科学遊び広場16 「海の遊び広場」報告
と き:1997年 8月9日(土)10:00〜12:00
ところ:鳥取市賀露港広場
賀露の浜辺で、海と砂を中心に、自然と親しみ、遊びを通じて科学の楽しさを知る催しを開きました。今回は兵庫物理サークルから、10名の先生の応援がありました。夏の浜辺をテーマとした科学遊びは、全国でも始めての試みだったようです。
雨こそなかったものの台風接近で風が強く,実験の材料が飛んだり,火がなかなか着かなかったりといったハプニングもありました。
ブース(9時から12時テント内)
ペットボトル2本を口金側でつなぎ,水を入れて回すように振るとトルネード(竜巻)が発生します。渦って効率よく水を抜く方法なのです。ショウユやお酒をビンから早く出すときもビンを振ると良いですよ。
ペットボトルの中に水の中に入れた浮沈子のおもり(お弁当用のショウユ入れにおもりを付けたもの)がペットボトルを押したり戻したりすると,浮いたり沈んだりします。水の圧力や気体のの密度などについて考えましょう。
巨大渦装置
鳥取大学工学部応用理数工学科から,巨大渦発生装置をお借りしました。渦の形や水の動き,空気の泡の変化などについて観察しました。
2.羽根の回折効果
羽根の細いすきまから光にかざして覗いてみると,光の波が重なり合ってきれいな模様や色,不思議な影が見えます。
3.砂のリサージュ
砂の入った壷(ペットボトル)を前後左右に自由に振れる糸に吊るして振動させると,壷から落ちた砂で美しい曲線が描かれます。これをリサージュ図形といいます。今回は強風のため,あまりきれいな模様を観察することができませんでした。
4.クラドニ図形・飛行リング
バイオリンの胴板に砂を撒いて振動させると,振動の少ない部分(「節」といいます)に砂がたまります。音色によってこの砂の模様が変わります。今回は,中心に支柱を付けた鉄板を「あんま器」で振動させて,砂の模様を観察しました。
ペットボトルの丸い胴体を輪切りにして,片側におもりを付けて回転をかけながら輪が進行方向と垂直になるように飛ばします。重りが前にあることと,回転によって飛行が安定して驚くほど遠くへまっすぐに飛びます。
5.水ロケット
水を噴き出して,その反動で飛ぶペットボトルロケットです。子どもたちにはペットボトル1個と自転車の古いタイヤチューブから取り出した注入口を使って,簡単なロケットをつくって飛ばしました。
6.巨大風船
大きな風船にすると,空気も重さがある事がわかります。だって,遠くまで飛ばせるのだから。でも,風が強くて大変。
7.巨大コマ・
いろいろな船
大きなコマを回して,回転の科学を考えよう。たとえば,走っている自転車はどうして倒れにくいのかな?コマはどうして首振り運動をするのかな?回っているコマを持ち上げてみるとどんな力がはたらくのかな?
ただ浮くのが船ではありません。電池やモーターがなくても,いろいろな科学のしくみで走らせることができます。
一斉実験
1.火薬ロケットの打ち上げ
日本のロケットはペンシルロケットからスタートしました。小型でも迫力満点。遂には空の彼方へ見えなくなってしまったロケットもありました。
2.砂鉄から鉄を(テルミット反応)
砂鉄や鉄のさびを集めてアルミニウムの粉と混ぜてマグネシウムの細い線に点火し,急激に反応させ,砂鉄から酸素を奪って鉄に戻します。火山の噴火みたいです。噴火の後を掘って取り出したかたまりをハンマーでたたくと,中から鉄の塊が現れます。
3.放物面鏡で音を集める
この日のために,賀露子ども会のお父さん達が,大きなパラボラを作りました。遠く離れた2つのパラボラで,声を伝えることができます。
4.水ロケットの打ち上げ
特別製のペットボトルをいくつも使った2段・3段式の高性能ロケットを,高く打ち上げました。大きさ,形,重心,羽の位置・形等いろいろな工夫で同じペットボトルでも驚くほど高く,遠くへ飛ばすことができるのです。
5.放物面鏡で光を集める
大きなパラボラの内側にアルミ箔を貼って,太陽の光を1点に集めると,とても大きなエネルギーを集めることができます。水もすぐに温まります。ただ,この日は空が曇っていたため,今一つ集まったエネルギーの強さを実感することができませんでした。
子どもたちは,各ブースに別れて,順番にいろいろな実験をおこないました。その合間に,「一斉実験」に集まり,迫力のある実験を楽しみました。
休憩時間にはスイカが配られ,のどを潤しました。
皆様,ご苦労様でした。
実践記録のページへ戻る