Coin Twister Bankと硬貨の落下時間
Coin Twister Bank は(株)増田屋コーポレーションで販売されています(Made in China) |
○こんな実験です Coin Twister Bankは,コインを上部のスライダーに入れると,コインは1/rの断面を持つ透明容器に初速度を持って斜めに進入し,ぐるぐる回転しながら落下し,下部の引き出しに500円コインとその他のコインが選別されて格納されます。その様子は,まるで回転しながらブラックフォールへ落ち込んでいく様子を連想させます。また,人工衛星が空気と摩擦しながら低い軌道へ落下し,位置エネルギーの一部が摩擦で散逸しながら,運動エネルギーへと変換されていく様子を実感できます。 ○こんなことが学べます 位置エネルギーが運動エネルギーに変換される様子が体験できます。また,摩擦によりコインがすべらず回転し,慣性の法則によりコインは直進運動しようとするのに,壁から垂直抗力を受け,これが向心力となって回転運動することが学習できます。 コインの慣性モーメントが大きくなるほど,落下に要する時間が長くなることが分かります。 ○こんな仕組みです 各コインの慣性モーメントを計算し,落下時間との散布図を描かせると,慣性モーメントが大きいほど落下時間が長くなることが分かりました。 おもしろいことに,穴の開いたコインである5円と50円は同じ慣性モーメントであること,また10円と100円はほぼ同じ値であることが分かりました。実際に計算してみると,1円と500円では慣性モーメントに10倍以上の差があることが分かります。 |
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この断面の曲線が1/rだと,勾配は1/(r^2)となり,重力の式と同じく逆2乗の力で中心に引かれることになる。 |
実験に使用したコイン。大きさの順に並べた。質量を測定して慣性モーメントを計算すると,5円と50円,10円と100円はほぼ同一である コインが回転する動画を見る |
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落下の条件を一定にするため,スライダーの上部ぎりぎりに,スライダーの面にそってコインをセットします。 |
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日本のコインだと500円だけが左へ行きます。直径で選別しているようにみえます。 |
慣性モーメントの計算式がやっと役立ちました | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
○研究の経緯 秋葉原の三月兎2号店にあるこの商品を見て,多分断面が1/rではないかと思い,重力場の実験用に欲しくなりました。最も私が欲しかったのは透明プラスチックの部分だけですが。おそるおそる値段を聞くと,何と100円。店員さんに感謝です。2個買い占めました。 1歳10か月の孫に与えたところ,夢中になって1日中遊んでいるではありませんか。とてもすばらしい教育玩具です。一応3歳以上とあります。 長男の奥さんが5円が一番長い時間回るようだと言うのを聞き,実際に確かめてみました。実際に実験してみると,どうも慣性モーメントに関係しているような気がしたので,計算して比較しました。予想はあたりました。 |
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