装置の様子と手回し発電機 |
大人の科学 Vol.21 p.43 より | ○こんな実験です 1821年,マイケル・ファラデー(Michael Faraday)は,カップに水銀を入れ,カップ内に立てた永久磁石の磁力を用いて,電流を流した導線が磁石から受ける力で回転するモーターを作りました。水銀は毒性が高いので,ここではアルミ箔のブラシをアルミシールに接触させて回転するようにしました。 ○こんなことが学べます フレミング左手の法則により,導線の回転方向が分かります。 |
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台の製作材料(海胆の箱を利用)。直角の腕は三角形に切った板で補強する |
真鍮の針金を丸く曲げ,ここに回転する針金を吊す |
○こんな仕組みです 手回し発電機を用いて,吊された針金に電流を流すと,磁場の向きと電流の向きのそれぞれに垂直な方向(フレミングの左手の法則)に導線が力を受けて回転します。 |
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ベニヤ板にアルミシールを貼る |
回転する針金の下部には針金と同じ真鍮で鎖を作り,いつもアルミシートの台に接触するようにする。 |
台の中央にネオジム磁石を乗せ,針真鍮の鎖の先が軽く台に接触するように,吊り下げる針金の長さを調整する |
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針金が回転する動画を見る |
○準備しよう ネオジム磁石(直径7mm×厚さ3mm程度を数個),真鍮製針金(φ=0.5mm程度),板材,アルミシート,手回し発電機,ラジオペンチ,錐,のこぎり,木工ボンド ○作ってみよう @ 木材をのこぎりで切り,適当な本体を製作します。 A 真鍮の針金を用いて,穴を開けた腕から針金を吊す金具を作ります。 B 回転台にアルミシールを平らに貼ります。 C 回転する針金の一端は吊り下げ用に丸く曲げ,他端には同じ針金の材料(真鍮)で鎖を作り吊り下げる。 D 回転台の中央にネオジム磁石(ここでは百均のマグネットから取り出したものを5個重ねて使用した。1個でも回るが数個重ねた方が回りやすい)を置き,台のアルミシートと腕の金具に手回し発電機のリード線を蓑虫クリップで固定して完成です。 |
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○使い方 手回し発電機を回転させると,吊した針金に電流が流れ,力を受けて回転します。反対方向にも回転させてみましょう。 ○開発にあたって 大人の科学 Vol.21には学研が開発した電磁石エンジンが付いてきます。また,いろんな歴史的モーターが付いてきます。この本を見ると,いろんなモーターを製作したくなりますが,まずファラディー・モーターを再現してみました。吊り下げた針金と台のアルミシールの接触がうまく行くとよく回転します。水銀の代用に塩水を使った例がありますが,ネオジム磁石がさびやすいのと,電気分解で塩素ガスが発生したり,水酸化ナトリウムが溶液中にできる等のやっかいな問題があります。 |