○こんな実験です 鉛と備長炭をそれぞれ陰極,陽極に用い,水の電気分解が起きない低い電圧で充電し,大容量のコンデサーとしてモーターなどを動かします。 ○こんなことが学べます 電気二重層の原理と、コンデンサーとして利用できることが分かります。 ○こんな仕組みです 電気二重層コンデンサは極番と電解液の界面に発生する電気二重層を動作原理として利用したコンデンサです。 活性炭などの電極と電解液が触れると,その界面にプラス,マイナスの電極が極めて短い距離を隔てて分布します。この様な現象を電気的二重層といい,外部より電界を印加すると,電解液中で活性炭の表面の近傍に電気的二重層を形成することを原理に利用しています。 |
電気二重層キャパシタの実験装置 |
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動画を見る 玩具の車のモーターで放電曲線を描こうと実験した。右下のグラフとなったが,課題は以下の通り。 @充電中に電圧が上がるのはなぜか A電源から切り離すと1.2Vへ下がる。その後も少しずつ下がっていくのはなぜか B放電後,電圧は回復するが蓄えている電気量は少ない。電極に付着するイオンが現象し,電気容量が減少しているのではないか |
陰極に鉛、陽極に備長炭、電解液は0.1Mol/Lリン酸水溶液 |
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○ニセ燃料電池を駆逐しよう 触媒電極(水素イオンを通す白金やパラジウムを用いた電極)を用いない、ニセ燃料電池の実験が日本の理科教育を席巻しています。 電極に備長炭や鉛筆の芯、電解液にはスポーツドリンクや紅茶、コーヒーが使われています。 この電極を水素や酸素ガス中に入れても発電しないのに、電気分解したときの泡が付着しているという怪しい説明で、燃料電池の実験だ、と実験することなく信じこんでいる教員がなんと日本には多いことか。 最初にこれを燃料電池だと言った人にも責任があります。あまりにも定番の実験になったので、国民は信じてしまいます。この実験をひろめている人も悪意は無いのですが、罪なことです。 これらニセ燃料電池は、電気二重層キャパシタができたために充電できたのです。燃料電池の反応は生じません。 ここでは、水が電気分解しなくても十分電気が蓄えられることを示しました。 自分で実験しないで、ニセ科学をうのみにしてはいけませんね。 |