バイモルフ・ライト |
ビー玉を振ると点灯する |
○こんな実験です
環境公害が問題になる乾電池を使わないライトです。バイモルフという圧電素子を2枚弾性板に貼り付けた装置を使い,ビー玉を弾性板にぶつけてバイモルフ素子に歪みを発生させ,発電して発光ダイオード(LED)を光らせます。うちわに組み込んで,あおぐと光の文字や花火の模様が表れる商品が売られています。
○こんなことが学べます
圧電物質を曲げることによって歪みが生じ,電圧が発生することがわかります。 |
製作材料一式 |
○こんな仕組みです
バイモルフは,圧電セラミック素子2枚を弾性板に貼り付けたものです。厚み方向に分極された2枚の厚い圧電素子から構成されていて,内部に電極が埋め込まれ,貼り合わせています。
振動を与えてやると圧電効果により電荷が発生しますので発電機や歪みのセンサとして使えます。ここではこの発生した電気でLEDを点灯します。
また,逆にこのような構造を持つバイモルフに電圧を印加すると上部の圧電素子は圧電横効果によって縮み,下部の圧電素子は伸びます。その結果,全体としては上部に曲がることとなります。交流をかけると上下に振動するので,様々な機械部品に応用することができます。 |
ポリエチレン製のトレイに,バイモルフを通す穴をPETボトルカッターで開ける |
開けた穴(1カ所のみ)にバイモルフを通す
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発泡ポリスチレンのブロックを切って,バイモルフをはさむように固定する。また,しきられた部分にビー玉を1個ずつ入れる |
回路図
○製作の注意
ケースに開ける穴を大き過ぎるとバイモルフが抜けやすくなります。また,発泡スチロールのスペーサはしっかり固定できるように作ろう。 |
○準備しよう
バイモルフ素子((株)京都クリエイティブイマジン製),超高輝度発光ダイオード(白色,推奨 形状:3〜5Φ砲弾タイプ,光度:6800mcd,指向特性:15゜,定格直流順電流:20mA)4個,ビー玉(15mmφ)2個,発泡ポリスチレンブロック,ポリエンレンケース,PETボトルカッター,半田ごて,半田,ペンチまたはニッパ
○入手先 バイモルフ:(株)シータスク,ポリエチレン製のトレイ:ダイソー
○作ってみよう
@ ポリエチレン製のトレイの1側面中央に,バイモルフを通す穴をPETボトルカッターで開けます。
A @の穴にバイモルフを通します。
B 発泡ポリスチレンのブロックを切って,バイモルフをはさむように固定します。また,バイモルフでしきられた部分に,ビー玉を1個ずつ入れ,ふたをします。
C 回路図のように,LEDを半田ごてで接続します。
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バイモルフの先端に,LEDを4個接続する |
○使い方
照らしたい方向にLEDを向け,箱を振ってビー玉をカチャカチャとバイモルフの弾性板に当てます。
○こんなこともできます
回路図のCD,EF端子には,それぞれ10個ずつまでLEDを増やすことが可能です。バイモルフ附属の説明書を参考にして増やしてみましょう。また,LEDの配置を換えることにより,オリジナルの模様を表示することができます。弾性板をつぎたして先に重りを付け,ふることによって点灯することもできます。いろいろなアイデアのバイモルフ・ライトを作ってみましょう。
○開発にあたって
圧電素子で懐中電灯を作ってみようとWeb検索していたら,このバイモルフが見つかりました。うちわとして夏のヒット商品になっているようです。
バイモルフは構造が単純で,製造が容易であり,発熱も雑音もありません。電圧をかけることで,大きく曲がります。このため,次のようにいろんな製品として応用されています。
圧電スピーカー,圧電ポンプ,ショックセンサ,骨伝導マイク,ギターピックアップ,血流計,アクチュエータ,圧電リレー,・バイモルフファンなど。
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