潜望鏡


○こんな実験です
波動としての性質に反射や屈折があります。ここでは直角プリズムを用いますが,鏡と同じように反射し,しかも透明な面で反射することが意外で興味深いです。また,プリズムを2個組み合わせると倒立像を正立像にすることができるため,地上用望遠鏡や双眼鏡に利用されます。

○こんなことが分かります
光の屈折や全反射の様子を体験することができます。直角プリズムを2個組み合わせると,倒立像が正立することが分かります。

○原理
直角プリズムに入射した光は,右図のように45°の面で全反射され,外に屈折光がもれません。したがって,元の方向へ効率よく光を反射します。
この直角プリズムを2個組み合わせることにより,潜望鏡を作ることができます。

直角プリズムを2個用いた潜望鏡。本体はプラ板を利用している

潜望鏡の原理図。目から離れた場所から,正立した像を観察することができる

ボードの裏から見えるぞ
○準備しよう 
直角プリズム(2個),型紙,厚紙またはプラ板,はさみ,アクリルカッター,定規,スプレー糊,両面テープ


潜望鏡の原寸大設計図(pdf)

潜望鏡簡易版(筒の伸縮無し)設計図(pdf

理科大好きボランティア 青谷地区公民館 '07.6.2
○作ってみよう
@ 型紙(pdfファイルをdownloadしてください)を厚紙やプラ板にスプレー糊で貼ります。
A 型紙にそって周囲をはさみやアクリルカッターで切り,折れ線上をアクリルカッターで溝(山折りの山側に)をつけます。
B 直角プリズムの側面に両面テープを貼り付け,光軸や角度がずれないように潜望鏡本体に固定します。
C 本体を箱になるように組み立てて完成です。

○製作の注意
@ アクリルカッターの折れ線の傷が浅いとプラ板が割れやすくなり,深いと切れてしまいます。初め練習してから製作した方がいいです。
Aプリズムを両面テープで潜望鏡本体に固定するときは,プリズムの側面に両面テープを貼って固定します。斜めの反射面に両面テープをはると,全反射の性質が失われて接着面が見えます。

プリズム流での光線の進路。必ず,入射光線の方向に反射されます。
○遊び方 
型紙の右側は,左側よりも大きくしてあります。左側の筒に右側の筒をかぶせるようにして,状況に合わせ,観測する筒の長さを調整します。

○こんなことができます
上下の筒ののぞき窓を同じ側にすると,後方を観測することができます。対物レンズや接眼レンズを付けて,本格的な潜望鏡に発展させてみましょう。

○遊び方の注意
車の往来のあるところでは,潜望鏡に夢中になると危ないです。また,水にもぐって使うと,防水しないと水の屈折率が影響して見え方が異なるでしょう。

○開発の経緯
直角プリズムは,秋葉原の秋月電子から10個単位で購入すると,1個100円で販売されていました(平成19年2月)。子どもの頃はプリズムをのぞいて,周囲のものの周辺が虹色に見えたりして,大切な宝ものでした。単眼鏡の工作にも使えます。

島津記念資料館の潜望鏡カットモデル。直角プリズムが使用されている

潜望鏡簡易版
筒の伸縮をなくして,小さな子どもで作りやすいようにした。設計図(右図)は,原寸大のものが上のリンクよりdownloadできる