薄い雲のかかった晴れ間 10分間露光 |
青谷高校3階物理室前廊下から日本海を望む |
○こんな実験です 凸レンズを1枚使ったシンプルな単レンズカメラを作り、カメラの原理を学びます。小さな子どもでも工作しやすいように、焦点距離が10cmの凸レンズを使い、カメラ本体の長さも10cmの固定長の固定焦点にしました。 |
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内部をにじまないペンで真っ黒に塗る 複写機で空焼きしてもよい |
○こんなことが学べます カメラの基本原理や凸レンズの性質や働きが分かります。 スクリーンの位置はレンズから離すことができるため、近くの像を写すときはスクリーンをレンズから離すとよいことが分かります。 また、光を長時間感光させると露出過度になったり、短時間だと露出不足になったりすることも分かります。 人間の眼はカメラと同様な構造なので、眼の仕組みや近視と遠視の仕組みも学ぶことができます。 ○こんな仕組みです 凸レンズを通った光はレンズ内で屈折し、無限遠から来た光は焦点に集まります。 ここで作るカメラはレンズからスクリーンまでの距離が焦点距離の長さに一致するため、無限に遠くにある像にピントが合うようになっています。 |
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トレーシングペーパーや、スリガラス状のプラスチック板などでスクリーンを作る。 |
レンズをセロテープで固定する |
カメラ本体とレンズカバー、フィルムカバー、スクリーンの様子 |
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○準備しよう レンズ(口径36mm、焦点距離100mm)、感光紙(リコーBLUNEOペーパー等)、型紙、厚紙(B4)、トレーシングペーパーまたはスリガラス状のプラスチック板、両面テープまたはのり、はさみ、カッターナイフ、黒マジックインク(Procky等のにじみにくいもの)、 ○入手先 感光紙 文具店 凸レンズ(焦点距離10cm) (株)シータスク ○作ってみよう @ ダウンロードした型紙を厚紙に貼るか印刷し、外側の線にそって正確に切り取り、内側を黒く塗ります。このとき、にじまないペンか、複写機で空焼き(何も原稿をのさないで、カバーを開けたままコピーする)します。 A レンズとスクリーン用の穴をはさみやカッターナイフで切り抜きます。 B 折れ線にそってカッターナイフまたははさみで軽くなぞり、山折りします。 C レンズ穴に凸レンズをセロハンテープで固定します。 D スクリーン用のふたの内側に、スリガラス状のプラスチック板かトレーシングペーパーを、スクリーンとして貼り付けます。 E 本体と感熱紙用とレンズ用のふた(同一の大きさ)、スクリーン用のふたそれぞれを両面テープかのりで張り合わせます。 F 感熱紙をふたの大きさより5mm程度短めの長方形に切り、ふたの内側にセロハンテープで貼り付けます。 ○製作の注意 すきまからの光が箱の内部にもれないよう、しっかり接着します。また、箱がねじれないよう、丈夫な厚紙を使いましょう。 |
型紙 花子の型紙 | ||
撮影用にセット |
○観測の仕方 @ スクリーンに外の遠くの景色を写し、ピントが合っているか確認しましょう。ずれているときは箱の長さを短くしたり、長くしたりしてください。 A 近くのテレビや蛍光灯などの像にピントが合うように、スクリーンをレンズから遠ざけてみましょう。 B では、撮影です。 ア まず撮影する位置をスクリーンに投影して確認します。 イ レンズにふたをし、感熱紙をはったふたをスクリーンのふたと交換します。 ウ 明るさに応じて撮影時間を調整します。何回か時間を変えて撮影しましょう。感熱紙の感度によっても変わります。 エ 撮影できた感熱紙をふたからはがし、アイロンをかけて青色に完全に変色させます。 ○気をつけてね @ 太陽が直接レンズ内に入ると、内側が黒く塗ってあるので燃え出します。太陽の直射光が入らないように撮影しましょう。 A 感熱紙を切断したり、カメラにセットしたり、またカメラから取り出すときは、直接太陽の光が当たらないように、また明るいとこに長時間むき出しでおかないようにしましょう。感光して色が薄くなった感熱紙は交換しましょう。 B アイロンを使うときは、大人の人といっしょに使いましょう。長時間電源を入れたままにしておくと、危険です。 |
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露出時間15分(露光オーバー)、建物には直射光。周辺がぼけているのが分かる |
露出時間10分、建物には直射光 |
露出時間8分(露光アンダー)、薄曇り 建物には陽が当たらず |
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○こんなこともできます カメラをダンボールや木の大きな箱で作って、大きな写真を撮ることも可能です。また、ジャンク品のカメラ用レンズセットを使うと、周辺もひずまないしっかりした写真が撮れます。 ○開発にあたって 単レンズカメラは昔から科学工作に利用され、教科書にも掲載されています。しかし、小さな子どもでも短時間で簡単に作ることができ、また、撮影できるものはなかなかありません。そこで、理科大好きコーディネータ事業を青谷地区公民館で行うとき、ぜひ挑戦してみようと設計しました。固定焦点のため、小さな子でも確実に写真が撮れます。 |