左が本物のアオギリの種子。白のラッカーで塗装している。 右がここで作るもの。蓄光ビーズを種として使っている |
○こんな実験です アオギリは青桐の意で,葉がキリの葉に似ていて,太くなっても樹皮が緑色だから名付けられた落葉高木です。 その果実の形は特徴的で,若い時期は5本のさやが垂れ下がります。このさやは内側が裂開して舟形になり,その果皮の縁に球形の種子が3個から5個付きます。種子はなかなか離れず、冬にこの舟形の心皮とともに風に飛ばされて散布されるます。 ここでは発泡ポリスチレンのシートを熱湯で舟形にし,蓄光ビーズをおもりにして落下させ,回転を楽しみます。 ○こんなことが学べます 重心がかたよった舟形は,落下しながら回転することができます。また,回転により,ゆっくり落下することが分かります。 ○こんな仕組みです 風で種子を散布する植物は,そよ風のように弱い風で飛ばされてしまうと,木のすぐ近くに散布され,木によって陽光や雨が遮られ成長が困難です。したがって,強風の時に枝から離れるように設計されています。アオギリは種子が果皮の枝に近い方に偏って分布しており,落下時にプロペラのように回転します。回転はみかけ上,表面積を増やすことになり,空気抵抗を大きくします。強風だと舞い上がることもできるし,ゆっくり落下して種子の破損を防ぎます。 |
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○準備しよう スライス(スライス器はミニ・パラグライダー参照)した発泡ポリスチレンシート,おもり用蓄光ビーズ(大)(ダイソー)金属製レンゲ2個(ダイソー),スティック糊,はさみ,輪ゴム ○作ってみよう @ レンゲの周囲1cm程度出るように,発泡ポリスチレンシートを切ります。 A 2枚のレンゲではさみます。輪ゴムでレンゲがしっかりはさみこむようにしてもいいです。 B 沸騰した湯に1,2分つけて水で冷やします。このとき,形を舟形に整えるといいでしょう。 C はさみで周囲を切り,果皮の形に整えます。 D 蓄光ビーズ(大)を図の位置にスティック糊で貼ります。何回か落下試験を行い,よく回転する位置を決めます。 |
レンゲの周囲より1cm程度大きめに発泡ポリスチレンシートを切る |
2本のレンゲでしっかりシートをはさむ。輪ゴム等で固定してもよい |
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○製作の注意 BB弾や小さなビーズをおもりに使う小型のものでは,スライスしたシートの腹を,指でなでながら舟形を作ることができます。 また,ちいさな方が回転の調整が楽です。 ○飛ばし方 おもりの付いている反対側を軽くつまみ,放り投げます。水平に回転するようになるまで,おもりの位置やおもりの大きさ,おもりの数を調整しましょう。 風の強い日に戸外で飛ばすと,回転しながら上昇していく様子が観察できます。大変おもしろいですよ。 落下の様子の動画(400KB MPEG1)download ○開発にあたって 広域合併によって鳥取市の西端に位置することになった青谷の町にはアオギリがたくさん生えています。青谷高校の中庭にも大木になって,毎年多くの種子を付けています。興味深い教材が身近にある自然を守っていきましょう。 |
しっかりはさんで煮沸する |
取り出すと周囲が縮む。先の方をつまんで細くすると本物らしい |
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レンゲからはずし,ハサミで周囲を整形する |
右2つは指で押しながら凹ませたもの。右端のおもりはBB弾。小さいほど回転しやすい |