ギトリスは親日家としても知られるが、2011年3月11日の東日本大震災にはたいへん心を痛めていた。彼は日本人に向けてこうメッセージを届けた、「愛し、敬う誰かが悲劇に遭遇している時、何を語ればよいのだろう? 愛していると伝える? その通り・・。それこそ、私が第2の故郷と考える日本と、日本の皆さんに伝えたいことです。皆さんのことをいつも想っています。私に何かできることがあるなら教えてください。私は最善を尽くしたいと思います。今私に出来ること、それは皆さんにこう伝えること〜『私の心、そしてヴァイオリンはあなたのそばにいます』。もしもそれが皆さんの助けになるのなら、私はすぐにでも日本を訪れるでしょう! 今日本で起こっていることは世界全体への警告であり、私は世界がここから何かを学ぶことを望んでいます。しかし今はなにより、被災者の人々を愛し、その勇気を称賛しながら、より良い日が来るようにと希望を抱き、祈るだけです。」 |
多くの演奏家が次々に来日公演を中止していることにも心を痛め、自身が来日し演奏することで日本でコンサートを行っても支障がないことを分かってもらおうと考え、急きょチャリティ・コンサートを行うことを決め、東京・名古屋で開催した。 また、コンサート合間の6月1日、宮城県石巻市にある避難所の石巻市立女子高校を慰問し、体育館で約200人の被災者や生徒を前に、エルガー作曲の「愛の挨拶」や日本の唱歌「浜辺の歌」を演奏。その後、門脇中学校の音楽室を訪れ、吹奏楽部の生徒たちと交流、バッハの無伴奏パルティータを演奏すると、そのお返しに生徒たちは「ふるさと」を演奏した。ギトリスはその演奏に落涙し、「君たちとは音楽でつながっている。音楽をずっと続けてほしい」とメッセージを送った。 |
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