エイムズの顔(部屋)


○こんな実験です
脳が距離を錯覚して大きさの錯視が生じる部屋,「エイムズの部屋」の模型を作ります。ここでは段ボールパネルの横幅の最大値91.5cmを最も長い辺に利用しました。床に開けた2つの穴から,2人の人が同時に顔を出し,のぞき穴からのぞいて,大顔・小顔が観察されるのを確かめます。

○原理
覗き穴を通して見たとき,脳が台形の部屋を普通の四角の部屋と勘違いするように作られているため,錯覚が生じます。錯覚が生じやすいよう,窓の形や床の模様が遠近法で計算されて描かれています。

右側の顔は実際は観察者に近いため,大きく見える


同じ大きさの導体球を床の底から差し入れて比較したもの
○準備しよう 
プラスチック段ボール(183×91.5cm),角材(2cm×2cm×1.9m)4本,強力両面テープ,梱包用カラーテープ,カッターナイフ,サークルカッター,定規


○作ってみよう
@ 右の型紙をプラスチックダンボールに描き,カッターナイフで切り取ります。このとき,最大の長さを91.5cmにすると,人の顔が入るものができます。
A 床を格子模様に描き,窓を切り抜いたり,適当な写真を貼ったりします。
B 梱包用カラーテープで壁を貼り合わせます。
C 角材にエイムズの部屋の四隅を両面テープで貼り付け,床から対象とする年齢に合わせた高さに持ち上げます。

解像度の高い画像を選ぶ 
:jpeg画像です。
WORDや一太郎に取り込んで,用紙に合わせて印刷してご利用ください。プラスチック段ボールを使うときは,最大長さの辺を91.5cmにとって設計してください。

A4サイズに印刷したもの。下の穴からキャラクターを出すには,B4やA3で印刷した方がよい。
この角度で映すと,右のキャラクターの方が大きく見えるが,実際は同じ大きさである
材料のプラスチック段ボールを展開したところ

2つ開けたのぞき穴と,右側面の様子

顔の大きさの比較に用いた導体球と観察面


のぞき穴から観察している様子

天井側から見た様子。下の穴から顔を出す
○観察の仕方 
のぞき穴から2人の顔を観察し,その大きさを比べます。左の人の顔が小さく見えます。

○気をつけよう
カッターナイフを使うときは,刃の進行方向に指を置かないようにしましょう。


○開発にあたって
鳥取工業高校の文化祭出典用に製作しました。プラスチック段ボール1枚をつなぎ合わせることなく壁や床に用いると,子供が中に入ることは不可能です。そのため,床に穴を開けて顔を出すことにしました。世の中小顔がもてはやされているので,大顔・小顔を比べて楽しむことができます。