レーザ光を用いたアナログオシロ Analog Oscilloscope with Laser


アルミフォイルスクリーンに投影された音声波形
○こんな実験です
ラップフィルムを貼ったマイクにむかって声を出すと,フィルム上の鏡が振動します。この鏡にレーザー光線を当て,反射光を回転鏡に当てると,スクリーンに音声波形が表示されます。

○こんなことが学べます
人や楽器などによって,また「あいうえお」などの母音によって,波形が異なることや,音の強弱によって振幅が変わること,低音と高音では波形の横幅が異なることなどが分かります。
回転鏡によって,時間軸ができることが分かります。
レーザー光線の反射光は,アルミフォイルのスクリーンで観察しやすいことが分かります。
○こんな仕組みです
ラップフィルムの振動は球面ベッセル関数で表示されますが,適当な位置に鏡を固定し,音の高さを調節することで,一方向の振動を強く出すことができます。このとき,レーザー光線と回転鏡を用いて,その縦振動を横方向に掃引します。

ラップフィルムを底を切り取った容器にセロハンテープでピンと貼り,両面テープで塩ビミラーを貼り付ける
○準備しよう
塩ビミラーまたはポリカミラー,カップラーメンの容器や紙筒,厚紙,レーザーポインター,アルミフォイル,ベニヤ板,三脚,丸棒,タコ糸,回転装置,電源装置,両面テープ,セロハンテープ,はさみ

○作り方
@ラップフィルムを底を切り取った容器にセロハンテープでピンと貼り,両面テープで塩ビミラーを貼り付けます。ミラーを貼る位置はいろいろ確かめてみましょう。
A塩ビミラーを切り,断面が八角形になるように回転鏡を作るります。ミラーの内側は厚紙で補強します。
B回転装置の上にAの回転鏡をセットします。ぶれないように,ゆっくりと回転させます。
Cアルミフォイルをベニヤ板に貼り,スクリーンにします。これを三脚に固定した丸棒に吊します。

○実験の仕方
大きな低い声を出すと,振動が見やすいです。回転鏡をゆっくり回して,スクリーンに大きく波形が表示されるようにします。
声の高さ,大きさ,種類などいろいろ変えてみましょう。
塩ビミラーを切り,断面が八角形になるように回転鏡を作る。
ミラーの内側は厚紙で補強する。
ここでは回転装置は廃物の車輪駆動装置を流用した
手前にアナログマイク,その向こうにレーザーポインター,その奥に回転鏡がある
高さを合わせ,うまくスクリーンに映るように調整する

スクリーンにはアルミフォイルを用いた

低い,大きな声を出すと振動が見やすい
○開発の経緯
2009年度鳥工祭での鳥工TECの出し物ように作りました。
回転鏡は4枚の鏡だと広い範囲に光が広がって,大きなスクリーンが必要になります。また,周囲の人の目にレーザー光線が入りやすくなります。そこで,8枚にしました。
初め,アルミ枠の黒画用紙をスクリーンにしていましたが,その枠は明るく反射していることから,生徒のアイデアでアルミフォイルのスクリーンにしました。
このアナログオシロでは精密波形は表示できませんが,オシロの原理を学ぶのに適した装置です。

声が小さかったり,共鳴していないと振幅は小さい