実用新案申請中(2001.12.8):不許複製
●どんな実験なの 携帯電話に使ってある振動モータを使って,小さなヘリコプタを作って遊びます。 ●どんなことが学べるの 空気を押す力の反作用で,ヘリコプタが上昇することが分かります。また羽根と反対向きに機体が回転しようとすることから,角運動量の保存について学ぶことができます。 ●どんな仕組みなの ヘリコプタの羽根が勢いよく回ると,空気は下に勢いよく流れます。この空気の運動量(質量×速さ)と同じだけの運動量をヘリコプタは上向きに受けて上昇します。羽根が地表近くにあるときは,地面との間に空気が押し込まれて,り強い揚力が発生します。これを表面効果または地面効果といいます。 本物のヘリコプタには,後部に小さなプロペラがあり,機体の回転を防いでいます。また,プロペラが上部の前後に2つあり,互いに反対方向に回ることで,機体の回転を防ぐものもあります。この回転しようという性質は,プロペラの回転と反対方向に働きます。スキーの回転競技ではこれを積極的に使って,高速回転を行います。回転イスに乗って,上体を右にひねれば,脚部とイスは左に回転します。この性質を角運動量保存法則といいます。 ●準備しよう 材料 振動モータ(携帯電話用,偏心用おもりが外部にあるタイプ),バルサ,プロペラ,ハンダ,両面テープ,木工ボンド,プラスチック板,半田ごて,カッターナイフ,直流電圧装置 入手先 振動モータ: 秋月電子(秋葉原) プロペラ: 模型店 ●作ってみよう @ 振動モータから偏心おもりを引き抜きます。このとき,ライタでおもりをあぶると抜けやすくなります。 A バルサから本体部分をカッターナイフで切り出します。 B バルサの振動モータ固定部分に,プラスチック板をボンドで張り付け,さらに両面テープで振動モータを固定します。 C 振動モータの端子に,エナメル線を接続します。エナメル線は極細タイプで,壊れた振動モータの回転子に巻いてあるものを利用することもできます。 D 振動モータにプロペラを固定します。 E エナメル線の端を電源装置の出力端子に固定します。 ●製作の注意 @ 偏心おもりを引き抜くときは,最新の注意をはらって,力加減を調節してください。心棒が抜けてしまっても,また突き刺せば大丈夫です。数個用意していいものを利用します。 A 細いエナメル線は切れやすいので,慎重に扱いましょう。 ●遊び方 @ 電源装置の電圧を上げていき,0.2A程度流すと高速回転が始まり,浮上します。 A 羽根が何かにつかえて回らなくなったら,すぐに電源を切りましょう。通電状態では大きな電流が流れてモータが破損します。 ●こんなこともできるよ プロペラを2つ使って,安定な飛行ができるタイプを作ったり,軽いボタン電池型の充電式電池を使って,配線のないものを作ることができます。羽根の向きを変えたり,ホバリング(空中停止)など,楽しい遊びを考えてみましょう。 ●気を付けよう ライタや半田ごてを使うときは,大人の人といっしょにしましょう。 ●開発の経緯 小型の振動モータは,細かい細工なので工作にコツがいりますが,マイクロマシンなど小さなものの動力に適しています。以前から小型飛行機の動力にと思っていましたが,卓上で遊ぶには遠くへ飛ばないヘリコプタが適していると思い,今回製作してみました。まだまだ改良していかないと,遊べるところまで行きません。どなたか,偏心おもりのはずしやすい振動モータをご存じなら,教えてください。 |
図1 卓上ヘリコプタ |
図2 羽根の回転 |
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図3 左よりプロペラ,振動モータ(上部は偏心おもり,回転子 |
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図4 飛行の様子 手から飛び立って手前に向かっている。 |