発泡スチロールスライサー(Styrofoam Slicer)


ミニ・パラグライダーTypeU
○こんな実験です
科学の祭典などで,「ミニ・パラグライダー」や「飛べ一反木綿」,「アルソミトラの種」などを作っていると,必ず聞かれるのが「この翼は売っているのですか?」です。
しかし,このしっかりした発泡スチロール(正確には発泡ポリスチレン)のいろんな厚さの板は売っていません。
自分でスライスして作らないといけないのです。
そこで,特別ここに私が大量生産用に使っているものを紹介します。

材料の発泡スチロールのブロックは,ホームセンターなどで売られている5cm程度の厚さの断熱材(建材売り場にあります)から,ハッコースチロールカッター(会社名が「ハッコー」,糸鋸の形をしている)で,翼などの形に切り出します。

これをスライサー(slicer)にかけて好みの厚さ(厚さはニクロム線をのせる針金の太さで調整する)にスライスします。

発泡ポリスチレンは軽くて強い材料です。自然界の翼は薄くて強くて軽いのですが,紙では実現できない強さと軽さを実現します。いろんな形にスライスして翼や本体を作り,飛行するおもちゃを作ってみましょう。

翼用の発泡ポリスチレンブロック
電源にはスライダックを3V〜4Vくらいで使用する。電流をたくさん流すため(ニクロム線が少し赤くなる手前まで電圧を上げる),直流安定電源装置では使えないものが多い。
枚数をあまり必要としなければ,乾電池2,3個を直列にして使うこともできる。
ニクロム線は高温になると伸びるため,バネで強く引っ張っておく必要がある。
スライサーの作り方

1 板を2段に重ねて貼り付ける
2 長さ3cm,直径2mm程度の針金をコの字形に曲げ,上の板の両端中央に打ち付ける(薄いものはタッカーの針でも良い)
3 ネジを2カ所に取り付ける
4 ハッコースチロールカッター用ニクロム線を上の板のネジに一方をかけ,他方を強くバネで引きながら,下段のネジにバネの他端を止める

使い方

1 ニクロム線の両端にスライダックからの電圧をかける
2 発泡ポリスチレンのブロックを,上から均等に押さえつけながら一定の速さで上の板の上を滑らせ,スライスする
途中で止めず(止めた部分に線状の傷やそこで切れる)に一気にスライスするのがコツである