ティラノサウルスの頭部の立体視
従来立体影絵には，赤と青のセロハン紙を透過した豆電球の光を物体に当ててスクリーンに影を映し，それを赤と青のセロハン紙で作ったメガネで観察して立体視する，アナグリフ方のものがありました。福井県のひげ北さんは，手製のドームに針金で自作した恐竜の骨を写しだして，ジュラシックパークのような迫力のある立体動画を映し出していました。
ここでは，ハイパワーLEDを用いて投影する方法を紹介します。
○こんなことが学べます
青と赤の光による影絵が，アナグリフメガネで立体視できることが分かります。
○こんな仕組みです
立体視をするには，右目と左目にそれぞれ少し異なる角度で入る像の光が必要です。
物体の影を左右視用に投影し，立体としてスクリーンの手前に浮き出る効果を出すためには，右目用の影（青の光の影）がスクリーン上では左側に，左目用の影（赤の光の影）が右側に来るように，ＬＥＤを配置します。
アナグリヒメガネは右目が青，左目が赤になっており，青フィルターで青の光は明るく観察され，その影が黒く見えます。ところが，青フィルターでは赤の光は暗くなり，赤の光による物体の影も暗いので，結局青い光の影だけが観察できます。赤フィルターで見る像は同様に，赤い光による影だけが観察され，アナグリフメガネで左右視用の像が得られます。
飛行機タウベの立体視
飛行機タウベの骨格モデル
ティラノサウルスの頭部の針金模型
アナグリフメガネ，投影器，電源装置
アナグリフ投影立体視の原理図
ハイパワーＬＥＤ（赤 OSR5XME3C1E 2.8V，700mA），ハイパワーLED（青 OSB5XNE3C1E 3.8V,700mA），ハイパワーLED定電流ドライバモジュール（OSMR16-P1213 ２個），アルミ板，プラスチック板，メガネクリップ，ボルト，ナット，ワッシャー，半田，半田ごて，アナグリフメガネ，電源装置（4V以上），強力両面テープ
○LED，LED定電流ドライバモジュール：共立電子
○作ってみよう
① アルミ板とプラスチック板を加工し，投影装置の本体とします。アルミ板には穴を開け，ボルトとナットとワッシャーを用いてメガネクリップに接続します。
② LEDと定電流モジュールを半田付けし，強力両面テープで①に固定します。
③ 4V以上の電源装置に接続し，LEDを点灯します。
観察しよう
針金で作った骨格模型や機械模型，結晶構造等を②のLED投光器で照らし，スクリーンに映った影をアナグリフメガネ（赤と青の下敷きで代用可能）で観察します。
3WハイパワーLEDの配置
メガネクリップの穴にボルト・ナットで固定
ハイパワーLED定電流ドライバモジュール