 1892-1894

Puisque l'aube gradit,puisque voici l'aurore
         

黎明がひろがり夜が明けていくのだから   
長いこと僕を逃れた後で、ねがいを聞き入れて
希望がまた僕のもとへ帰ってきたのだから
この大きな幸福が僕のものにやがてなろうとするのだから。
  
やさしい炎に燃える眼よ、あなたに導かれ
おお手よ、僕の手のわななくであろう手の上に置かれる
 
苔むす滑らかな小径であろうと、岩と小石に閉ざされた道険阻な道であろうと
ひた向きに進みたいと、僕はひたすら願うのだ。
 
長の旅路の慰めに僕は慎ましく歌うだろう。  
僕は一人ごとに言うだろう、その歌を
彼女はうるさいとも思わずに聞いてくれるだろうと、
そしてこれ以外、極楽の望みは僕にはないはずだ。
 
                               ポール・ヴェルレーヌ

                                       



 MIDIヘ

                  原詩が4節も削られています。フォーレはよくそうする。
                  このことについては、またいずれ考えてみましょう。
                  
ほかの曲に比べ、第2曲は少し響きがちがうようになってしまった
                 気がします。それに咀嚼(そしゃく)も弱いかも。
                 アルペジョが終わったところからヴェルレーヌ=フォーレがほんとう
                  に言いたい部分に入ると思うんですが、ここがもうひとつかな?