浮き出る画像テレビ石


○概要
テレビ石は鉱物名をウレックサイト(ulexite:NaCaB5O6(OH)6・5H2O)といい,塩湖が干上がったところに形成されます。この石の特徴は,繊維状の結晶が平行に接合していることであり,これをグラスファイバー効果といいます。
ここでは,市販されているディスプレイ用の光ファイバーを用い,テレビ石のモデルを作ってみました。


○こんなことが学べます
光ファイバーが,全反射を利用して遠くまで光を伝達する原理や,テレビ石の構造を理解することができます。
光ファイバーを束ねた人造テレビ石 実際の鉱石テレビ石
○こんな仕組みです
装飾用のディスプレイに使われている光ファイバーは,図のように周囲が屈折率の低い物質で覆われていて,光ファイバーの中に入った光は全反射によってエネルギーを減らすことなく,遠くまで伝わります。この光ファイバーを束ねると,光ファイバーの一端に入った光を1つの画素として,他端にその画素の色が表示されます。
○準備しよう
光ファイバー「エスカ(三菱レイヨン)」(直径0.8mm),フィルムケース,カッターナイフ,ガスコンロまたはアルコールランプ,のこぎり,ペンチ,紙やすり(800番,1200番),研磨剤
(金属磨きなど)

○入手先 光ファイバー:(株)シータスク,東急ハンズ
光ファイバーと,輪切りしたフィルムケースに詰めた状態 詰めただけの人造テレビ石
○作ってみよう
@ フィルムケースの両端をのこぎりで切断します。
A フィルムケースの両端から5mm程度出る長さに光ファイバーをペンチで切ります。
B 光ファイバーをフィルムケースに隙間が無くなるまでぎっしり詰めます。
C カッターナイフの刃をガスコンロの火で真っ赤に焼き,光ファイバーを切りそろえます。
D 光ファイバーの両端をサンドペーパーで研磨し,最後に研磨剤で仕上げます。

 
○製作の注意
フィルムケースに光ファイバーを詰めるときは,ときどき揺すってねじれたり交差したりしないようにします。最後の1本まで抜け落ちないように密に詰めるのがポイントです。
○遊び方
文字や絵の描いてあるところに密着して置き,表面に浮かんだ文字や絵を観察します。

○こんなこともできるよ
細くて長いテレビ石を作ると,狭いところを観察したりできるよ。工夫して作ってみよう。ファイバースコープがまさにそれだよ。
また,虫メガネと組み合わせても楽しいよ。
光ファイバーが細いほど,解像度が上がります。ためしてみましょう。
○気をつけてね
カッターナイフをガスコンロであぶるときは,大人の人といっしょに工作しましょう。

○開発にあたって
細くて長い光ファイバーによる工作は,ヒカリファイバー同士がねじれたりしてうまく画像を再現させることが難しいです。短くしておもしろいものがないかと考えている内,思い切り短くしてテレビ石にしてしまおうと思いました。
虫メガネでテレビの実像を,目と反対側に結ばせる 1つ1つは画素となる

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