各月ごとの降水の曜日分布


降水が金曜日に多めであることについて、仮説をたててみた。
1.平日に産業活動が活発になり、いろいろな粉塵(エアロゾル)が空中に漂流・蓄積、金曜日は降水が起きやすくなる。
2.1.と因子は重なるが、中国大陸東岸付近(長江流域、香港、台湾、東南アジア諸国)の産業活動が月曜日から活発になり、その付近で暖気が蓄積、粉塵(エアロゾル)の飛散もあり擾乱・気圧の谷が発生し、それが偏西風にのって金曜日に日本付近にやってくる。(知人のT氏にインスパイアされました。)
(仮説2.が正しいとすると、月ごとで降水の曜日分布を出せば、偏西風により周期的に天気が変わる春と秋で、金曜日に降水が多くなるのではないかと予想されます。)
月の割合
1月
13.2%
19.6%
12.9%
17.5%
11.8%
9.6%
15.4%
15.6%
2月
6.7%
21.5%
18.0%
9.7%
17.4%
15.9%
10.9%
16.6%
3月
12.6%
6.6%
7.6%
14.1%
26.2%
17.2%
15.6%
14.5%
4月
17.4%
10.0%
15.2%
10.2%
19.9%
13.7%
13.7%
13.7%
5月
19.8%
13.2%
16.5%
20.0%
3.9%
9.6%
16.9%
13.9%
6月
14.8%
14.5%
9.9%
14.6%
14.2%
17.3%
14.6%
15.5%
7月
18.3%
9.7%
14.8%
15.0%
13.7%
14.7%
13.7%
12.8%
8月
12.9%
17.9%
22.9%
20.4%
10.3%
6.4%
9.2%
6.9%
9月
13.3%
16.0%
8.9%
15.2%
19.7%
12.3%
14.7%
11.9%
10月
13.3%
18.4%
10.6%
13.7%
19.1%
15.7%
9.2%
9.5%
11月
12.7%
15.1%
15.7%
9.2%
26.1%
14.6%
6.6%
8.8%
12月
16.3%
20.4%
16.3%
11.6%
11.6%
9.1%
14.7%
10.4%
年間
14.4%
15.0%
13.8%
14.3%
15.8%
13.2%
13.5%
12.5%

(1994年5月10日から1999年5月31日の自家製データ)
(降雨、降雪、発雷の合計)
(「月の割合」とは、総降水時間/総時間である)
(曜日、月により標本数が違ってくる点は補正済み)
赤字は多めの曜日青字は少なめの曜日
(あくまでも予報ではありません)
傾向
1.冬季(12月〜2月)は、火曜日を中心に週の前半が多めである。
降水の内容としては、冬型の気圧配置時の雨・雪も入っているが、これらは総観的には気圧の谷の後方の乾燥域(日本海で気団変質している)でのことであり、気圧の谷の通過が何曜日に多くなっているかは定かではない。(各降水時の気圧配置を検討する必要がある。)
2.春季・秋季は、3・4・9・10・11月で金曜日が最も多くなっている。
このことから、春・秋は金曜日が雨が多い可能性が高いとみられる。ただ、5月は金曜日が極端に少なく(木曜日が約120時間に対して金曜日は約24時間)、この原因は何ともいえない。
3.夏季(6月〜8月)は、最大の曜日と最小の曜日がまちまちである。
考察
(冬季は、日本海での気団変質による降水を差し引かないと総観場からの影響は論じられないので、冬季は外して考える。)
偏西風が卓越する春・秋で金曜日に降水が多いことから、気圧の谷が偏西風に乗って順調に金曜日に来やすいことも考えられる。仮説2.の可能性は棄てきれない。
5月に金曜日が異常に少ないことも、偏西風の季節的変化が影響しているのかもしれない。
偏西風の弱い夏季に曜日の分布がまちまちなことから、一層仮説1.より仮説2.の方が真実味を帯びてくる。

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