「キリンチューハイ氷結」の縮み
わずかに縮みました |
○こんな実験です 「キリンチューハイ氷結」の「ダイヤカット缶」パッケージは「ミウラ折り」の仲間で,三浦氏によると,「潰れて強度が増した形」を活かしてつくられたものだそうです。 この缶は、開けた途端に収縮が起こり、ダイヤモンド型のパターンがはっきりして、同時に強度も上がるそうです。 そこで実際に島津万能試験機にかけて圧縮試験を行ったところ,ダイヤカット缶はなめらかな缶に比べ,約1.5倍の強度がありました。また,100kgの重さがかかってつぶれたことになります。 氷結の缶は,東洋製罐鰍フ技術者が三浦氏の論文を元につくりました。元々NASAの機体の強度を増すためのパターンとして考案されたものだそうです。 「開けると変形する面白い缶」として親しまれているということで,高さを比較すると,0.04%縮むことがわかりました。 参考URLhttp://www.athome-academy.jp/archive/mathematics_physics/0000001014_01.html |
|||
○準備しよう キリンチューハイ氷結,ノギス |
○実験のしかた プルトップを開ける前と開けた後で高さを測定します。 |
開けたときの実験動画 | ||
2008年8月29日 ダイヤカットグラスがおまけに付きました |
○実験結果 開ける前の高さ:12.25cm 開けた後の高さ:12:20cm 差:0.05cm 百分率:(0.05/12.25)×100=0.04% 缶のパターンは斜めの線は全て山折り,水平の線は全て谷折りです。 元々縮めた状態で缶が製造され,チューハイを入れると,二酸化炭素ガスの圧力で縦方向に伸びていると思われます。 |
|||
島津万能試験機。圧縮・引っ張りの強度試験が行える |
このように缶をセットして油圧で押しつぶします |
|||
なめらかな表面の缶では,0.69kNの力でつぶれた 1kNは1000N。重さにすれば,9.8m/s^2で割って,約100kgに相当する したがって,0.69kNは質量70kgの物体がのっかってつぶれたことになる |
上から加圧装置がゆっくり下がってきます。急激につぶすのと,ゆっくりつぶすのでは値が変わります |
なめらかな缶の圧縮の動画 氷結(ダイヤカット)の圧縮の動画 |
||
ダイヤカット缶では,1.05kNの力で潰れた これは,質量107kgの物体がのっかってつぶれたことになる |
||||
缶を立てて靴で踏んづけると,確かにダイヤカットの方が強かったです 普通の缶はあっさり潰れますが,ダイヤカットはぐっと耐えます。さらに力を入れない踏み込まないと潰れない感じです |
このように満濃試験器にかけて圧縮したとき,中央がくびれた形になるのを「せん断破壊」といいます。砂時計のような形になります |
|||
右は下のダイヤカットの型紙を折った(水平の実線は谷折り。斜めの線は山折り)ものである。 円柱と形の保ちやすさ,荷重時の強さ等を比較するとおもしろい。 型紙は折れ目をしっかり折ってから,柱状になるように巻いて,セロハンテープで止めるとよい。 |
KIRINの製品にはダイヤカットが使われたものが他にもある。 左は微糖コーヒー「Fire」でスチール缶である。大きく彫りの深い形で,しっかり持ちやすい。 右はスパークリングホップ,リキュール類のアルミ缶だが,ダイヤカットの模様は小さい。強度も持ち易さもあまり気にしていないようだ。 |
|||
ダイヤカットの型紙(A4)の入手 PDF版のdownload 花子版のdownload |