環境変化による霧日数の変化(2004.12.23UP)


津山の年間霧日数は、1970年代から減っています。
なぜ減っているか?以前、水田面積との関係を提起した論文を見かけました。
私も、なるほどと思うところがあります。
そこで、田面積と霧日数を並べてみました。

緑棒:田面積(津山市統計書から・1985年に国土調査による面積見直しがあり、1985年より前の記録は1986年と1987年の比率を乗じて補正している)
紫細線:年間霧日数(実線は津山測候所、点線は私の記録)
紫太線:年間霧日数の前後7年間平均(実線は津山測候所、点線は私の記録が混ざる部分)

田面積も、1970年代に入って減少傾向です。いい相関がみられるようです。

一方、霧日数の減少はどの月に顕著かを調べました。

月別の霧日数の推移をみると、4・8・9月に減少が顕著です。
また5・6・7月もやや減少しているようにみえます。
一方他の月はほぼ横ばいです。

減少している月は、いずれも春・夏で、考えられる減少要因としては、
1.盆地中心部の大気中水分(水蒸気)が減少してきている
2.春・夏については夜の時間が短く、霧に達しないうちに日の出となる
3.秋・冬についても、霧に達しないうちに日の出となることもあるが、暖冬傾向により冬型になりにくいことが霧の増加要因となり、減少分と打ち消しあっている
(実際に、1980年代前半(寒冬多い)と1980年代後半以降(暖冬多い)では、秋・冬は1980年代後半以降の方が霧日数が増えているようです)

なお、盆地中心部の大気中水分(水蒸気)の減少要因について、ここでは「田面積の減少」を挙げましたが、他にも「耕地面積の減少」「緑地面積の減少」「アスファルト・コンクリート等舗装面積の増加」などが考えられます。
また、1970年代以降に生じている社会的現象としては、「自動車交通量の増加」「人口の増加」もあります。

「考察」に戻る

ホームページに戻る