3原色LEDによる光の混合



RGB(赤緑青)同時に点灯すると白く光る

2007年8月2日鳥取砂丘子供の国での教室の様子の動画(NCNケーブルネットワーク)です。
○こんな実験です
光の3原色赤,青,緑を混合すると白色ができます。これら3原色のLEDの光を2つずつ組み合わせるとマゼンタ,シアン,イエローができます。ここでは三波長合成8500K白色発光ダイオードを用いて,光の3原色の実験を行います。

○こんなことが学べます 
光の3原色によって,いろいろな色が作り出されることが分かります。

○こんな仕組みです 
三波長合成8500K白色発光ダイオードは赤650nm(n:ナノは10のマイナス9乗),青470nm,緑550nmに発色する3個のLEDを内蔵しています。各色の接続端子が個別にあるため,回路を工夫することにより,赤と緑でイエロー,緑と青でシアン,青と赤でマゼンタ,3色同時に発光させると白の7通りの色を作り出すことができます。

○準備しよう 
三波長合成8500K白色発光ダイオード,配線材,ハンダごて,ハンダ,ニッパ,電源装置(5V)
○入手先
三波長合成8500K白色発光ダイオード(EP204K-35RGB Enhanced Power LED):秋月電子

マニュアル付属の説明書

SW1はロータリー式,SW2,SW3,SW4はプッシュ式を用いる。例えば,ロータリースイッチを赤の位置にし,SW3を押せば緑も点灯してイエローに発光する。SW2,SW3を同時に押せば青も点灯して白に発光する

配線の様子。ロータリースイッチとプッシュスイッチを組み合わせる

青LEDのみ発光させたところ
○作ってみよう
@ 配線図にそって75Ωの抵抗をLEDに半田付けします。150Ωは75Ωを直列に接続します。
A ロータリースイッチに抵抗からの線(マイナス側)を半田付けします。
B プッシュスイッチを各色の端子に接続した抵抗のマイナス側に配線します。
C LEDのプラス側の配線を行い,電源装置を5Vに設定してLEDに電圧をかけ,発光させます。

○製作の注意
@ プラスチック部分が溶けてしまわないように,LEDの端子に半田を付けすぎないようにしましょう。
ホースのつぎ目やストローの固定部分で,空気がもれないようにしっかりセロハンテープを巻きます。
A 長時間ハンダゴテを当てると,熱によりLEDが壊れることがあります。

赤,青LEDの発光でマゼンタが得られる

赤,緑LEDの発光でイエローが得られる

青,緑LEDの発光でシアンが得られる
○遊び方 
まずロータリースイッチを回して

○こんなこともできるよ 
赤,緑,青の各LEDの抵抗部分に直列に可変抵抗を付けると,様々な色を作り出すことができます。

○開発にあたって
秋月電子の通販カタログで見つけたLEDです。大きくて明るいので,演示用として適しています。物理の光の分野だけでなく,情報科学でも利用することができる教材になります。
すべてロータリースイッチだけで制御する予定でしたが,中央に共通端子が1個だけのものでしたので,プッシュスイッチで補うことにしました。
霜田光一先生の自宅で見せていただいた装置を見て,長い間放置していたLEDを組み立てようと思い立ち,連休(2007.5.3)を利用して作りました。

前物理教育学会会長の霜田光一先生が製作されたLED投光器。スクリーンが近くにあると,3原色が別れて見える

スクリーンを遠ざけると各色の混合が見られ,中央には白色が得られる。単純な構造で見事に三原色の混合を説明できるすぐれた教材
可変抵抗を付けると,RGBのそれぞれのLEDにかける電圧が変化して,無限の組み合わせの色を作ることができます。
○追加材料
10kΩ可変抵抗 3個

つまみ 3個
名刺ケース
テーパーリーマー
電動ドリル