ミニミステリーハウス

○概要
ミステリーハウスの中に入ると頭がくらくらします。これは,ミステリーハウスの壁が地面に対して垂直になっていないのに,人は窓や柱の線,壁にかけられた額などに合わせて床に垂直に立とうとするからです。
ミステリーハウスの床は,実は地面に対して平行ではなく,斜面になっています。
また,ミステリーハウスの中では,床の傾きより小さな傾きの斜面では,ボールが低い方から高い方へころがるように見えます。型紙では,この実験を主に設計しました。
(写真は内部が分かりやすいように,わざと切り取ってあります)

○こんなことが学べます
人間の目は日常の経験を判断の元にしているため,錯覚を起こしやすいことが分かります。高い方へは転がらないことを理解することができます。

○こんな仕組みです
型紙の壁に描かれた直線は,床に垂直に引かれているように目は見ようとします。このとき,壁に作られた斜面は実際は最初の写真のように,実は低い方へ傾いているため,球を転がすと右へ転がって落ちます。しかし,目は壁の線に合わせて見ようとするため,高い方へ向かって転がっていくように見えます。
○準備しよう
型紙,BB弾の弾,のり,はさみ,カッターナイフ

○入手先 BB弾:ホームセンター,百円ショップ,模型店,玩具店

○作ってみよう
@型紙の周囲の黒い線にそって,はさみやカッターナイフで切り取ります。
A斜面の黒い線にそって,カッターナイフで切れ目を入れ,赤い線にそって谷折りして斜面を作ります。
B赤い線にそって,全て谷折りします。
Cのりしろにのりをつけてはります。
 
○製作の注意
@小さな子供のカッターナイフの使用には十分注意してください。
Aのりしろは印刷した面に出ないよう,全て部屋の外壁にはってください。
○遊び方
写真のように壁の線が鉛直に見えるように,目の高さに箱を支えます。斜面にBB弾の球を指でつまんでのせると,高い方へ向かって球が転がるように見えます。

○こんなこともできるよ
部屋を自分で描いたり,自分の家の部屋の写真をとって印刷したりすると,臨場感や親しみが出て楽しくなります。

○開発にあたって
10年ほど前に神戸高校の自然科学部物理班のメンバーと,学園祭の出し物用に,4畳半ほどのミステリーハウスを建てました。壁に斜面を作り,ゆっくりとボールが高い方に向かってころがって見えるようにしました。この出し物は好評で,不思議がる生徒達が多くいました。しかし,阪神淡路大震災のために傾いた家が多かったため,わざと傾けて作ったミステリーハウスの出展ができなくなりました。その後,数年ぶりに訪れたら,校舎の改築の際に倉庫とともに片づけられていました。このミステリーハウスを何とか手軽に工作できないかと,今回の型紙を設計しました。
型紙印刷用画像の表示(mystery4.jpg)はここをクリックしてください。

ASHIさんちへ戻る