ダ・ヴィンチ型の単純らせんのヘリコプタ。台はスケッチに基づいて作った。飛ばすときは台からはずす。 |
○こんな実験です 現在のヘリコプタに近いイメージをを最初に与えてくれたのはレオナルド・ダ・ヴィンチ(1452〜1519年)です。彼がスケッチに残したらせん型のプロペラで,本当に空中を飛べるのでしょうか。実際に作ってダ・ヴィンチの夢を追ってみましょう。 ○こんなことが学べます らせんはプロペラとして揚力を発生し,空気の中を進むことができるのが分かります。 ○こんな仕組みです 水や空気は流体です。魚が泳ぐのと鳥が飛ぶのと似ていることから,彼はアルキメデスのネジが水の流れに沿って動いていくように,空気中でも充分はやく回転すれば空中を進む飛行機械をつくることが可能であると考えました。ネジが進んでいく様子と同じです。実際,らせんの羽根も工夫すれば竹とんぼのように飛ばすことができます。 |
ダ・ヴィンチのエアスクリュー(空気ねじ) のスケッチ。「糊づけした布でらせん形の帆のようなものをつくり,円形の台の上に立てた柱に取りつけ、これを高速で回転させるならば,それは空中高く昇っていくだろう……」と考えた。 |
||
○準備しよう 厚紙(工作用紙やケント紙等),竹串(20cm程度),型紙,はさみ,錐,瞬間接着剤,両面テープ,メンディングテープ ○作ってみよう @ 型紙を厚紙に貼り,切り抜きます。 A 2枚の羽根の間は1.5cm程度。厚紙を串に巻いて瞬間接着剤で固定する。羽根の継ぎ目はメンディングテープを裏表両面に貼ります。 |
単純らせん型の紙とんぼの型紙。左は4cm〜5cm程度,右は3cmから4cm程度の直径になるように拡大して使う。 | 2枚の羽根の間は1.5cm程度。厚紙を串に巻いて瞬間接着剤で固定する。羽根の継ぎ目はメンディングテープを裏表両面に貼る |
||
型紙から切り取った羽根 四重らせん紙とんぼ型紙(pdfファイル)のdownload |
○飛ばし方 竹とんぼと同じように,斜め前方上向きに飛ばします。ここに載せた写真はスケッチに忠実に作ったため,左利き用になりますが,型紙は右利き用になっています。右手を前へ,左手を手前になるように串をすべらせて飛ばします。 ○気をつけてね 人のいない方向に向けて飛ばしましょう。 ○開発にあたって ダ・ヴィンチの考案したスケッチのヘリコプタの原型が本当に飛べるのか実験したくなりました。あまり効率よい竹とんぼとは言えませんが,参考文献では牛乳パックで作る三重らせんの紙とんぼがあります。これは実際によく飛びましたので,四重らせんのものを作ってみました。 ○参考文献 スーパー紙とんぼ ワンダーランド 鎌形武久 編著 (株)いかだ社 |
|||
らせんにする前。各板は4枚羽根のプロペラと同様であり,揚力を発生する |
型紙3枚を使ったもの。竹串には瞬間接着剤で固定する。また,らせんにするときの継ぎ目は,厚紙に両面テープを貼ったものを裏から貼る | ダ・ヴィンチ型も穴を開けると軽量化できる。周囲を重くすると慣性モーメントが大きくなり,回転が持続しやすくなる |