スチレンシートに印刷した型紙を貼ったタイプ |
○こんな実験です NASAは,国際宇宙ステーションからの緊急時の帰還方法を超低予算で実現する方法を,いくつも検討しました。「カプセル型」では海から引き上げるのが大変なので,滑走路に安全に着陸させたいと考え,スペースシャトルとカプセルの中間くらいの形状の「リフティングボディ型」にしたのです。 リフティングボディは大きな翼を持たないのに,グライダーのように滑空することができます。ここでは,この模型を作って工夫してとばしてみましょう。 ○こんなことが学べます 胴体が翼の役目をして飛ぶリフティングボディのしくみを体験できます。 ○こんな仕組みです 平べったいボディ全体で空気を受け止め,翼と同じように揚力を生み出し,空気の斜面をすべり降りてきます。垂直に立った小さな垂直尾翼は,姿勢を安定させるためにあります。 ここでの形状は,逆キャンバー(下に凸の形状)です。ちょうど,通常の翼の上下をひっくり返した形です。この形でも揚力が生まれ,安定して飛行します。間違ってベルヌーイの定理で揚力を説明したがる人を見かけますが,この形状では揚力が生まれないという矛盾に陥ります。 |
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○準備しよう A4に印刷した型紙,スチレンペーパー(厚さ1mm)または厚紙に印刷した型紙,ゴム板のおもり(約3g),はさみ,発泡スチロール用ボンド(GPクリアー等)または両面テープ,定規,スプレー糊(3M) ○作ってみよう @ 型紙を印刷し,スプレー糊を裏面に均一にふりかけ,スチレンペーパーに貼りつける。 A 型紙の実線にそって切り,破線のやまおり,たにおりに注意し,折れ線に沿って,はさみや出なくなったボールペンなどでなぞり,まっすぐに折る(紙飛行機などでは紙が曲がるとまっすぐ飛ばない)。 B 垂直尾翼は足の糊しろを交互にして固定する。風防部分の糊しろは内に織り込み,接着剤や両面テープ等で固定する。 C 逆キャンバー(下に凸の曲面)になるように上下の板を固定する。 D おもり(約3g)を最全部に固定する。 型紙(pdf 約320KB)のdownload |
NASAのOrbital | |||
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型紙を作る前の試作機 |
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スプレー糊を噴霧する |
はさみで切りぬく |
たにおり,やまおりに注意して折れ目をつける |
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垂直尾翼の糊しろは,交互になるように |
風防部分の糊しろは内に折って機体に貼る |
接着剤が乾くまでしっかり固定する |
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動画を見る 作り方,飛ばし方が分かります ○飛ばし方 機体前部を持って,前方へそっと水平に投げ出します。おもりの重さを調整して,遠くまで安定して滑空するように工夫しましょう。 動画(wmv 6MB)を見る 飛んでる様子 ○気をつけてね 室内で,人のいない方向に向けて飛ばしましょう。 ○開発にあたって 安定して飛行するものをスチレンパーパーを使って試作しました。逆キャンバーで安定して飛行するものもねらってみました。後部の左右の小さな翼は,やまおりした方が安定します。いろいろ実験して楽しんでください。 |
真横から見たところ。逆キャンバーにする |
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前部を支えてまっすぐ前に押し出す |
スチレンペーパーのみで作ったタイプ | 厚紙で作ったタイプ |