資料集2


高度生殖医療患者に併用したはり治療の一症例

〜第19回(社)全日本鍼灸学会中国四国支部学術集会・高松大会 抄録より〜

目的 近年西洋医学の進歩により、高度生殖医療(以下ARTという)で妊娠を希望する夫婦が増えている。これは、鍼治療と併用して妊娠に至った一症例である。
症例 33歳、O・I 結婚歴5年
治療歴 1999年6月、パートナーが交通事故のため第1腰椎脊髄損傷となる。
約1年間の入院加療。2001年11月1日入籍。翌日Kクリニック(東京)でART治療を受ける。2004年8月まで12回実施。同年10月から2005年8月まで、4回地元のTクリニックでART治療を継続する。
2005年10月17日当院へ来院。17回目の治療に向けて鍼治療で体質改善を希望する。

<初診の所見>
身長163cm、体重47kg、自覚症状として下肢の冷え、食欲(良)
便通(便秘あり)、睡眠(良)

<月経所見>
初潮14才/終期28日〜29日/期間5日/月経前緊張症頭痛・眠くなることがある。

<治療概要>
2005年10月〜12月まで週1回(9回)、12月19日(採卵)、 21日(移植手術)Tクリニックで17回目のART治療を行う。2006年1月4日妊娠反応陽性。その後は順調に経過する。健康管理目的のため1月〜4月まで週1回。5月〜出産まで2週に1回、合計27回の鍼治療を行う。

選穴/
血海 地機 三陰交 足三里 中カン 天スウ 関元 天注 風地 肩井 命門 腎ユ 志室 次リョウ 中リョウ等に刺激。 

手技/単刺術 

用鍼/0番  40mmステンレスディスポ鍼。
結語 鍼治療を排ししてから前進の冷えが改善される。特に次リョウ 中リョウ穴の刺激によって骨盤内臓機の血流改善が認められた。その他精神的なケアによって全身の疲労感が改善され、妊娠への大きな自信につながったものと考えられる。


誕生した男児


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