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いなばろぐ「べんとーさん忘れてもかーさん忘れるな」の,雨と無知との遭遇いなばにあん日記。

今日のろぐはトップページにおいてあります。
2007年9月30日(日) 真夜中のギター
 目が覚めたら,午前は残り数時間だった。パジャマのまま庭に出ると,雨に濡れた朝顔がたくさん咲いている。水滴をカメラで1枚。いつまでも健気に楽しませてくれる可愛いやつである。
 アマゾンから,月刊「PLAYBOY」日本版11月号が届いた。昨年もこの時期に3大ギタリストの特集をしていたが,今年は部門別3大ギタリストという特集である。クラプトン・ベック・ペイジさんに続くギタリストは誰だというテーマのようだ。音楽専門誌もたくさんあるのに,こんなことをやっていて売れるのかね,「PLAYBOY」。買ったけど。
 相変わらずピンナップがあるので,そんな雑誌は買いたくないという方もいらっしゃることだろう。無断転載だと怒られない程度に(ってどこまでだかわからないけれど),その一部をチラリとお見せしたい。
 「ブルーズ・ロック」部門第1位は,ジミ・ヘンドリクスさん。2位がデュアン・オールマンさんで,3位がスティーヴィー・レイ・ヴォーンさんだった。ロイ・ブキャナンさんは9位である。いや,文句はありませんって。それにしても,皆さん若くしてお亡くなりになっていらっしゃる。
 夜中だというのに,アメリカ国歌を流した。つれあいが。「あんさん,近所迷惑でっせ。」というので,少しボリュームを絞ったけれど。国歌さえロックにするというジミヘンさんは,破壊の神であるシヴァのようだ。神々しいね。
 『EAT A PEACH』のデラックス・エディションには,ゆったり優雅に展開していく『エリザベス・リードの追憶』のフィルモアでのライブが収められている。よく音の伸びるスライド・ギターが美しい。
 そんなこんなで日付がかわり,明朝は今朝のような起床時間というわけにはいかない。今宵はここまで。 

2007年9月29日(土) 怯まん竪琴
 泰緬鉄道でお馴染みの緬甸がミャンマーと呼ばれるようになったのは,もう18年前の1989年のことだったらしい。そんな昔のことになってしまったんだっけ。スー・チーさんが軟禁された年だ。
 相変わらず軍事政権が続いていて,僧侶・市民の抗議デモやその鎮圧の様子を撮影するカメラマンが狙われたり,デモ隊に銃弾が飛んでくるらしい。この軍は,太平洋戦争時の日本軍がお手本になっている可能性もある。組織が似ているらしい。他人事ではないのである。
 とはいえ,少数民族も多く,麻薬密造地域である黄金の三角地帯の武装組織などとの関係もあるから,民主化は簡単な話ではない。
 ガソリン代が5倍になったとか,ネットも規制されているという情報もある。そんな国にいたら,ボクも命がけのデモに参加するだろうか。カメラをぶら下げて街を歩けるか。それとも,長いものに巻かれているのだろうか。スー・チーさんってすごいな。
 安全な場所にいるのに何も触れないというのは,現地にいれば家にこもって我が身可愛さの生活を送っているような気がする。とりあえず,カメラをぶら下げて歩くことができ,自由に撮影できる国に早くなることを期待している,と今日のろぐに書いておくことにした。 

2007年9月28日(金) Born To Be Wild
 ジャズ・ラボである。女性ボーカルにはじまって,最後は久しぶりに聴いたTonny Hymas Trio。ジャズ・アルバムらしくないジャケットなので,いなばにはそうないと思っていたのだが,あるところにはあるのだった。ロックっぽいアルバムである。で,帰宅後にメタル・マラソンを聴いていたら,『Born To Be Wild』が流れてきた。高校時代に観た映画が思い浮かぶ。
 時計を投げ捨てバイクにまたがる。ピーター・フォンダというクレジットが出ると同時に始まる『ワイルドでいこう』。そして衝撃のラスト。バンドやジミ・ヘンの演奏も使われている。いい音楽の趣味である。
 『イージーライダー』は,ボクがアメリカ文化を無批判に取り込んでいた時代を象徴する映画のひとつだ。何であんなひどいラストなのかというのは,当時高校生だったボクにはよくわからなかった。アメリカン・ニュー・シネマの意味がわかったのはもう少しあとのことだった。主人公も死ぬということが当たり前に描かれるようになった時代である。
 その後ビデオで見返し,「アメリカ人は自由を証明するためなら殺人も平気だ」とか,「個人の自由についてはいくらでも喋るが自由な奴を見るのは怖い」という映画の中の言葉で,監督の製作意図やアメリカという国の一端や自由の難しさがわかったものである。今の時代の若者の気持ちにフィットするかどうかはわからないけれど。
 何はともあれ,当時ロック小僧だったオヤジは,今でも『ワイルドでいこう』を聴くと何かができそうだったりがんばれそうな気がしてくるのだった。 

2007年9月27日(木)Both Sides Now
 樹村みのりさんほど,ジョニ・ミッチェルさんが好きだったわけではないが,好きな人の好きな人や好きなものは気になる。おかげで,代表的なミッチェルさんのオリジナル・アルバムだけでなく,レイチェル・Zさんのアルバムなども楽しむようになった。
 そこにまた1枚,ジョニ・ミッチェルさんの復活を祝うアルバムが発売されていた。ハービー・ハンコックさんの『RIVER』である。
 『青春の光と影』などのミッチェルさんの曲が中心なのだが,ウェイン・ショーターさんの『ネフェルティティ』も収録されていたりする渋めのアルバムだ。
 全体的に落ち着いた雰囲気の繊細かつ美しい演奏で,静かな秋の夜に相応しいアルバムである。ミッチェルさんはもちろん,ノラ・ジョーンズさんやティナ・ターナーさん!などもゲストとして1曲ずつ歌っている。
 サックスのショーターさんも参加しているので,ピアノトリオ好きには少しうるさいかもしれないけれど。
 樹村さんが聴かれることがあるだろうか。 

2007年9月26日(水)あぁいいシャツだね
 車検のため自宅に車がない。出勤時に,別の車を置いている畑まで2分ほど歩いたら,集団登校の小学生のグループ2集団と遭遇。それぞれ先頭の児童におはようと声をかけたのに,どちらからもきちんと挨拶が返ってこなかった。ちょっとビックリ。
 タイミングが悪かっただけなのか,それとも変なオヤジには関わらないように指導してあるのか。大体,目を合わさないように歩いている感じがして,朝から余計なストレスを作らないよう,小学生なのに結構大人の対応をしているのかもしれない。あなどれんな。
 子どものころは,村の人に出会えば深く考えずに挨拶をしていたものである。子どもの方から挨拶しておけば,それだけで大人や老人は誉めてくれたりかわいがってくれたと思うのだが,今時は,自分から挨拶するどころか,挨拶されるのがうっとうしかったりするのかもしれない。悪かったね,朝から。
 車検を終えた車が玄関先に帰って来ているけれど,おじさんは明日の朝も君たちに声をかけてみたいと思っているのですよ,いいシャツを着て。 

2007年9月25日(火)名月の誓い
 未だかつて夏バテで痩せたということがない。痩せるどころか,食欲によってストレスを解消しようと本能が命令しているようで,理性は連敗続きだ。ここのところ体重計に乗らずにごまかしているのだが,確実に増量中である。
 そんな生活をしているところに,いつも情報パンフを持って来てくださる生保のお姉さまが,体脂肪についての情報を提供してくださった。
 内臓脂肪をためやすい生活習慣は,階段をつかわない,運動をしない,砂糖をとる,濃い味付け,お腹いっぱい食べる,酒を飲む,間食をする,野菜をとらない,アイスクリームを食べる,タバコを吸うだそうだ。
 野菜を食べること,ぼんやりしているといわれるらしいわが家の味付け,タバコを吸わないことくらいしかクリアしていなくて,この夏はアイスクリームを4割引で買ってきてはよく食べたしなあと反省している。
 で,次のページをめくると,砂糖大さじ5とか,グラニュー糖150gを使った食べたくなるようなお菓子のレシピがのっている。それはそれ,これはこれのようだ。それとも,保険金を早く払ってやろうということなのだろうか。
 きれいな名月の夜だが,そんなわけで中秋の月見うどんを食べるどころではないのだった。
 この秋は「禁欲の秋」にすることにしようと誓ってみるのだが,理性は満腹の時だけ一時的に働いているだけかも知れない。

2007年9月24日(月)鈴木製
 誰だよ,こんなところに寝っ転がっているのは。こんな音楽の聴き方をしてはいけないのである。畏れ多くもベルウッドランシングのセットなのだ。ちゃんと正座をして聴くようにね。
 ということで,今日はオーディオ・ルームが40畳はあろうかというおうちでジャズを聴かせていただいた。
 マルチ・アンプである。中央にパワー・アンプが6台あって,スピーカーはJBLの38cmダブルウーファーに,中音ホーンはゴールドウィングの音響レンズがついている。ネットを外すと黄金色に美しい。低域と中高域が持ちあがった,メリハリのある音だ。高音の抜けが良くて,シンバルの音が気持ちよく聴こえる。
 クリント・イーストウッドさんのご子息のアルバムは,わが家で聴くより迫力があった。システムがしょぼいと,音楽の楽しみ方も少し寂しくなるのであった。スタンダードを上げることは大切である。
 ほとんどCDソースで聴かせていただいたのだが,LPも30000枚は超えているらしい。「万」ですぜ。あるところにはあるのであった。

2007年9月23日(日)彼岸に
 故人の皆さんを偲んだ。お墓のそばに咲いていた曼珠沙華はいつもより少ない感じがしたが,気のせいだろうか。種子で増えるのではなく,中国から伝わった1株の球根から日本中に広まったという曼珠沙華だから,ちょっとくらい猛暑が続いても負けることはないと思うけれど。
 皆さんを偲んだ後は,暑さのせいで植える気が起こらなかったラッキョウやジャガイモを植え付けた。大した量ではないが,久しぶりにたっぷりの汗をかいた。
 帰ったら,第22回国民文化祭小松島市実行委員会事務局からメール便が届いていた。入賞ではなくその他大勢の入選だったったけれど,2首ともどなたかに拾っていただいていた。ありがたいことである。とりあえず歌になっているらしい。
 昔の人を偲び,汗を流すと,時々はいいこともあるようだ。

2007年9月22日(土)冷凍物
 朝顔が群れてたくさん花をつけている中のはみ出しモノである。というか,はみ出していたおかげで画像に残ったという幸せモノなのかもしれない。本当はもっときれいだったのだろうが,何しろ休日の目覚めはゆっくりなので,ちょっと色が薄くなっているようだ。アメリカ生まれ砂丘育ちノーリアンズブラック2世である。
 今日は倉吉にカメラを持って出かけ,古い町を撮影しようと思ったのだが,ランチを食べたお店のボリュームがすごくて身体が重い。いい写真はなかったナ。
 刺身があって,鯖の煮付けがあって,餃子もあるという何だかジャンクっぽいお店だ。味噌汁はこぼれそうなほどよそってあるし。鯖の煮付けが大変柔らかかったので調理方法を尋ねたら,冷凍物を使っていらっしゃった。脂の乗りが違うし,生の鯖を煮付けに使うと身がパサつくらしい。
 新鮮な生鯖を使ってつれあいが調理していたのに,子ども達がどうしても学校の給食の鯖の味噌煮の方がおいしいといっていた理由がわかったのだった。ノルウェー産冷凍鯖恐るべし。

2007年9月21日(金)三連休
 3日休んで,4日働くという生活が続く。ありがたいことである。
 先週はお年寄りを大切にする祝日だったが,23日の秋分の日は,国民の祝日に関する法(祝日法)によると,「祖先をうやまい,なくなった人々をしのぶ」ことがその趣旨である。墓参りに行くなど,亡くなった人を思い出す日なのである。
 東京にいたころの友人やお世話になった方々,同級生もここ3年毎年誰かが亡くなっているし,近年,思い浮かべるべき人が多くなった。こっちが一方的に心を寄せていた人までいれるとかなりの数になる。今年は,まじめに秋分の日を過ごすことにしよう。
 ところで,祝日法の「こどもの日」には,「こどもの人格を重んじ,こどもの幸福をはかるとともに,母に感謝する。」という趣旨が記されている。「こどもの日」は,本当は母の日も兼ねているのであった。
 どうして母だけ明文化なのかね。父に感謝する日というのも作っていただけないだろうか。昔はそんな日を作らなくても父親は感謝されるのが当然と思われていたのかもしれないけれど,何しろ,最近は週に4日しか働かない父親なのである。

2007年9月20日(木)メロディックスピードメタル
 X−JAPANが好きだったという若者が,アメリカやイギリスのロックを教えて欲しいというので,喜んでパープルやZEPを教えてあげるのだが,ツボに入ってこないらしい。エヴァネッセンスなら大丈夫だろうと思ったのだが,これもピンとこない。困った。
 どうしてほしいの?
 聞けば,美しい旋律やヘビーさだけではダメで,疾走感に悦楽を感じるのだとか。スピードかあ。オヤジに100m全力疾走は無理。
 オジー・オズボーンもテンポがひとつ,パンテラはボーカルの声がどうも,だそうだ。じゃあこれでどうだと,メガデス2枚。『RUST IN PEACE』と『KILLING IS MY BUSINESS』である。やっと気に入ってくれた。こんなことでもなければ聴くこともなかったような,今となってはちょっとうるさく感じるアルバムである。
 16拍子を心地よく感じるころというのが青春なのかもしれん。ボクは,2拍子や3拍子のロックでも,良いメロディと泣きのギターさえあれば十分快感なんだけどな。テンポの遅さに耐えられるようになるのが大人になるということだろうか。
 こんな曲ばかり聴いていたんじゃ女の子と話が合わないんじゃないの,と言ったら笑っていた。後生畏るべし。

2007年9月19日(水)VERY COOL
 暑さ寒さも彼岸までという言葉を頼りに頑張ってきたのである。20日は彼岸の入りだ。それなのに,今日も暑くて,夏はまだ晩ならぬ日没前辺りのようである。今朝も,朝顔はたくさん咲いているし。本当は,「暑さ寒さも彼岸過ぎまで」なのかも知れない。
 そんなわけで,クーラーをオンにしている。地球は迷惑していることだろう。すまぬ。
 せめて音楽は涼しいものをと思い,リー・コニッツさんのクールなアルト・サックスを流してみた。ピアノは,レニー・トリスターノさんなどが演奏している。超破格値のバッタモン2枚組UK輸入コンピアルバム。夏が長いおかげで,久しぶりにリー・コニッツさんを思い出したのだった。
 硬質で,感情などというモノが伝わって来ないピアノに,感情を抑制したクールでナイフのようにシャープな独特のフレージングのアルトが美しい。情感をストレートに表現するアート・ペッパーさんもいれば,情感は包んで表現した方が美しいぜというコニッツさん。どちらもカッコイイと思うな。
 とりあえず,大分クーラーが効いてきたようだ。

2007年9月18日(火)父と娘
 父の下着と一緒の洗濯は嫌だとか,父のお風呂の後に入るのは嫌だとか,娘も年頃になると父親は煙たい存在になることも多いらしい。まっ,自分はだらしがないのにあれこれ口やかましく言ったりしたこともあるので,いや自分のことだけれど,もしかしてわが家の娘も父に殺意を覚えたことがあっただろうか。
 つれあいに聞いたら,おおっぴらにはなかったんじゃないの。本人達に聞いてみたらとさりげに言う。心の中では思うことがあったかもしれんし,そんな恐ろしいことは口に出せない。凶器は準備していなかったよね?
 高校生のころは,うちの子どもでなかったら良かったと思ったことはあるかも。でも,下着のこととか風呂のこととか別に気にしなかったから,多分大丈夫よ。先日のあなたの誕生日にもそれぞれ忘れずにプレゼントを送って来たし,とフォローをしてくれる。ありがとね。いや,娘たちである。小さいころはたっぷり可愛がっていたんだよね,覚えていないかもしれないのだけれど。
 父親の交友関係なども事件の原因だとか。田辺の女の子ももう少し我慢できれば,父との関係や思いが変わっていったかもしれないのにな。嫌いな人ともうまくやっていく力は大事である。
 わが家の子ども達にはそんな力が身についているだろうか。

2007年9月17日(月)一寸先は闇鍋
 世間は総裁選の話題であるが,実はいなばの政治ネタで気になっていることがある。
 衆議院議員を目指していた落下傘の若者が,よく分からない理由で突如いなばから消えた件である。事務所の経営悪化で公認を辞退だそうな。
 彼は何かの集まりがあるとこまめに顔を出し,人なつっこい顔で,しかしちょっと不安げな表情を時折見せながら懸命に熱弁をふるっていたものである。ボクは顔を見かけることが結構あって,成長していく姿に好感を持っていたのだった。
 事務所の経営が悪いのであれば,もっと就職活動に力を入れたらいいんじゃないの,国会議員になるための。しかも,風向きはそう悪くないのだから。
 某県議と対立したというような話をする人もあったけれど,政治家を目指す人がそんなヤワなのかね。参院選が終わってすぐの辞退というのもよく分からない。負けた側ならわからないでもないけれど。
 参院選の結果を見て,強力と思われていた現在のいなばの衆議院議員さんに勝てるチャンスと思った人が,彼では役不足と判断したのだろうか。もっと知名度の高い人が立候補されるのか知れない。世の中,ホント何があるかわからん。

2007年9月16日(日)徒歩ほ
 お誘いを受け,35年ぶりくらいになる太閤ヶ平に登った。豊臣秀吉が鳥取城を攻めた時に陣を敷いた山である。250mほどの山だ。頂上まで片道3500mの道のりである。1時間ほどのコースだが,道々の木々や草花を眺めながら歩いていたからか,ボクのペースが遅かったからか,90分近くかかった。
 頂上で,週に2〜3回は登っているという人に尋ねたら,いつも39分くらいで登られるらしい。自分の徒歩ペースの遅いことがよくわかった。もっぱら自動車と自転車生活で,歩くことが少ないからなあ。
 たまたま昨日,小学生のころ遠足で歩いていたコースを車で通った。メーターで確認したら,片道13kmくらいありそうだった。しかも,標高は500mを超えていると思われる高原が目的地である。
 当時は,何キロ歩くのかというようなことより,300円(100円だったかも)以内で買うお菓子とか,お弁当や友達と歩くのが楽しみだったので苦にならなかったのだろうが,昔は小学生にもそんなに歩かせていたのである。今なら,1万円以内のお菓子を持ってきて良いと言われてもボクは行かないと思うな。
 現在の小学校で,往復25kmを超えるような距離を歩かせる遠足があるのだろうか。あれば幸いである。小学生のころに鍛えたおかげで,今日は何とか人の倍以上かかったけれど頂上までたどり着けたのだった。当時の先生方に感謝したい。ような気がする。

2007年9月15日(土)固執の独房
 人間関係が煩わしいので独房に入りたいという受刑者が増えているという毎日新聞の記事があった。作業を怠けると独房に入れてもらえるらしい。
 雑居房は定員が6名。懲罰としての独居房である。刑期満了前に仮釈放される可能性は低くなるし,面会が禁止され,新聞や雑誌も読めなくなる。
 それでも,ひとりで過ごしたいというのだから,刑務所内のストレスというのは相当なのだろう。
 まっ,普通に生活していても,他者は当然自分とは異質なので,違和感やいらつきの原因になる。犯罪者という同質の中にいたとしても,異質なものを受け入れたり我慢することはあまりお好きではなかったから同質集団に配属されることになっただけで,本来は気ままなひとり部屋がお好きなのだろう。
 娑婆でコミュニケーション能力が高いとは言えないボクも,塀の中に入ることがあったら独房でなければやっていけないような気がするナ。不愉快な人がいても我慢して生活することにしよう。
 こんな記事に目がいったというのは,最近『プリズン・ブレイク』を貸してくださる方がいて,遅ればせながらここのところアメリカの刑務所の中の物語を見ているせいである。『プリズン・ブレイク』の皆さんのお部屋は,通常二人部屋だ。それでも多彩な皆さんがいらっしゃる。相部屋が大変なのは東西を問わないのである。
 そんな中に自ら飛び込んでいくのが『プリズン・ブレイク』の主人公なのだけれど。

2007年9月14日(金)鳥ケ島
 ジョー・ザビヌルさんが11日にお亡くなりになっていた。もう75歳になっていたんだなあ。ウェザー・リポートのような若々しいおしゃれなバンドを作った人なので,何だかもっと若い人のような気がしていた。
 とりあえず,キャノンボール・アダレイさんとの『マーシー・マーシー・マーシー』,マイルスさんとの『イン・ア・サイレント・ウェイ』を聴いてから,今晩はウェザー・リポート特集である。
 デビュー・アルバムが発売されたころ高校生だったボクには先進過ぎる音だったのか,当時はあまり聴く気の起こらなかったウェザー・リポートだが,4作目の『Sweetnighter』の『ブギウギ・ワルツ』以来,『ブラック・マーケット』『バードランド』と愛聴曲がたくさんできたバンドだ。多くはザビヌルさんの曲である。複雑なリズムと,歌うベースをバックに奏でるショーターさんとザビヌルさんのメロディが美しい。
 中でも,『バードランド』は色々とお世話になった曲で,今でもテンションを上げるための曲としてはトップクラスである。良い曲をたくさん残されましたねえ,ザビヌルさん。感謝です。バードランドのようなあちらの世界で楽しくお過ごしだろうか。いつかボクも仲間に入れてもらいたいものである。

2007年9月13日(木)およばれ
 こんなことでいいのかと思うのだが,先週に引き続き,今日もボクにごちそうしてくださるというところがあった。ありがとうございます。真面目に協力しているので,のこのこと出かけたのだった。
 高校時代の同級生や顔馴染みの方もたくさんいらっしゃる。盛り上がってしまい,時間が来てもみんな腰が重い。主催された皆さんは困っていたことだろう。ゴメンね。
 合併しても人員削減なしで乗り切っている組織なので,昨今の流れに逆行しているように見えるかもしれないが,シェアしながら皆を大事にする姿勢というのは,なかなか貴重だと思うな。
 皆さん次の会に誘ってくださる。ばっと,先週の木曜から出勤時間が朝7時。就寝は0時30分前後なのでやや疲れ気味である。明日も7時出勤だし。「疲れがピークに達している」ように思われる。もちろん,本日入院された方などに比べればボクのピークははるかに低いのだけれど。
 そんなわけで,今日のうちに帰ることにしたのだった。自分の身体は自分で守らないとね。

2007年9月12日(水)風に聞け
 アメリカが撤退さえすれば楽になる人がいると書いたのだが,結局,テロ特措法は今のままでは通過しないというのが,あの方やその周辺の方が出された結論なのだろう。それとも脱税問題なのか。何でも周辺を固めておくことは大切らしい。引き際を考えることも。
 あの9月11日の出来事は,日本の今日のできごとにもつながっているのである。それでも,トップに立ちたいという人は永田町にはたくさんいるのだから,すごい業界である。
 さて,そんな大きなニュースの陰に,名古屋大の学生が鳥取砂丘に横約50メートル,縦約15メートルの落書きをし,環境省が調査を始めたという小ネタがあった。
 1週間かけて兵庫県たつの市から鳥取砂丘まで徒歩旅行をした記念として,8日朝に書いたらしい。サイ トに現場写真と文章を掲載したことから,名大に非難の電話やメールが寄せられたのだとか。
 砂丘の「馬の背」あたりには,相合い傘や自分の名前を書いたと思われる落書きが昔からよくある。小さいモノだと,何だしょぼいぞと思ったり,巨大なものは,よく頑張ったねえとちょっと感心したり。下品なモノはやめてもらいたいが,遠くからやって来た人が,記念にシルシを書くくらい許してあげたらどうですの。環境省に聞くより,砂丘の風に聞いた方がいいと思うな。
 砂丘の落書きなんか,風が吹けばすぐに消えてしまうのだから。

2007年9月11日(火)給油係
 TVのニュースをこまめにチェックする方ではないのだが,6年前の今日は,狂牛病か台風のニュースがトップに来るだろうと思い,たまたまNHKのニュースをつけた日である。
 ヘッドラインを3つ4つ述べたアナウンサーが,「今入ったニュースです」と話し,飛行機がぶつかり煙の上がっている世界貿易センタービルの映像を流しはじめる。その数分後に,画面右側から黒い物体が左へ流れ,煙の出ているビルの左側にぶつかり新たな煙が上がりはじめた。
 その後の,ビルが崩壊するシーンや人々が逃げまどうシーンは,不謹慎だが,ハリウッド製の映画を見ているような光景だった。
 ハイジャックされて行方不明の飛行機はまだあるという報道だったので,ボクはその日午前2時までテレビを見続けたのだった。
 高いところも飛行機も恐い。何かあったときは,現場から早く逃げることも大切だということを学習した事件でもある。異質なモノを受け容れるということの難しさも。
 跡地には新たなビルの建設がはじまったらしい。しかし,アメリカはイラクから一体いつ撤退するのだろう。早く撤退してくれれば楽になる人がたくさんいるのに。日本にも。

2007年9月10日(月)VOCALIST
 オフコースというか,小田さんがいちばん好きなのかと思っていたら,徳永さんの声も好きなのだとか。いや,つれあいの音楽の趣味の話である。大体,いい声の男に弱いらしい。悪かったね。
 そんなつれあいが,「CDを買うてくれー」と言うので,買わせていただきました。徳永英明さんの「VOCALIST」シリーズ三部作。女性のヒット曲を徳永さんがまったり甘くお歌いになるアルバムである。『時代』とか,『かもめはかもめ』とか,『わかれうた』とか。って,別に中島さんのカバーばかりではないんです。ボクの趣味で書いてみただけで,『オリビアを聴きながら』も,『瞳はダイヤモンド』も,『桃色吐息』もあるんですん。
 帰宅したら,すでにアマゾンのパッケージを開けて聴いている。で,ボクにも無理矢理聴かせようとするのである。砂糖まぶしのきれいな男の声は聴きたくないのだが,夫婦には深い事情があるもので,断れないのだった。
 甘い声がいいらしい。更年期障害なんかの女性が聴いたら,ロマンティックな気分になれるし,身体に良いわよとつれあいは言うのだが,女性の更年期障害というのはそんな簡単なことでやわらぐものなのだろうか。ボクが更年期障害になりそうである。

2007年9月9日(日)たしなみ
 短詩型文学異業種交流たしなみ講座に誘われ出席させていただいた。短歌・俳句・川柳を趣味にしている人が,専門にしている短詩型文学以外の分野にも挑戦してみましょうというようなご趣旨のようだ。
 3つの分野を毎年ローテーションでまわし,今年は「短歌」に親しんでね,というお集まりである。
 最初に短歌の詠み方についての講演をお聞きし,30分ほどの間に1首を詠んで提出するようにというミッション。一昼夜に俳句を2万句以上お詠みになったという井原西鶴さんなら簡単なことだろうが,たしなみ講座に参加するレベルの人間にはきつい。とりあえず,昨日見に行った運動会で見かけた光景を詠んでみた。
 選者がいらっしゃったり,互選もあったのだが,ボクの歌はさっぱりの選外であった。でしゃばったりしないようなたしなみは身につけているのである。

2007年9月8日(土)蜂蜜月
 新婚旅行でイタリアへ行かれた方から,おみやげにイタリア・ワインを頂戴した。庭のバジルを使ったジェノベーゼで味付けをした豚肉と一緒にいただきました。ありがとうございました。いいね,新婚旅行。じゃなくて,ワイン。
 海外へ新婚旅行へ行く場合は,ハワイ・イタリア・オーストラリアというのが最近の人気らしい。
 件の新婚さんは,南北イタリアをたっぷりお楽しみになられたようだが,フィレンツェや青の洞窟に殊の外感激されたようだ。
 ボクは新婚旅行を一度しか経験していないのだが,よくばってあちこち回ったので毎日疲れ気味だった。慣れない食事と疲れた身体と周りにいる美しい方々へのサービスで,ついつい喧嘩になりそうな旅行だった。
 普通の観光旅行はさておき,新婚旅行はあまりあちこち回って疲れるのは良くないと思ったのである。その学習結果を自分のために生かすチャンスは今のところ二度と来なかったのだけれど。

2007年9月7日(金)ゴミ問題
 タダより高い鯉のぼりだが,無料でお酒を飲ませてあげるという会があって,ノコノコ出かけた。まっ,普段の行いがいいのでということで。ごちそうさま。
 そんな集まりで,いろんな話題がでた。たとえば10月1日から有料化される家庭ゴミの話。
 ゴミ処理は,環境事業公社さんの独占事業なのかと思っていたのだが,市から委託されている家庭の可燃ゴミなど以外の事業所のゴミは,民間会社との競争なのだそうだ。回収価格に差があって,何社もが営業活動を盛んに行っているらしい。ゴミの奪い合いが行われているのである。知らなかった。
 事業所には,紙などのゴミを可燃ゴミとしてほとんど出さないレベルの高い企業もおありのようだが,中には,徐々にゴミが少なくなり,いつの間にかまったくゴミの出なくなる事業所もあるらしい。出されているゴミの量で,その事業所の経営状況がかなり想像できるのである。
 で,今飲んでいるこの施設のゴミも随分減っているんですよねえ,大丈夫なんですかねというお話だった。いずこも生き残りが大変なようだ。

2007年9月6日(木)コウモリになる傘捨てる野分かな
 台風9号が関東に近づいているらしい。わが家の子ども達3人が江戸界隈に住んでいるので,とりあえず母親が子ども達の安否確認。
 次女だけが,夜の10時を過ぎているというのにまだ新宿にいた。「傘がコウモリになったよ。」などとわけのわからないことを言いながら。その話を聞きながら,わけのわからない17文字をつぶやくオヤジである。
 とりあえず,新宿から乗るいつもの私鉄は運行しているようなので,部屋までたどり着けるようだ。くれぐれも世の中を舐めないようにね。恐いのは,台風だけじゃないんだから。
 ということで,世間の皆さまには大変迷惑な台風なのだろうが,そんな迷惑もののおかげで,離れて暮らしている親は子ども達の声を聞くことができたりするのであった。

2007年9月5日(水)昔はよかったね
 つれあいが,お友達からDVDディスクを預かってきて,VHSテープにダビングして欲しいんだってと言う。DVDのコピーなら簡単だが,テープへのダビングは,ピンコードの配線を変えるのも面倒だし,録画されている長さだけ時間がかかる。MD音源をカセットに落としてとか,耕耘機でたんぼを耕しはじめた時代に,やっぱり牛で鋤くのが自然だねえという人とは,なかなかつき合いにくい。
 頼んだお友達は,我々よりこれから遙かに長生きをされる年齢である。DVDデッキを買われたらどうなのと言ってスルーしようとしたら,ご家族はそういうものに関心がなくて,買ってもらえないのだとか。
 「DVDデッキなんて,再生だけなら5000円くらいで買えるよ。ご自分のお小遣いで買ったらどうよ。」と面倒なボクはなおも抵抗するのだが,頼まれたんだから何とかしてあげてよとうるさい。こんなことでつれあいのご機嫌を損なうのは,正しい大人ではない。笑顔笑顔。
 では,ということでデッキにディスクを入れたら,ディスクを認識しない。お気の毒に,ファイナライズ処理をされていないDVDだったらしい。ラッキー。
 世の中には色んな方がいらっしゃるのであった。

2007年9月4日(火)よろしく哀愁
 勤務先に,117クーペに乗っているというHPを書いているのは,あなたかという問い合わせの電話があった。
 「えっ,何でしょう。」
 「2台117があるというHPの話だがあ。」
 「あっ,ボクかもです。」
 HPをご覧になり,お知り合いを尋ねられてボクにたどり着かれたらしい。狭いな,いなば。
 何の話だろうと思っていたら,新車から乗り続けていらっしゃるワンオーナーの方で,いゃあ117はいい車だよねえ。あんたは,どこの工場に修理に出しているの。いすゞに勤めていた人がやっている工場を知っているから,いつでも紹介してあげるよ。というような,ご親切なお話だった。ありがとうございました。
 いなばには,もうひとりボクの知っている117オーナーがいらっしゃるので,一緒にツーリングできるといいですよねえというようなことをお話しして受話器を置いた。いつのことになるのかわからないのだけれど。
 そんな117の話題があった夜に,今度はメールがあって,NTVで放送中の「探偵学園Q」に角目クーペが登場しているとのこと。急いでテレビをつけてみたけれど,残念,間に合わなかった。何だか117に会いたい夜である。
 会えない時間が愛を育てているらしい。

2007年9月3日(月)金の話ばかり
 そんなわけで,休日の月曜日だったけれどハッピーばかりというわけではなく,定期の相談に行った某山陰の地方銀行の男性行員の対応があんまりだったので,ぷっつん。取引を止めることにした。取引と言うほど大した額ではないのが残念である。
 さて,世間では,遠藤農相の辞任とか,嶽本野ばらさん大麻所持とか,橋下弁護士提訴などと,皆さんも大変そうだ。
 政治家の皆さんに限らず,たたけば埃のひとつやふたつは誰にでもありそうなので,他人様のことをえらそうに責め立てられないのだが,遠藤さんの不正受給は1999年のことだ。3年前に会計検査院が指摘している。
 それなのに,不正受給されたお金を返還していないって,タフガイである。気の弱いボクには考えられんな。そんなリスキーな状態でも大臣を受けるんだから,大臣ポストというのは憧れのハワイ航路なのだろう。それにしてもお金の問題ばかりで,政策の話題が少なすぎの美国である。
 遠藤さんは,就任会見で,「ここだけは来たくなかった」と笑いを取っていらっしゃったけれど,どこにも行かなかった方が良かったんじゃないの。

2007年9月2日(日)休日の前の日曜
 明日が休日という日曜日は,日曜を前にした土曜日よりも何だかうれしい。
 ジャズを聴いたり,映画を見たり,コミックを眺めたり,活字を読んだりしても,まだろぐを書く余裕が残っていてありがたい。
 ネットをうろついていたら,映画雑誌や音楽雑誌の発行部数が,この10年ほどで半分以下になったというニュースがあった。「キネマ旬報」や「スクリーン」も苦戦しているようだ。リバー・フェニックスさん以来,新たなスターが現れないことなどが部数減の原因という分析があった。そうだったのか。ディカプリオさんやブラピさんやデップさんやブルームさんの類のいい男では売れないのだから,厳しい業界である。
 リバー・フェニックスさんといえば,『スタンド・バイ・ミー』である。『24』で有名になるキーファー・サザーランドさんも出演した映画だ。
 ボクも,かつて夏休みに友人達と単線の山陰線のトンネルを歩いたことがあった。時刻表を確かめたわけではないし,徒歩でどれくらい時間のかかる長さなのか知らなかったけれど,蒸気機関車に乗っていた時に短かく感じたトンネルだったから何とかなるだろうと思ったのである。結局,『スタンド・バイ・ミー』のように列車が迫るということはなかったのだが,結構恐い体験だった。トンネルには待避所が設けてあるということがわかった。よい子の皆さんはマネをしてはいけない。夏は楽しいことと背中合わせの危険がいっぱいである。あの時の少年達は今も元気だろうか。
 何だか,話がずれた。まっ,ネットには数多のブログがあって,映画や音楽の感想を軽いフットワークで書きつづっているのだから,月に1回や2回発行の雑誌では太刀打ちできないだろうなあ。
 という与太話を書いてもまだ今日が終わっていない。「What Game Shall We Play today」である。
 ということで,皆さま月曜日のお仕事ごくろうさまです。

2007年9月1日(土)SUPER WARS
 お付き合いで,久しぶりにカラオケ・スナックに入った。曲間はレコードの溝より少し時間が長いけれど,ほぼ切れ間なく歌われるグループがあって,演歌をたっぷり堪能させてもらった。何気に聴いていると,『夫婦春秋』の歌詞が少しわかるような自分がいて,ちょっと恐い。恐るべし演歌。というか,加齢。
 そんなお店で,地元のスーパーの店長さんや鮮魚仕入れ担当の方にお会いした。某大手全国スーパーの増床完了日も近い。安売り衣料品店や,大手家電量販店もそのご近所にオープンされるらしい。その辺りの対策をお聞きしたら,食料品部分での売り上げは,そんなに負けていないんですよとおっしゃる。どういうルートで調査されたのか知らないが,全国スーパーの平日の食料品部門の売り上げは300万円くらいだとか。地元スーパーさんの方が売り上げが多いらしい。
 某大手全国スーパーにいなばのお金が流れているのかと思っていたのだが,結構,地元の人達は野菜の鮮度や魚のコストパフォーマンスの良さがわかっているようだ。少し安心した。
 とはいえ,カインズ系やナンバ系周辺の食料品店では太刀打ちできないような気もするのだが,それぞれ対抗策はおありなのだろうか。良い品揃えで頑張っていただきたい。

2007年8月31日(金)善き人のためのソナタ
  半年前に,渋谷まで出かけて見てきた映画ということでkaraさんからご案内をいただいていた,『善き人のためのソナタ』のDVDをやっと見た。密告や盗聴が当たり前だった時代の東ドイツのお話である。
 真面目な国家保安局のエリートと思われる主人公が,劇作家の日常生活を盗聴する。ヘッドフォンから聞こえてくる,「他人の生活」に接しているうち,彼の中に変化が現れてくるのだった。それは,聞こえてくるセックスの様子からだったり,演奏しているピアノの音からだったり。
 派手さはないし,主人公の表情もほとんど変わらない。くりくりの目がとても可愛いと思ってしまうくらいだ。地味な映画である。けれど,静謐な中のスリリングさというのを感じることのできる作品だ。
 社会主義の中であっても,人それぞれの欲望がある。中には欲望がむき出だったり,権力を使うのが得意な高官もいる。どんな経済システムでも,欲望は共通である。
 そんな生活の中で,人を見切る瞬間とか,逆に人に共感する瞬間というのが,誰にも訪れることはあるよねえと思ったりしたのだった。ラストのセリフがいいな。

2007年8月30日(木)フラフラプッ
 世の中に理不尽なことは多いが,この度,何の因果かフラフープをしなくてはいけないことになり,ほぼ毎日練習している。フラフラである。
 子どもの頃に,少し回していたような記憶があるのだが,コツを取り戻すのに少々時間がかかった。女の子のいる家にあったよねえとつれあいに言うと,男の子も持っていたわよと言う。東京と地方の差はかつては大きかったのかも知れない。
 1958年の発売である。だっこちゃんはその2年後の発売だとか。どちらも,ボクの人生の初期で経験した「ブーム」というものだ。当然,「ブーム」の短命さというのも経験できた。
 つれあいの周りでは,フープのし過ぎは腸捻転になるという話が広がり急速に衰退したらしい。都市伝説のたぐいのようだが,腰を過度に使い続けるというのは,実際のところ身体にどのような影響を与えるのだろう。
 この時期に,フープを室内で10分もやれば,すごく汗をかいてビールが大変おいしくなる。おまけに,お腹の辺りが固くなり少ししまってきたような気もする。業務命令が完了しても続けてみたいのだが,以前,くしゃみをしたらぎっくり腰になったことがあるので,腰を過激に使い続けるのは少し恐い。「あるある」などで効用を説明してくれたらよかったのにな。
 そのうち,ブームは終わりそうな気はするけれど。

2007年8月29日(水)おみやげおみやげ
 アルコールを飲みながらジャズを聴かせてもらった。おまけに,Dusko Goykovich さんの,2007年の演奏のレア音源のお土産付きである。ありがとうございました。2枚組のジョバンニ・ミラバッシさんもよろしくお願いします。
 ダスコさんは,もう75歳を過ぎているトランペッターである。ロングトーンは少ししんどそうな音色だ。その分,OLIVER KENTさんのピアノ・トリオがサポートしているので,ピアノ・トリオの演奏を楽しみことのできる演奏である。
 以前,ダスコさんのCDをHPに載せていたら,ダスコさんのライブを計画しているというフランスのジャズ会社のプロデューサーから,CDを売ってくれというオファーがあった。そういわれると,貴重な盤なのかもしれないと思い,結局オリジナルの提供はお断りしたのだった。
 何だかんだのお礼に,ご自身がプロデュースされたCDを3枚も送ってくれたのだが,そのうちの1枚はすでに輸入盤でボクが持っていて驚いたことがある。それなりに,有名なプロデューサーの検索にヒットしたのかと思うと,WWWだなあと感心したのだった。
 そんなことを思い出した,本日のジャズ・ラボである。

2007年8月28日(火)仕事の選び方
 読売新聞の調査だと,改造しただけで支持率が12.5ポイント上昇したらしい。楽な仕事である。改造された方みずからが,新内閣を「政策実行内閣」と名付けられたそうだが,今までは政策を実行する気があまりなかった内閣だったということを告白されたようなものである。少しは使う言葉を考えたらどうですの。
 テロ対策特別措置法の延長問題でどうなるかわからない内閣なので,新内閣の呼び名を考えることすら時間の無駄内閣のような気もするのだが,何だかんだ言ってもやっぱり大臣にはなりたいんだよねえという正直な行動をされた方もいて,人の生き方を考える際に,それはそれで参考になる人事ではあった。
 そんなニュースの一方,人前で喋ることができないほどの重いご病気の方に対し,お医者さんが治療のためにふる里へ帰ることを勧めるというニュースもあった。お医者さんというのは,重病人の治療に当たられるのがそのお仕事の中心ではないかと思うのだが,重病人はふる里へ帰らせてあげましょうというような助言をしていれば給料がもらえるのだろうか。ふる里治療主義のお医者さんなのかね。かかりたくないな,そんなお医者さんには。
 失敗して叱責されたり,余計なことを言って気の滅入ることは何度もあったけれど,誰だってそんな経験をしながら仕事を続けているんじゃないの。ふてていれば,周りが優しくしてくれるんだから,羨ましい業界である。
 それにしても,改造しただけで誉めてもらえたり,ふる里へ帰れば治るという診断で給料がもらえたり,世の中にはおいしい職業がたくさんあるらしい。

2007年8月27日(月)覚悟してね
 手のかかるカブリオの前輪右側の空気圧が,他のタイヤに比べて10Kpaほど低い。タイヤは重要である。釘でも拾っているのかも知れないと思い,タイヤを外してスタンドに持っていこうと思ったのだが,ひえー,ホイールに盗難防止ロックがかかっている。シフトレバーのフット・ブレーキとの連動といい,ご丁寧なことである。
 ロックを外すためのツールがあるのはスペアタイヤ格納庫と「取説」にあるので,トランクを開けて探すのだが,ない。ジャッキ・アップ用のレンチも見あたらないし。これじゃあ,パンクをした時にタイヤ交換もできない。販売店に持っていかなくてはいけないのかと思ったが,個人売買の車輛なので面倒である。よく探したら,ダッシュ・ボードの奥に隠れていた。
 タイヤはGSの店員さんにしっかり見てもらったのだが,ボクの気のせいだったようだ。どこにも異常がなかった。念のために,空気圧を250Kpaにしていただいた。
 タイヤを取り付ける際も,国産車に比べてセンターをきちんと合わせないといけないらしい。そのように厳しい分だけ安全ということなのだろう。
 ボクは,加速やステアリングの重さやボディ剛性のことくらいしか考えていなかったのだけれど,よその国の古い車を持つというのは,不便さなどに対するそれなりの覚悟が必要だということなのかも知れない。ちょっと,覚悟が足りなかった 。

2007年8月26日(日)情熱のクール
 週末の魚介類ご飯を作ろうと思い,いつものスーパーへつれあいが物色に行ったのだが,今週は望む魚介類の販売がなかったらしい。残念。夏の終わりが近づき,そろそろわが家好みの魚介類の販売も終わりに近づいてきたのかも知れない。
 と思っていたら,魚介類が届いた。ありがとうございます。一部は刺身にし,残りは今晩醤油ダレに漬けておいて,明日のご飯に混ぜることにした。今シーズン最後のご飯になりそうだ。しっかり味わって食べますので,安心してください。○さきさま感謝でございます。
 ということで,毎年のことであるが,行く夏を惜しみつつ『サマータイム』を流すことにした。クールな演奏はないかと考えたが,思い浮かばないので,逆に暑苦しくなりそうな演奏にしてみた。暑い暑いと騒いできたが,やがて暑い日々を懐かしく思う日がじきにくるのである。今のうちに暑さを楽しんでおいた方がよさそうだ。
 そんなわけで,ソニー・クリスさん。演奏時間が7分以上あるイタリアのライブ盤を流してから,『go man!』をかけた。
 情熱的で明るく陽気な閃きのハイトーンである。青空の一直線の飛行機雲のように。なのに切ない音にも聞こえる。暑苦しいかと思ったのだけれど。ハイビスカスを見ても,カサブランカを見ても,青い空や穏やかな青い海を見ても悲しい気分になることはあるのだ,と気づかせてくれるミュージシャンなのかも知れない。

2007年8月25日(土)不自由研究
 歌会も66回目。夕暮れとか望むとか欲望とか甘やかすというのは,短歌ではなかなか使い方が難しい言葉のようだ。うまく使えば効果的なのだろうが。理念に芯を入れる作業とか,漢字とひらがなのバランスなどもよく考えましょうなどと,自戒である。キミは漢字かひらがなで。美味しいもひらがなで。皆さまお世話になりました。
 というような今日の夕方は少し涼しく感じられたけれど,昼間は庭に出るのも暑かった。そのわが家の庭でひときわ元気なのがゴーヤーである。元気な2本のゴーヤーのおかげで,日当たりの良い二間半の縁側の窓は日よけ効果抜群。果実もまだまだ収穫できそうだし。
 で,ゴーヤーの枝はネットに数多張り付いていて,一体何本の枝があるのか数えてみたいくらいである。子ども達が小学生や中学生だったころのわが家は,そろそろ自由研究をどうしようかと考える時期なのだが,ゴーヤーの枝を数えてまとめても何とか模造紙は埋まりそうだ。自由研究がまだ完成していないおうちは,こんな調査はいかがだろう。著作権フリーですぜ。
 夏の終わりは,後悔とともにいつも自由研究のことが思い出されるのであった。子どもは親の生きる姿勢の鏡である。悪かったね。

2007年8月24日(金)24の日
 誰が決めたんだか,24日は『24』の日らしい。おまけに,クロエ・オブライエンが来日したのだとか。「シーズン6」発売に向けて,懸命なキャンペーン活動である。ジャック・バウアーではなくて,クロエが来日するってどゆこと?メアリー=リン・ライスカブとおっしゃるらしいけれど。
 ボクは,『24』をずるずると「シーズン5」まで見てしまった。計60枚のDVD120時間(ホントはもっと少ない)を見た計算である。何ともったいない時間の過ごし方であろう。限られた人生なのに。誰だよ,ボク達夫婦に『24』を勧めたのは。
 とはいえ,次々と見てしまったのは,我々の責任である。だって,展開が意外すぎて,深夜1時を過ぎても次を見たくなるのである。作り方がうまいのだ。
 そんな『24』の登場人物の中でわが家のいちばんのお気に入りは,クロエ・オブライエン。美しい女性もたくさん登場する『24』だが,彼女は恐そうな顔つきで,嫌みや皮肉を乱発,いつも眉間に皺を寄せてしかめっ面だ。無愛想でお節介で,気むずかしくてひと言多くて,性格も悪そうである。ボロクソだな。最初は何だかなあというキャラだったのだが,何しろ仕事が抜群にできる。PCを扱わせたら,CTUでナンバー・ワンである。
 誰を信じていいのかよくわからないCTUの中で,今のところいちばん安心して信頼のおけそうな人物である。で,いつの間にか,クロエが可愛く見えるようになってしまったのだった。仕事ができるというのは大事である。来日会見の写真を見れば,『24』の役柄よりさらに可愛く見えた。
 『24』は,シーズン8くらいまでは続くらしい。困ったことである。

2007年8月23日(木)エアを感じないとね
 勤務を終えてから,倉吉で産別の代表者会議に出席した。最初に少し煽ったせいもあるのかも知れないが,かつては専従で,今は名誉職のような組織の会長さんが1時間経ったころに発言をはじめられた。いつものことだが,これがまったりこってり長い。過日ファミレスで見かけた引き留め工作のお姉さんと同じである。相手の思考を止めてしまうという作戦なのかも知れない。
 しかし,会議中に43分間話し続けるってなかなかできないんじゃないかな。というか気の弱いボクにはできない。聞いている人のためになるべく話を短時間で切り上げようと思うので,ついつい早口になってしまうのだった。
 さすがに長いので,司会者と現委員長が私語。「あっ,ながなってごめんなさい。」とおっしゃりながら,それから18分間ご助言が続いた。計61分。その間,「言い過ぎてしまって時間がなくなったかも。」とか,「ごめんなさい。ごめんなさい。」などを盛り込まれるから,ますます時間がかかる。
 会議の所期の目的をほとんど達成していないのに,これだけで2時間経過である。フーッ
 ありがたいことに,会場の使用時間が決まっていたので,それから30分で閉会になった。空気を感じる力は大事だ。裸の王様にならないようにしたいものである。
 少し湿度の高い風だったけれど,帰りにオープン・エアを楽しめたのが倉吉に行っていちばん良かったことである。月と漁り火もきれいだったし。

2007年8月22日(水)いい加減にしてね
 どんな選挙でも,立候補された顔ぶれをみて,あの人には当選して欲しくないなあということはボクの場合よくある。いずれの政党であっても。国政選挙に限らず,市議選でも県議選等でも。
 選挙の結果,落選していると,ああ良かったなあと思うのだが,こたびの参院選では,えーっ何であの人が当選するんだよという人が何人かいて,そのおひとりは今日から自宅謹慎されるのだとか。週刊誌報道などで,立候補前からそのいい加減さがわかっていたと思うのだけれど,20万を超える得票があるのだから不思議だ。
 立候補の際のキャッチフレーズが「いい加減」なのである。そんな方が当選するのだから,投票した人も「いい加減」だったということなのだろうか。衆愚政治というのは今に始まったことではないけれど,政治はいい加減にやってもらってはいけないというのをスタンダードにしていただきたいものである。
 ああ,まだ謹慎していただきたい方もいるのだった。
 大体,議員に立候補しようというような人と積極的に友達になりたいと思わないのだが,立候補者以外に政治をやって欲しい人がいる場合は推薦票のような投票ができる制度とか,立候補している人の中で,とりわけなって欲しくない人には反対票を投じることができてマイナスカウントされるようなシステムになってもいいなあと思ってしまうのだった。まっ,余計なお世話である。

2007年8月21日(火)斜陽
 畑の野菜などに水をやっていたら,東の空には半月と積乱雲が出ていて,西の空は太陽が赤い。急いでカメラを取りに帰り,わが家から一番近い,海の見える砂丘へ上がってみた。車が2台駐まっていて,与謝野晶子さんの石碑界隈には大学生風のカップルが座っている。
 視線が合うと,女の子の方が「コンニチハ」と短パン姿のオヤジに声をかけてくれる。ありがたいなあ。
 観光でいらっしゃったのだそうだが,海に沈む太陽を見るのは初めてでとてもきれいと女の子の方が大変興奮していらっしゃった。県外の方が,よくこんなマイナーな穴場を見つけられたものだと思うのだが,歌碑もお目当てだったようだ。短歌を詠まれる人達なのかどうか聞かなかったけれど,いなばの人間が当たり前に見ている沈む夕陽や夕陽に照らされる雲で,新鮮な感激を覚える人がいたり新しい歌が生まれたりすれば,それはそれでうれしいことである。
 残念ながら日没ショーは短い。本当にみるみる沈んでいくという感じ。落ちてゆく時は速いのである。それがまた美しかったりするのだが。
 カップルは自然の美しさに満足して車に乗り込んでいったけれど,ボクは気持ちの良い若者と一緒に眺めたことの方がうれしかったな。ああ,あなた達には日の出の方が相応しいのかも知れない。

2007年8月20日(月)マックス・ドラム・ローチ
 それにしても雨が降らない。という話は今書いておかないと,そのうち書けなくなるのでちょっと書いておこうっと。
 昨日の激しいカミナリの際,そのうち雨が降るだろうと思い畑や庭木に水をやらなかったら,海側はまったく降らなかった。聞けば,市内から20kmほど入った山間部はひどい雷雨だったらしい。行われていたイベントも中止になるほどだったのだとか。そんな中で,かわいそうなことに我が家の植物は渇きを抱えたまま朝を迎えたのであった。ごめんね。
 今日は,午後の降水確率が50%ということだったようだが,夕陽が見えた。雨は降りそうにない。水やりと雨が重なっても良いから水をやった。いやあ,やっぱりビールは最初の一杯だねと喜んでくれたことだろう。今のところ雨は降っていないので,もう飲めませんということにならなくて良かった。
 さて,先日マックス・ローチさんがお亡くなりになっていた。ドラマーによる音の違いというのを意識して研究したこともないので,ローチさんの特別な良さというのがよくわからなかったのだが,とりあえずローチさんといえば,クリフォード・ブラウンさんやソニー・ロリンズさんが思い浮かぶ。
 まず,ロリンズさんの『SAXPHON COLOSSUS』で追悼をはじめた。1曲目の『ST.THOMAS』はローチさんのドラムスではじまる。サックスのリーダーアルバムの割りにドラムスが目立つ。サックスにタイトな音で絡むし,ドラムソロも結構長い。うるさい人にはうるさいと感じるドラムスかも知れないし,この誘いのドラムスがあったからロリンズさんはのびのびと吹くことができたのかも知れないという感じもする。
 15分を越えるクリフォード・ブラウンさんの『CARAVAN』も,イントロはローチさんのドラムスだ。バッキングでもソロでも,リズミカルで大変にぎやかである。煽りがうまく,共演者のポテンシャルを最大限に引き出す能力に長けていたドラマーだったのかも知れない。
 自己主張ばかりでなく,他者の良さを引き出すために自分の力を使おうとする人というのは,余裕のある人なんだろうなと思ったりした,ラウンド・アバウト・ミッドナイトである。

2007年8月19日(日)リアリズムのいなば弁
 「国英」駅でのシーンからはじまる山下敦弘監督の『リアリズムの宿』は,つげ義春さんのコミックがベースだ。
 メジャー・コミックと思われる『天然コケッコー』でさえ上映されないいなばだから,マニアックなつげさんとマイナーな山下監督の作品が映画館で上映されることはなかったのだが,公共施設での上映は何回かあって,ボクは駅の南にある施設で見せてもらった。高齢の方の参加も多く,笑いのツボが観客と合っていないような上映会だったけれど。
 この映画のエンド・クレジットに勤務先名が出てくる。吉岡温泉の素泊まりで,砂丘や岩美などで撮影されていたのだが,撮影に2回立ち会ったことがあったのだった。撮影は日が短くなる12月。17時を過ぎてもテイクを重ね,周囲は相当暗くなっていたのに,使われていた場面はそんなことを感じさせないものだった。さすがである。
 当時お聞きしたところでは,制作費は3000万円くらいだとか。失礼ながら,主役のお二人も知らないし,監督さんも知らない。尾野真千子さんという女優は美しかったので,記念に撮影させてもらった。こんな女優さん。肖像の無断使用なので,問題があればご連絡ください。すぐに削除します。
 そんな監督さんが,『リンダリンダリンダ』でブレイクされてビックリしたというわけである。
 『リアリズムの宿』は,会話が弾まなかったり,何気ない日常生活の中のおかしみのような場面がリアルに表現されていて,結構ボクは笑えた。ただし,いなば弁が中途半端な感じがするし,ボケ加減やズレ具合,強調される汚れ具合がお年寄りなどには面白くないかもしれない。いなばのPRに大きく貢献するような作品ではないのかも知れんのがちょっと残念だがあ。

2007年8月18日(土)失われゆくもの
 松江サティへ行って,『天然コケッコー』を見た。上映初日だから,客が多いのかと思ったら,お客さんは50名ほどだった。松江は浜田ほど盛り上がっていないらしい。
 監督は山下敦弘さん。山下作品でボクが見たのは,『リアリズムの宿』と『リンダリンダリンダ』である。
 いずれもクセがあって,テンポが遅いというか,独特の間がある作品だ。ゆったりした,オフ・ビート感覚。バス停が良く出てきたり,会話が弾まなかったり。もちろん,そのゆったりした間や空気感が醸し出す面白さを狙っていらっしゃるに違いない。
 「もうすぐ消えてなくなるかもしれんと思やあ,ささいなことが急に輝いて見えてきてしまう。」というお話である。中学時代というのは人生における奇跡のような3年間だということを,どうして誰もボクに教えてくれなかったのだろう。
 田舎は周りに人がいないから落ち着けるいい場所でもあるということも映画は教えてくれる。ストレスフルな都会生活に比べ,周りに人がいないことはありがたいことでもあるのだ。
 山陰の言葉は濁点が多くてきたないというイメージを持っていたのだが,結構かわいい。女の子が自分のことを「ワシ」というのも。緑が多い中で使うから抵抗が少ないのかも知れない。
 『リアリズムの宿』でも因幡の言葉が時々出てくるのだが(因幡でロケをやっているのだから当たり前),山下監督は山陰地方がお好きなのだろうか。愛知のご出身らしいのに。ありがたいことである。
 それにしても,松江中央まではわが家から2時間で行くことができたが,ガソリン代がバカにならない。県庁所在地にシネコンのひとつもないって悲しいと思うな。モノやギャンブルに金を使わせるだけでなく,音楽や映画などのカルチャーを田舎にも提供してやろうという金持ちはいないのか。
 今ある映画館が消えるようなことになって,急に輝いて見えだしたというようなことにならないでほしいものである。

2007年8月17日(金)軽金属含有岩石
 一便の飛行機で帰るという娘のおかげで,今日の睡眠時間は4時間ほどだった。眠い。帰宅して,音楽を聴いているうちに眠っていた。タイトルは,『アルティメット・メタル・マラソン』だというのに。
 ハード・ロックやヘビー・メタルのおいしいフレーズをつなぎ合わせて1曲にするという,数あるロックのCDの中でも,『ボッサ・ストーンズ』などに匹敵するくらいジャンクなアルバムだ。
 しかも,メタルとうたいながら,『ワイルドで行こう』とか『セイリング』とか『サティスファクション』があるというポップさ。『戦場にかける橋』もあれば,ピンク・フロイドの曲だって演奏している。ライト・メタルだ。
 とはいえ,『スモーク・オン・ザ・ウォーター』や『ジャンプ』や『天国への階段』や『胸いっぱいの愛を』といったロックの定番曲は,当然のようにある。オリジナルとほとんど変わらないフレージングなのだが,使われるフレーズの時間が短いので,『ジャンプ』のイントロがはじまってボーカル・パートになると,何じゃこりゃーという裏切りにあったりもする。それはそれで面白いけれど。
 アルバム収録曲は7曲で,その中に合計100曲のロックのフレーズが盛り込まれている。1990年前後に制作された,スイスのヘヴィーズというバンドの2枚のアルバムのコンピ盤である。ジャンク過ぎてすぐに廃盤になりそうだ。怖いもの見たさやジャンク好き,ロックの曲なら大概曲名がわかるというような方は,この際お手元にいかがだろう。
 1曲が10分前後と長いので,眠りから覚めてもまだ5曲目の演奏中だった。メタルが子守歌になるんだから,睡眠不足に加え夏の疲れもちょっとたまっているのかもしれない。

2007年8月16日(木)ケッコーいい
 帰省している娘がPC画面を見て,「ぎょえ,mixiやってるの?はまってんじゃないでしょうねえ。」と心配してくれるのだが,安心しな。ボクのマイミクは4人だから。
 ということで,今日はmixiに書いている少女コミック編である。わが家にいた時には面白いと思わず1冊しか読んでいなかった『天然コケッコー』が,少し大人になったせいなのか都会暮らしのせいなのか,娘の気にいったらしい。ボクは全巻揃えていないので,次の巻を買って来いとうるさい。
 作者はくらもちふさこさんである。樹村みのりさんの少し下の世代だが,コンスタントに作品を生み出されていて,とりわけ教室モノがうまい。
 そんなくらもちさんの『天然コケッコー』は,島根県石見地方の児童6名の学校に東京からやってきた転校生と,地元の中学2年生「そよちゃん」の淡い恋などを描いた作品である。
 セリフが,「もどんさい」とか「もどってきんさった」とか,いなばに似ていて親しめるし,木造校舎も郷愁を感じる。もちろん,小中学校時代の恋も思い出したりして。ボクの好みだった(一方的に)女の子達は今頃どうしているんですかね。
 松江ではこの週末に映画が公開されるけれど,いなばの映画館で上映される予定はない。『天然コケッコー』で描かれる木村のような立派な田舎にいなばもなっていくのだろう。

2007年8月15日(水) 戦勝国の人
 以前アマゾンで購入していた,小林正樹監督の『東京裁判』を見た。トルーマン,チャーチル,スターリンがポツダムに集まるところから始まる,ペンタゴンなどが秘蔵していた映像を編集したドキュメンタリー映画である。
 中立国が裁くべきだとか,後から法律を作って裁くことの是非など,「極東国際軍事裁判」については色々な意見があるのだろうが,とりあえずわが国の戦争や東京裁判に何かコメントする予定があれば見ておいた方がよいと思うな。すべてのはじまりと終わりは8月15日であったということで,玉音放送もクリアな音声で聴くことができる。
 「いくさの時代」と覚えた1930年代の著名人の動画を見ることができるのはもちろんだが,大川周明が退廷させられる有名シーンや,重光葵が弁護人に対し,昔の友情を濫用したくないから進んで喋ってくれる以上は証言を集めないでくれと頼むくだりとか,裁判長が何故かオーストラリアへ帰る場面とか,それぞれの思いや物語がつづられていく。
 そんな4時間以上あるこの作品の中で,とりわけ印象的な人物が,弁護人のひとりであるアメリカ人のブレイクニーである。
 国家の責任を個人に適用するのは法的に誤りであり,戦争での殺人は罪にならない。戦争が合法なのだから,嫌悪されるべき行為であっても,犯罪として問われない。戦争は合法的な人殺しなのだ。
 真珠湾攻撃が殺人罪になるなら,我々はヒロシマに原爆を投下した者の名を上げることができるし,その国の元首の名も上げることができる,その人達が裁いている,と展開していく。
 1946年の5月に,アメリカの原爆投下を非難するアメリカ人がいたことの驚き。それはもちろん人道的レベルでの非難ではないのかも知れないけれど,感情ではなく,法に乗っ取って判断をつけようとする姿勢や,国家と個人を切り離して考える姿勢は,アメリカの懐の深さを感じるのである。
 正義とか,自衛と侵略の違いを考えるのは簡単ではない。正義は国の数ほどあるだろうし,すべての戦争は自衛だという理屈も成り立つのかも知れない。それでも,戦勝国の中にブレイクニーのようなアメリカ人がいたことを日本人も知っておいた方がいいと思うな。

2007年8月14日(火) 砂丘名物
 猛暑なのに,砂丘には観光客が大変多い。ありがたいことである。レストランも随分稼いでいらっしゃるようだ。
 砂丘を見た後は,三朝や皆生に宿泊される人が多いのだろうが,砂丘のホテルに泊まっていらっしゃるご家族もおありで,夕涼みがてら,長椅子に座って夕陽を眺めている人もいるし,砂丘まで歩いているご家族もいらっしゃる。
 横たわった乙女の砂像のある展望台にも観光客がやってくるのだけれど,皆さんすぐにその場から離れていく。そこから砂丘を見下ろすと,電柱が大変きれいなのに。
 電柱や電線の美しさを見てもらうために作られた展望台なのかも知れないというくらいの絶妙のロケーションである。名物にはならないだろうか。

2007年8月13日(月) 到来物
 旅行帰りだとか,帰省された方などからいただき物の多い日だった。
 北九州からの500kmを○時間で帰って来たという○川さんからは,イスズベーカリーのパンをいただいた。中国道は,時速1○0kmでも問題なく走ることができたらしい。すごいなあ。だって,丸目の117クーペなんですぜ。丸目の生産は1977年までだから,30年経っている車なのだ。ボクは,トヨタの車でもそんなスピードを出したことがないと思うな,多分。高速道路のスピード違反で捕まったことはあったけれど。
 3泊4日で,東北四大祭見物ツアーに行かれた方からは,秋田のもろこしなどをいただいた。青森,秋田,山形,宮城をまわって,ねぶた祭,竿灯祭,花笠祭,七夕祭を見るというのはなかなかハードな観光だと思うけれど,それだけ東北の交通網が整備されているということなのだろう。羨ましいことである。
 翻って思うに,いなばの傘踊りだけでたくさんの県外客を集めるのはなかなか厳しそうだ。いなばのご近所の皆さんと祭のツアーを組むとすると,どこの祭と組むことができるのだろう。そんな計画を検討していらっしゃる方々もおありなのだろうか。
 というようなことはさておき,崎陽軒のシューマイや徳島の東大ラーメンや淡路島のたこせんべいなどもいただいた。皆さんありがとうございました。

2007年8月12日(日)Close To The Edge
 花火を打ち上げている音がするので,わが家の裏へ行ってみた。砂丘に生えている草をかき分けながら歩くと,真っ暗な中にペンライトの光りがあちこちからもれてくる。
 ペンライトの光りを避け,まずは三脚を立てるためのロケーション・ハンティング。いい場所があったので立てようとしたら,そばに,この暑いのにくっついているカップルがいらっしゃった。失礼。こんな猛暑は早く終わって欲しいと思うのだが,いつまでも暑い夏や夜が続いてもいいのが若者なのだろうか。
 それにしても,暗い砂丘で空を見上げると星がきれいだ。都会帰りの人などは,かわいい花火よりきれいに見える星に感激されるかも。当たり前にある中で暮らしている人には気づきにくいのかも知れないけれど。街の明かりがあってもきれいなのだから,もっと山の方へ近づけば流星もたくさん見えることだろう。
 さて,花火はバルブ撮影で何秒露光すればいいのか。よく分からないので,適当に露光時間をずらしながらレリーズ・ボタンを押してみた。4kmくらい離れているから迫力がない。失敗である。
 何でも,とりあえず一度そばに近づいてみるのは大事なことなのかも知れない。

2007年8月11日(土)オードリー明かそう
 宿泊するお客さんがあったり,子ども達が帰ってくるというので,わが家の足の踏み場作りを行った。
 とはいえ,一度手に入れたモノは簡単には捨てない主義なので,半日かかっても現れてくる床面積は少ない。毎月本屋さんに届けてもらう雑誌の厚みが8cmほどある。わが家の空間は毎月確実に狭くなっているのだ。大変まずい。
 ロックでも流して作業をすれば,お宝だと思っているモノも勢いでゴミに変えることができるかと思い,フリーやディープ・パープルのライブを流してみたが,一段と暑苦しくなって仕事がはかどらない。ボッサ・ストーンズは女性ボーカルがまとわりつくし。結局,フォープレイの軽いギター・サウンドで部屋の片付けをした。ゴミは,ひと袋分しか作れなかった。
 作業終了後,お客さんをお祭りにご案内した。今年から,メイン・ストリート中心の踊りだ。昨年まではサブ・ストリートで休息を兼ねていた踊り子さんもいたかも知れないが,この方法だと,ギャラリーも集まってくるし踊り子さん達の集中力も持続できそうだ。よそのお祭りも取り入れながら,新しい祭りにしていこうという努力は伝わってきた。
 ついでに,連を紹介する看板を軽トラでも使って大きくデコレーションするとか,衣装ももっと派手な色やデザインにするといいんじゃないのかな。

2007年8月10日(金)長期療養中
 とりあえず,夏季休暇前の業務が終わった。
 今年は,今日から祭りが始まるらしい。勤務時間が終わる頃のメイン・ストリートには出店が並んでいて,今晩はにぎやかな夜になりそうだ。祭はにぎやかにやらないと,街やそこに住む人に元気が湧いてこない。西部のがいな祭の節操のなさに負けず,踊り子の皆さんに頑張っていただきたいものである。
 そんな祭の準備をしているメイン・ストリートを抜け,長いこと見舞いに行っていなかった117の様子を見に行った。
 車屋さんのいちばん奥に移されている。サビの出ていた場所は,ほとんど除去されたり新たな鉄板がはめ込まれていて,その気になれば1か月もあれば完成しそうな気がするのだが,隣にある「20年ものトレノ」の方に修理の気合いが入っているように見える。
 快気祝いはまだ先のことになりそうだ。

2007年8月9日(木)上司の常識
 珍しく?終日よく働いた。飲み会つき。
 で,一緒に飲んだ皆さんは,ほとんど伯耆方面の皆さん。伯耆の皆さんは,発言が厳しいというか,ストレート。上司の悪口は半端ではない。さすが昔は商人の町である。強盗殺人が多い西部,公文書偽造や詐欺の多い東部という犯罪分析結果が以前あったけれど,風土による気質の違いというのは結構あるのかも知れない。
 さて,伯耆の皆さんとのお話のひとつは,良い上司とはどういう上司かという話題である。当たり前の結論だと思われるが,部下に責任をかぶせる上司はだめ。信頼関係を築けない人もダメだよねえ。間違っていたら,部下にごめんなさいと謝れない人もダメというような声であった。「責任かぶれよ上司」,という話題である。
 その立場になれば,それはそれで難しいことなのかもしれない。さらに上への顔色うかがいとか,自尊心などもおありだろう。けれど,時にそういうことの取り外しができることも大事なのである。部下だって,上司を評価をしているんだよね。ということで,良い上司だけが良い部下を育てるのである。これ常識?
 できる部下に育てるのも結構難しいことなのだとは思うけれど。

2007年8月8日(水)心臓に悪い
 ヤフーのニュースによると,反安倍議員が新グループ結成だそうだ。小坂憲次,園田博之議員などが中心である。
 いなばやほうき選出の国会議員の中にも,安倍おろしに熱心な方がいらっしゃる。今回ボロ負けした津島派に所属する皆さんだ。
 津島だから,文学的には太宰治の系統であるが,政治的には,創世会や経世会系である。吉田茂,田中角栄,竹下登,橋本龍太郎といった皆さんの系列だ。保守本流もいいところである。
 津島派の青木氏は森氏と同窓だ。森・安倍グループと津島派のスタンスはそれほど変わらないと思うのだが,同じ政党でありながら声高に反安倍を叫ぶというのは,もらった大臣ポストが少ないなどの冷や飯を食わされてきたことに対する怨念の現れのようなものなのだろう。
 政治も人がやっていることだから,感情抜きでは成り立たないのである。そこを上手に理性で包み,理屈で責め立てているように見せているのだろうが,何だかそんな感情がボクのような素人にも見えてきたというのは,自民党の派閥争いというか,混迷もかなり深そうだ。
 それにしても,突っ張っている安倍さんの心臓は大丈夫だろうか。無理をされませんように。
 民主党には旧自民党系の議員も多いわけだし,民主党を巻き込んだ政界再編というのがあるのかも知れないな。

2007年8月7日(火)決まり手は
 特別な相撲ファンではないのでどうでもいいのだが,時々ランチを食べるお店には,週刊現代や週刊文春が置いてあるので余計な情報が入ってくる。相撲業界の怪しさは奥が深そうな感じ。表のニュースだけで判断しない方がよさそうだ。
 寄って集ってモンゴルの人を責めるのもどうかと思うのだけれど,それにしても,お医者さんに何も喋らないほどストレスが溜まっているから帰国を申請するって,すぐに認めるんですかね,相撲協会さん。ひとことくらい言い訳を言ってもらったらどうですの,子どもじゃないんだから。
 稼いだお金で,ホテルや旅行代理店や派遣業を経営していて,時々はビジネスのために帰国しないといけないという話だった,彼は。青年実業家なのだ。憧れだったパートナーをはじめたくさんのものを手に入れてしまったので,今や相撲は副業か?
 もちろん,経営しているのはご親族なのだが,ビジネス相手に信頼してもらうには,ご本人が対応するのがいちばんである。相撲部屋にこもっているだけでは,事業拡大がしにくい。サッカーのために巡業を蹴ったわけではなく,巡業でのタニマチとの親交や宴会よりも美味しいことがモンゴルで待っていたのだろう。
 日本の皇室の人も,そのご家族が経営のホテルにお泊まりになっていらっしゃるらしいから,お墨付きつきというか密かにサポートしているようだ。まったく。
 国にお帰りになるんだったらそっちの商売で頑張ってね,うちはもういいからということでお送りされるのだろうか,相撲協会。
 「逆とったり」とか「腰砕け」で負けないようにね。

2007年8月6日(月)意外ではないんです
 昨日はアワビとサザエを食べさせてもらい,今日は今年初めての「イガイご飯」だった。食べられる貝はどれも美味しい。「ごちそうさま」をしたあとで,さらに味付け海苔でイガイご飯を巻いて食べるという口の汚さである。
 1個100円見当のイガイ9個に対して,米は3合。生のイガイの実を取り出すのがボクの仕事である。
 強靱な力で抵抗するイガイの貝柱にナイフを入れると,お気の毒だが,貝は開きっぱなし状態になる。取り出した実を,醤油・昆布・みりんの中に漬けておき,その出汁で米を炊きあげる。炊きあがる10分前くらいにイガイを入れるのがわが家の作り方だ。もっと美味しく炊きあがる方法があればご教授いただきたい。
 瀬戸内海でとれるムラサキイガイは,生活排水などの影響で食べることのできないものもあるらしい。海のきれいな日本海のおかげで磯の香りを炊き込んだ美味しいご飯が食べられるのである。ありがたいな。瀬戸内の人達には意外なことかもしれない。お気の毒様。

2007年8月5日(日)おわびにあわび
 今朝は,5時50分に起床。6時30分から,リバーサイドのグラウンドでライン引き。炎天下で,ホームラン・ボールやファウル・ボールを拾うという,疲労的業務の午前中だった。
 選手の皆さんには申し訳ないが,ひたすらコールド・ゲームになることを祈っていたのだった。試合は,打撃戦というか四球戦。1回の得点が9点というようなゲームで,祈った甲斐があった。予定していた時間より早く終わったのだった。
 そんな,労働者の皆さまに尽くしたあとは,海辺へ行った。吉例,アワビ拾い。今年は,誰が落としていたのやら,ことのほか立派なアワビである。氷水でしめたコリコリのお刺身を,ワタ醤油でいただく。美味。歯がこわれないように,ゆっくり丁寧に味わったのだった。午前中のお詫びのアワビである。
 さらに,サザエを20個くらい茹でた出汁で,小豆島のソーメンもいただいた。ソーメンは,橿原のお友達からいただく三輪産がわが家のお気に入りだが,自宅でサザエ出汁ソーメンなどという贅沢はできない。磯の香りたっぷりの美味しいソーメンだった。
 情けは人のためならず。人のために働くと,ご褒美が時々もらえるのである。とさきさんやマスターのおかげです。ありがとうございました。

2007年8月4日(土)ガラスの平和
 8月に入ると,組合には戦争反対関連行事の参加要請がある。先日は「反核平和の火」,今日は「ピース・ウォーク」である。どうでもいいが,明日は朝の6時30分集合の労働者の皆さんのソフト・ボール大会のお世話係という業務もある(ファールの球拾い!とか)。そんな早朝に起きることができるか心配だ。まっ,これも平和のおかげである。
 「ピース・ウォーク」の前には,四分一節子監督のアニメ映画『ガラスのうさぎ』の上映があった。原作は,高木敏子さんの戦争体験をベースにしたベスト・セラーである。
 文部科学省選定とか,東京都優良映画推奨などとあるわりには,戦後憲法の良さを強調するイデオロギー的な部分もきちんと描かれている。声の演技もアフレコのテンポも良くて,大人も鑑賞に耐えることができる。というか,ちょっと涙が滲んだ。隣の若者は寝ていたけれど。平和もこわれものだと思うんだけどな。眠っている間に割れてしまうかもしれないぞ。
 そんな若者はさておき,ピース・ウォークとアニメ上映会には,小学生の子どもさんと一緒に参加されている方が何組もあった。平和を望む人間に育つことだろう。良い家族だと思うな。
 ボクが子ども達と観た映画は,『ET』や『ドラえもん』だった。平和を望む人間に育っているだろうか。

2007年8月3日(金)新作Tシャツのご案内
 台風&暑中お見舞い申し上げます。
 毎日暑いので,帰宅後は短パンにTシャツの生活である。今年は,新作ECM Tシャツや,通気性の良いドライシャツを着ているのだが,本日,あらくれにほんかいさんの書の入ったTシャツが届いた。文字は「みずたまり」。背中にレイアウトされている。他では絶対手に入らない,オシャレなTシャツだ。水田真理さんが着てもいいと思うな。
 つれあい用にも買ったので,ペアで歩いている男女を見かけたら,ボクかもしれない。と思ったのだけれど,つれあいはペア・ルックでは歩いてくれないらしい。芸術がわからないようだ。残念。そんなわけで,ペア・ルックで歩いているのはボクではありません。
 ところで,冥途インチャイナなどとも揶揄されるほど,最近の中国製品は信頼性が低い。食品やおもちゃだけでなく,中国国内で販売されている服から発ガン性物質が検出されたそうだ。帰宅後に着替えたドライシャツのタグを見たら,何と「中国製」だった。わが家の引き出しにも中国製がたくさんあるらしい。何しろユニクロ好きだから仕方がない。
 そんな中,このTシャツのタグには「tokyo Japan」とある。しっかりした生地で安心の国産である。最初に着る前に洗濯しなくても良いのだ。ユニクロには置いてもらえないだろう。さあ,急いで注文をしよう。今年の夏は,みずたまりで楽しんでいただきたいものである。

2007年8月2日(木)シンプル・イズ・ベスト電器
 暑い。全国的に梅雨明けらしい。と思ったら,台風だ。頭が重くなった朝顔の鉢はすぐに倒れるので,玄関に入れてやった。キュウリやゴーヤはどうしてやることもできない。すまぬ,自力で持ちこたえてくれ。大山があるから気流が和らぐというのは本当だろうか。大山に期待したい。
 暑さには車も弱いのだろう。ここのところカブリオの調子が悪い。シフト・レバーが動かなくなって,ただの箱状態になることが多い。ブレーキを踏まないとシフト・レバーが動かない機能がつけられているのだが,ブレーキを踏んでもそのことを感知してくれないのである。スーパーなどの駐車場で,エンジンをかけたのになかなか動かない車というのは,他の人が見たらちょっと不審車である。
 昔の車にはもちろんそんな機能はなかった。安全性を高めると,部品は増え,構造は複雑になり,故障する箇所が増えるというわけだ。壊れないと,修理で生計を立てていらっしゃる方も困るわけだから,詮無いことである。今さらシンプルなマニュアルにしようという気は起こらないけれど,便利もほどほどが良いな。
 携帯電話でもカメラでも,使わないような機能がたくさんあって,マニュアルを理解するだけでも大変である。何でも機能を増やせばよいというもんでもない。高齢化する団塊の皆さま用に機能をシンプルにした商品の開発というのは,携帯に限らずニッチな市場として成立するんじゃないかな。と,シンプルな構造の頭脳で考えてみるのだった。ああ,ボクにはもっと機能がついていれば良かったのだけれど。
 何はともあれ,部品代を含めた修理費用は31000円。手のかかる奴はかわいい。だろうか。

2007年8月1日(水)マルチ・パワー
 滅多に行かないファミレスに入ることになって,禁煙席をお願いした。喫煙席は3テーブルだけにお客さんがいたが,禁煙席は子ども連れがいたり,女性客がいたりで混んでいる。禁煙席を増やした方がいいと思うな。一つだけ空いていた席に着くと,隣のテーブルから,声を落としていると思われるのによく聞こえてくる女性の声があった。
 サミットとか,サファイヤとか,エージェントとか,スーパーなどという言葉が次々でてくる。
 足抜けしようとしている女性を,引き留めようとされている場面である。これが面白い。
 化粧品や栄養補助食品や下着などのマルチ風販売で有名な会社の説得工作無料ライブを堪能させてもらった。さすが高額納税者が経営されている会社である。マニュアルがしっかりしているな。
 機関銃のように言葉を発しては,しばし沈黙。テーブルに右肘をつき,頬を乗せた手をさらに相手の方に出して顔を近づけていく。迫力あっぞ。「私の個人的な見解だけどね」などと最初に断りながら,相手を認める言葉をかけ,優しく脅しの言葉を盛り込む。
 説得されているのは,大柄だが気の弱そうな色の白い女性である。「一度立ち上げたものはやり続けないといけない。」「はい上がってきてほしい。」「死ぬ気でやれば達成できる。」などと,押しつけていないような態度を見せ,ぐいぐい迫る。色白女性はほとんど言葉を発しない。抜けられないとあきらめているのか,それとも抜けることをもう決めているのか。
 我々も結構粘ったのだが,それでもまだ話は続いていて,結論がどうなったかわからなかったのが残念である。
 とはいえ,他者を説得する方法のひとつを学びましたよ。粘りと根性,優しい恫喝,受容と押しつけ。
 抜けられると自分が困るから,一生懸命なんだよね。説得されていた女性がそのことに気づいてくれるといいのだが。
 ファミレスでは,こんなライブも開催されているのであった。ネタの宝庫というか,生活感溢れるドラマの舞台としてファミレスは相応しい場所なのかも知れない。
 食材に不安はあるけれど,ボクはファミレス・ファンになりそうです。

2007年7月31日(火)高値のライカ
 「頼果」という名前を持つ東京の女の子を発見した。1990年ころのお生まれである。ライカ。ドイツの「Leitz」社のカメラ「Leica」を意識してつけられた名前であろう。
 お父さんが写真好きだったり,カメラ好きと思われる。
 どの親も子どもにはそれぞれの思いで名前をつけるのだが,モノの名前を子につけるというのは凄いな。カメラ好きだが,ボクにはそんな発想がまったくなかった。ライカを持つこともできなかったし。ニコンしか持っていないボクの娘には「煮込」だろうか。怒るだろうな。
 そんな「頼果」と名付けた親の願いが伝わったのか,彼女はカメラをぶら下げて松江で撮影をしていたのだった。ネーミングは大事である。
 M8はもちろん買うことができないし,OEMのD−LUX3さえも,元の商品の価格との乖離状況を考えるともったいないと思ってしまう。ああ,小市民。
 ライカは高嶺の花なのである。

2007年7月30日(月)責任のとり方
 同格とはいえ,衆議院が優越するわけだから,参議院の第一党が野党に変わっても,その気になれば与党は法案を通すことはできる。
 衆議院で2/3以上の多数で議決されればいいのだから,ちょっとつらいな参議院。とはいえ,最近はその宝刀をほとんど抜いていないし,衆議院の優越を何度も使えば,与党への不信感も強まることだろう。ピーンチ,Aべさん。
 やってきたことを否定されるというのは誰でもつらい。とはいえ,責任者出てこいと思っている落選者の皆さんや,国民の皆さんの思いもあるわけだから,とりあえず責任をとるフリでもされてはどうなんですかね。
 太郎さんは失言するしで,あとに続く人がいないのかもしれないが。それとも,本当は禅譲の準備中なのだろうか。場の空気の読めない人なのかもしれない。
 そんなこととは関係なく,朝早く出雲方面へ向かった。雲がきれいである。宍道湖も美しい。街も面白い。絵になる光景がたくさんあった。保守王国だとか,落ち着いた和のイメージがあったりもするが,面白そうな街だと思うな,松江。選挙も面白かったし,職場などでの今朝の会話は随分盛り上がったことだろう。

2007年7月29日(日)雨降って地崩れ
 さぬきでうどんを食べるため,投票開始時間直後に家を出たら,近所の投票所界隈にはすでに車の行列。投票所から帰るところのご近所の方もお見かけした。皆さん,早起きである。涼しいうちに済ませておこうということだろうか。涼しいうちは寝ていた方がいいと思うのだけれど。人生観が大きく違うようだ。
 生姜の効いたぶっかけうどんを高松で食べ,メインの業務を終わらせて帰宅したら,すでに鳥取選挙区は当選確実が出ていた。早い。四国の結果もすごいな。
 今回の選挙で,自民党関係者の皆さんの県庁界隈での大声の演説は最後までひどかった。場の空気が読めない人達の集まりなのだろうかというくらい,うるさすぎである。大声を上げていればいい時代は終わっていると思うんだけどな。その辺も少し反省してね,ということかも知れない。
 夕方の倉敷の辺りは,地面まで一直線の稲妻やスコールのような雨で,高速道路も超ノロノロ運転だった。岡山は,逆風だけでなく土砂降りつきだったようだ。
 さて,明日は今日よりも早い時間に島根へ行かなくてはいけない。天気は大丈夫だろうか。荒れたりしないだろうな。 

2007年7月28日(土)力点と作用せん
 ここのところ,職場と自宅とモバイル用の3台のパソコンでパワーポイントを使ってデータを作成している。午前中に職場へ行き,昨日完成させたものをスライドショーで最終点検しようと思ったのだが,「この種類のファイルはPowerPointでは開けません」というエラー・メッセージが出る。
 PCにインストールされているパワーポイントのヴァージョンが違うから読めないのかと,急いで最新のヴァージョンにアップデートをしてみたりするのだが,何度やってもダメだった。ファイルが大きいから,メモリスティックに書き込んでいるうちにファイルが壊れたのかもしれない。ファイル名などは表示されているのに。
 ああ,バックアップをとっておくんだった。手間を惜しんではいけないのであった。あきらめきれないが,時間が経っていく。とりあえず,完成前の7割程度の版がモバイルのHDに保存してあったので,もう一度途中からやり直すことにした。家に帰ってビールを飲みながら。
 今週は最後までついていない週だった。早く来週になってほしいモノである。

2007年7月27日(金)幸福な食卓
 娘が『幸福な食卓』を薦めるので,レンタル屋さんへ寄った。
 わが家の近所(と言っても歩いて行く気はしないけれど)には,コアラとかシネマ館とかJAMなどがあるのだが,ついでに借りようと思った『マリー・アントワネット』は,それらの店には3本とか5本くらいしか置いてない。当然貸し出し中である。
 そんなわけで,普段からいちばん頼りにしているのは,この3店よりわが家から一番遠いVrex21である。貸し出し可能な『マリー・アントワネット』が3本も残っていた。
 『幸福な食卓』を見た後,『マリー・アントワネット』も見始めたのだが,残念,今日は『探偵!ナイトスクープ』の放送があるのだった。何しろ,この番組は週に見るテレビ番組3本のうちの1本なので,アントワネットさんより優先である。今日の映画は,1本半立てだった。
 『幸福な食卓』は,壊れかかった家族が再生していく物語である。気づかないところで人は誰かに守られているとか,家族には甘えればいいというようなフレーズがあったから,娘はまだこれからも甘えようという魂胆なのかもしれない。
 いずれにせよ,どこの家族にも予期せぬことは起こる。家族のおかげでうれしいこともあれば,家族があるからつらいこともある。まっ,それでも,それぞれの家族の代わりというのはどこにもないわけだから,時々後ろを振り返ったりしながら,前を向いて歩いていこうということなのだろう。
 わが家が揃って食事をしたのは,朝食ではなく夕食だったけれど。

2007年7月26日(木)ついボクが
 昨日も今日も良いことがなかった。というか,悪いことが続いた。いずれも,当方にも言い分があるのだが,相手側のシステム制度を振りかざされると,すいません,きちんと把握しておりませんでしたよ。社会のシステムのリテラシーは大事である。つい,では済まないのだった。
 お亡くなりになった河合隼雄さんの「ふたつよいことさてないものよ」の逆で,「ふたつわるいことさてないものよ」かと思っていたのだが,二度あることは三度目の正直かもしれない。明日も慎重に過ごすことにしよう。
 暑いわりには空も美しくなくて,靄っている。遠くの山も水墨画状態である。ついボクが撮って見た中国山地。

2007年7月25日(水)TシャツはM
 夕食中の20時ころに玄関のチャイムが鳴った。最初に出たつれあいに呼ばれ,玄関へ行った。投票活動に熱心な,お知り合いの方だった。
 そういえば,先日,推薦候補者の顔写真入り葉書が送られてきていたのを思い出した。「葉書を読みましたよ」とお伝えしたのだが,何だがいつもと違って歯切れが悪い。「色々と立場がおありでしょうが,よろしくお願いします」とあっさりと帰られようとする。
 それではと頭を下げて,ちょっと笑いがこみ上げた。ボクが着ていたのは,過日の電話作戦の際にもらった,Mではじまる英単語が5個も書いてあるTシャツだったのである。
 当然,訪問された方が薦めてくださる政党とは別の政党である。事前にお電話をいただいていればこんな失礼なことはしなかったのに,申し訳ありませんでした。
 しかし,笑える大人の光景である。失礼ながら,しばらく夫婦で笑いが止まらなかった。訪問された方が,自分が来るのを予測して当てつけに着ているなどと思われたりしていないことを祈っている。
 悪気はないんです。ホントです。で,投票は済んでいるんです。

2007年7月24日(火)迷信嫌い
 ロックの流れている店でランチを食べることにした。マスターはジミヘン好きである。さてどんなハード・ロックが流れているかと期待して行ったのに,キース・ジャレットさんの『THE CARNEGIE HALL CONCERT』の最終曲が流れている。拍手が延々と流されて,次にかかった曲は『ケルン・コンサート』である。
 ロックを聴きに来たのに,『ケルン・コンサート』の2曲目まで全部聴かせてもらった。おごそかできらびやかなランチである。ジャズへ返れというメッセージだろうか。
 そんなジャジーな一日の締めは,あらくれにほんかいさんにお誘いいただいた,Woong Sanさんのライブである。バックは若手日本人の皆さん。フロントの皆さんは,これからさらに成長されることだろう。
 ブルースは良い雰囲気である。が,最後の方はレオン・ラッセルさんやスティービー・ワンダーさんの曲の演奏だ。一番ハードだったのは,最後の『Superstition」』。スティービー・ワンダーさんの曲だが,この曲はジェフ・ベックさんの曲でもある。というか,ボクはジェフ・ベックさんの曲で育った。結局,ロック・ネタである。ライブはハードじゃないとね。
 寝る前にジェフ・ベックさんのギターを聴いて,今日も最後はロックでハードな一日だった。迷信には興味はないけれど。

2007年7月23日(月)音楽療法
 職場の机の上に,本屋さんが大胆に「Swing JOURNAL」を置いて帰られていた。8月新譜紹介のページをめくってみた。最初の方に,ロン・カーターさんやケニー・バレルさんの新譜が掲載されている。そのあとのレビューもまったく食指が動かない。先月も国内版は一枚も買っていないので,2か月続けて国内版CDに縁がない。聴いてみないと当たりはずれがわからない輸入盤を5枚ほど買っただけである。
 35年以上ジャズを聴いてきて,深みにはまるどころか,何だか最近は浅瀬をうろうろしているような状態だ。新しい人の名前もわからないし,素人同然。買うのも聴くのもロックが中心である。
 ロックの新譜はほとんどバンドのオリジナルで,予定調和というか知っているメロディはないのに,怖いモノ見たさで買ってみたくなるようなジャケットや音楽の指向性だったりする。ロケンロールの定型はしばりがゆるいので,何でもありのところが刺激的なのかもしれない。クスリがわりにもなって夜更かしもできる。
 ということで,夜中に「DIRE STRAITS」が流れている。ロックの方が気持ちよくスイングしているような気もする。どうも退行現象なのかもしれない。ジャズに帰るために,少し音楽療法が必要のようである。

2007年7月22日(日)選挙終了
 ジャガイモを掘ったり竹の地下茎掘りなどの畑仕事で半日つぶれた。おまけに,地下茎を掘っていた時にヘタをうって,唐鍬の柄がみぞおちにあたった。ボディーを殴られるというのはこういうことかという,いい経験をした。
 さて,来週は業務が立て込んでいて,日曜日は県外へ行かなくてはいけない。四国往復なので,選挙に行く時間のないことに気づいた。
 そんなわけで,つれあいと福祉文化会館へ期日前投票へ行ってみた。17時30分頃に会場到着。駐車場の案内をしてくださる若者がいらっしゃる。3階の投票所へ行ったら,投票する部屋の前にも若い女性が3名いて,笑顔で「こんにちは」と迎えてくれる。随分丁寧である。
 投票所である会議室の中には,これまた15名以上の関係者の方がいらっしゃる。投票する者の方が少ないので緊張するな。
 入ってすぐの受付で,期日前投票の理由に丸をつけたり住所氏名を記入。ノートPCの前へ行くと投票用紙がいただけるという段取りである。投票所の係の皆さんは,サービス業に徹していらっしゃって気持ちが良いのだが,選挙時の業務はバイト代もいいという話を聞いたことがある。これも税金だ。ちょっと人数が多いんじゃないの?
 投票を終えて会議室を出たら,出口調査に協力してくださいと,NHK関係者らしい女性が近寄ってきた。それぞれ皆さんご自分のお仕事をこなさないといけないのだろうと思い,正直に回答してあげた。
 畑の近くを通行された政党の車も2種類あった。みなさん29日に向かってそれぞれの業務をこなされているんだな。ごくろうさま。とりあえず,ボクの選挙はもう終わった。

2007年7月21日(土)盲腸だって
 若桜町に行った。目的は「カリヤ」についての調べ物だったのだが,駅に行ったら,納涼祭の準備で駐車場が利用できない。おまけに,岐阜と三河ナンバーの観光バスが駐まっている。若桜の納涼祭のために県外客がいらっしゃるのか。と思ったら,JTBのセッティングによる,行き止まり駅の旅らしい。
 郡家駅から若桜鉄道の2輛編成の列車に乗って,若桜駅までディーゼル列車の旅を楽しむご一行様のようだ。都会の皆さまの中には,時間もお金も余っている方がいらっしゃるのである。うらやましい。他人様の趣味は千差万別である。
 今年の6月からそんなツアーが売り出され,すでに1500名ほどの県外客があったのだそうな。駅の出口には銘菓「弁天まんじゅう」も並べられている。派手なピンクの法被を着たにわかガイドさんや,役場からも職員の方が駆けつけられ,かなり気合いが入っている。
 8月8日には蒸気機関車が兵庫県から運ばれ,若桜駅構内にディスプレイされる。頑張っているな若桜町。費用がかかるのでSLを動かす予定はないらしいが,ひとつ手前の駅との間を運行できるくらいに修復できないのだろうか。ディーゼル車輛よりさらにお客さんを呼ぶことができるはずだ。ボクなら借金してでも走れるようにするな。もちろん,煙のことや運転士さんやメンテなど,クリアしないといけない問題点も多そうだけれど。
 若者がいなくなっていく過疎の町に暮らす人々は,夢や希望を持つこともロクにないのではないか。もう誰もやって来ることがないだろうという家で寂しく暮らすのはつらい。人がたくさん来るようになればうれしいし,将来の希望や楽しみも増えるんじゃないのかな。地域の人々に夢や希望をもってもらうことは大事である。
 とはいえ,名物が「弁天まんじゅう」だけでは寂しいけれど。

2007年7月20日(金)心太
 17時40分から宴会だった。ボクの席のお隣の女性が,好きな食べ物話をされ,イギスとイガイとところてんが好きだったのだとか。何だか,いなばの昔の田舎の夏のおかずという感じ。
 ボクも田舎で育ち,似たようなものを食べて育ったので,イギスもイガイも好きなのだが,ところてんは少し苦手である。あの歯ごたえのない食べ物がご飯のおかずになるのがよくわからない。砂糖がかけられたりもするし。
 いなばでは,ご飯のおかずに並べられたりするところてんは,江戸育ちのつれあいにはかなりの驚きだったらしい。つれあいの実家では,晩ご飯のおかずにでることはなく,酢醤油で食べるおやつだったようだ。白玉あんみつなどの仲間というか,甘味屋さんのメニューだったと主張する。どさくさに紛れて,イギスは苦手とも告白。ああそうでしか,夫婦は赤の他人丼。
 黒蜜や梅シロップをかけて食べるところもあるらしい。同じ食材でも,地方によって食べ方の違う食べ物というのが色々あるようで,日本も最初からまとまっていたわけではないということが食べ物からもわかるのであった。

2007年7月19日(木)理性の育て方
 お店を出す際のチェック項目のひとつに,強い意思というか自制心というか理性があるかどうかということがあるらしい。今日のランチを食べたお店のマスターのお話である。
 「道路などで汗を流している人を見てみんさい,肥満体の方が少ないでしょおお。それに比べ,飲食店経営者には,恰幅が良かったり手が震える人の多いこと。いつでもそばに食べモンや飲みモンがあるけですけえ。」
 なるほど,いつでもつまみとお酒がある状態というのは,ボクのような,水とほぼ同じ割合の本能と,糖並みの理性で成り立っている人間にはかなり危険な環境である。残りは僅かばかりのタンパク質と20%前後の脂肪なのだから,メタボ柔道一直線である。
 ここのところ,夕食後に,ケーキやビスケット(マリー)を食べながらコーヒーを飲むという生活を送っている。どうもたまったストレスを甘いものを食べることによって解消していこうと身体が考えているようである。糖と一緒に理性が増えるといいのだれど。
 それにしても,糖とストレスを交換して元は取れるのだろうか。理性を育てる道のりはなかなか遠そうである。

2007年7月18日(水)じゃずるじゃずればじゃずらぼ
 「コンパ」「コーチャン」「亜希良」「ジンバブエ」「ソロ」「はいから亭」「ソンブレ」「5ペニー」。今日のジャズ・ラボで飛び交った,昔のいなばのジャズを聴かせるお店である。今も続いているお店もあるけれど。
 「亜希良」のマスターがお亡くなりになった時に,いなばのジャズ喫茶などの歴史をまとめておこうと思っていたのだが,なかなか進まない。今日は,そんなボクの知らないお話をたくさん教えていただいた。「コンパ」とか「ジンバブエ」って,初めて聞いた店名である。銀行員さんがこっそり経営していたお店もあるらしい。昔のことをよくご存じの方は,ぜひ教えてやってください。
 さて,今日はレアなヤフオク落札商品が中心のようだ。中には5000円以上のCDもあるらしい。不勉強のボクはアーチスト名もさっぱりわからない。この歳になっても勉強しなくてはいけないことがたくさんあるのだ。学ぶほどに「無知の知」を自覚することができる。ありがたいことだ。
 こんなに楽しい会なのに,参加者は10人にも満たない。世の中の皆さんは,もっと楽しく有意義な夜をお過ごしなのだろうか。

2007年7月17日(火)へんですぜぐれてやる
こども1「今日は劇を見に行くんだよ。」
ボク「何の?」
こども1「赤頭巾ちゃん。」
こども2「ちがうよ,アンゼルとグレーテルだよ。」
ん,どっち?
先生にお聞きしたら,「ヘーゼルとグレーテルですよ−。」
えっ?「ヘンデルとグレーゼル?」
「ちがいます。ヘーゼルとグレーテル!」

 ボクはいつ読んだんだったろう。
 捨てられた子どもが賢く立ち回る,お菓子の家や魔女が出てくる話だったと思うのだが,そんな物語も子ども達に見せてやるんですねえ。最近は,怖い親もいるからみんな賢くなろうねと園でもサポートされているのだろうか。それとも,子ども向けにメルヘンチックにアレンジしてある劇なのか。
 飢饉による口減らしを描いたものだとか,魔女はナポレオンだとか,物語が作られた時代背景や物語に込められている思いもあるのだろうが,DVなどの経験のある子が物語をリアルに感じて悲しい思いをしないことを願うばかりである。「ぐれてやる」などと思わないようにね。

2007年7月16日(月)地震お見舞い申し上げます
 柏崎には,学生時代に高円寺で遊んでもらったお友達が住んでいる。小千谷には,つれあいの友人の実家がある。連絡をするのだが,例によって携帯電話はつながらないし,家電同士もつながらない。やっと,21時30分につながった。
 ガスと水道が使えないけれど,電気は使えるらしい。友人の家は山側にあるのだが,海側の住宅地の被害が甚大だったのだとか。地震の多い東京や新潟で暮らした彼が,今までに経験したことのないような大きな地震だとおっしゃる。余震の不安の中で,食事の準備や風呂に不自由しているようだ。頑張ってね,と声をかけることしかできなくて申し訳ない。安全第一で過ごしていただきたい。
 米子の地震の後は水や保存食を保管していたのだけれど,いつの間にか保存食を食べてしまい,現在わが家には保存食も水もないらしい。なめたらいかんぜよ。水とガスが使えなくて陸の孤島になっても,3日くらいは生きながらえることができるような態勢にしておこうと話し合ったのだった。
 そんなわけで,3連休の最終日は第65回の短歌会だったのだが,今日は地震のお見舞いでした。
 歌会終了後,とりあえずオーバー・ジェスチャーをせず,フラットなことであっても平凡に終わらせないような歌作りをしようと思った。思っただけに終わるかも知れないのがつらい。

2007年7月15日(日)The Departed
 『Infernal Affairs』は3本とも丁寧に見たので,『The Departed 』も見ないわけにはいかない。スコセッシさんだし。「無間道」というニュアンスはアジアの人間には何となくわかる。どこまで落ちていくのか不安な葛藤の様子は「本家」の方がよく伝わってきたな。
 とはいえ,ニコルソンさんの怪演ぶりはすごい。ディカプリオくんも熱心に演じていて,デイモンくんとそれぞれのネズミぶりがいつばれるのかとハラハラドキドキを楽しむことができる映画である。アカデミー賞に相応しいか,他人様に絶対お薦めかどうかは別にして。
 そんな内容はさておき,はじまりの音楽はストーンズの『ギミー・シェルター』。途中に,オールマン・ブラザース・バンドやピンク・フロイド(ロジャー・ウォータースさんだけど)の演奏があって,ラストがロイ・ブキャナンさんである。さすがロック好きのスコセッシ監督だ。ハイ・センスな選曲だと思うな。
 とりわけ,こんなことでもなければ日々忘れ去られる一方だったと思われるロイ・ブキャナンさんの演奏がラストに残してあったのがうれしい。
 ロイ・ブキャナンさんのギターを聴くための映画でもあったのである,ボクにとっては。曲名は『Sweet Dreams』。デビュー・アルバムの1曲目に収められている切なく甘い官能的なギターである。
 演奏中もビール等を飲みながらというアルコール好きで,最後は48歳で自殺されたロイさんのレクイエムとしては絶妙の場面でのBGM使用だったのではないだろうか。ブキャナンさんには『メシアが再び』という名曲があるのだが,やってきたのはメシアではなく,ギターの神様だけだったのがお気の毒である。
 シェルターもないしメシアも期待できない。せめて甘い夢のいくつかを抱いて生きていくことにする。

2007年7月14日(土)がんばれヤンキース
 飲んでいる席で選挙の話題も出た。法曹関係やらゴルフ関係やら教育関係の皆さまの話になって,いずれも何だかなあというご感想。
 とりわけ,再生会議の室長になっていた方への風当たりが強い。責任というのはどうなっていますの。
 有名になられることになった昔の話は詳しく知らないけれど,教育委員や大学准教授,教育再生会議委員と,なかなか軽快なフットワークで階段を上っていらっしゃる。
 向上心や上昇志向というのは,人のモチベーションのひとつでもあるし,成功は喜ばしいことだ。これで,2週間もすれば参議院議員さんというおまけもつくことだろう。これ以上は,フロアもそう残ってはいないのではないかと思われるような上り詰め方である。
 昔は日教組に所属し赤旗に原稿を書いていたとか,熊本ではよく遊んでいたらしいなどと週刊誌にやっかみ気味の突っ込みを入れられても,上ってしまえばこっちのものである。
 ヤンキーやってて,よろしおましたなあ。立ち回りや階段の上り方も学べる場なのかもしれない。
 それにしても,ルールからはみ出したりしながらもがいてる子ども達とは随分遠いところに行かれてしまったような気がするのだが,子ども達からみれば階段を踏み外しているようには見えないだろうか。それとも輝くヤンキーの星なのか。
 まっ,ボクは野球やヤンキースにはあまり興味はないけれど。

2007年7月13日(金)台風接近中
 ストレスの溜まっていると思われる方々と,男性ばかりの飲み会を開催。
 そんなメンバーの集まった宴会は,罵詈雑言の雨風嵐のサイクロンというかタイフーンである。
 やっちゃいけないことを人はやるもんで,儒家の皆さんが,「自分がされて嫌なことは他人にしないようにしましょう」とおっしゃっても,人は頭に来ることや妬ましい気持ちを悪口に包んで大気中にはき出すと,腹の虫が治まったりするものだ。限定内のグループでの会話が楽しいのは,その辺りのお互いの共通理解があるからだろう。
 とはいえ,もちろんほどほどにしないとお里が知れる。理性のある皆さんだから,思っていることの半分も言っていないんだろうな。
 あれで半分かよ,と言われている方々が聴いたら怒られるかもしれないけれど。
 ホント,飲み会に誘われたら断ってはいけないのである。いないと何を言われるかわからなかったりするジェイソンの日なのだった。

2007年7月12日(木)どこへのドア
 朝方の県庁前は大変にぎやかだった。というか,うるさすぎである。仕事に支障が出るほどだ。とりわけ,大声で立候補者の名前の連呼ばかりしていた某議員はひどい。元々そんなもんだろうと思っていたので今さら驚かないが,県庁界隈の皆さんも呆れたことだろう。参りました。
 政治はさておき,『大人のロック!』の夏号に,ドアーズのキーボード担当レイ・マンザレクさんのインタビュー記事があった。懐かしい。最初に買った洋楽ドーナツ盤は『ハロー・アイ・ラブ・ユー』である。次の『タッチ・ミー』もポップな作りで,中学生のボクはすっかりドアーズ・ファンになった。評価はあまり高くないけれど,ブルージーな『モリソン・ホテル』がいちばん何度も聴いたアルバムである。
 『知覚の扉』からつけられたというバンド名の由来を知ったのはミュージック・ライフを読むようになってからだが,合わせて,向こうでは下半身露出という過激なライブをやっていると知って,純情な高校生のボクはおったまげたのだった。
 そんなドアーズのボーカル担当のジム・モリスンさんは,ジミヘンさんとジャニス・ジョプリンさんが亡くなった1970年の翌年にお亡くなりになった。何だかすごい時代に生まれ合わせていたのである。
 ところで,マンザレクさんの読者へのメッセージは,「人生を楽しめ。長く生きろ。酒は飲み過ぎず,タバコを吸いすぎず,恋人や家族を愛し,この惑星にとって良き人であれ。」だそうだ。ジム・モリソンさんが聴いたらビックリするだろうな。さすが,大人のロックである。
 大人になってしまってはいけないこともあるのかもしれない。

2007年7月11日(水)破れ鍋に綴じ蓋
 ということで,愚痴やら不満の多い日々の記録を読まされる方は面白くないことでありましょう。せっかくのぞいてくださっているのに。すいませんねえ。
 もっと,楽しいネタはないのか。社会の良いことや出会った人の良いところを探して書いたらどうやねん,と自分につっこみを入れてみるのだが,自分の良いところはいくらでも探せるが,他人の良いところを探すのは,結構難しい。
 身近なところで,毎日顔を見ている(正面から見たのはいつのことだったか思い出せないが)つれあいの良いところって何だろうと思ったりしてみた。よくわからん。ボクの方が良い夫だと思っているのだが,つれあいは自分の方が良い妻だと断言する。似た者夫婦である。
 他人様の悪いところは頭を使わなくてもわかるけれど,良いところはかなり意識して観察しないとわからないものらしい。夫婦であっても。困ったものだ。
 さて,明日は参院選の公示日である。連合の会長さんの最初の街頭演説は鳥取駅前だそうな。民主党の小沢さんも,昼過ぎから郡家で街頭演説をされるとか。何で郡家ですの?という気もするのだが,注目の選挙区のようだ。良いところや悪いところをしっかり観察する17日間のはじまりである。
 良いことばかりおっしゃるんだろうな,皆さん。

2007年7月10日(火)たまには疑いたまえ
 昨日は,外の電話を3本受けたのであるが,論理の通じない方の他に,あまりに道徳的なというか儒教の影響というか,そんな教育を受けたことに何の問題意識も持っていらっしゃらない年配の方のお相手もさせていただいた。
 見事なまでに良識や正義に溢れた方なので,内省とか逡巡するといったこととご無縁なのである。そんな方にとっては,社会や国を疑うなどというのはあってはならないのかもしれない。もうほとんど宗教のようだ。そんな皆さんが今までのこの国を支えてきていらっしゃったんだなあ。ありがたいことである。
 何はともあれ,恋をしている人と宗教に熱心な人と疑うこともなく教育を受けた方と話をするのはボクは苦手だ。ボク以上に信じる人がいらっしゃるわけだから,そんな人達にとっては目の前のボクはゴミのようなものなのである。
 受話器を持ちながら,もう頭を垂れるしか術がないのでありました。

2007年7月9日(月)反省はサルに任せて
 筋道を追ってロジカルに説明したつもりなのに,理屈や話をご理解していただけない方というのはそこここにいらっしゃるらしい。そんな方とどんな言葉を交わせばいいのか分からなくてちょっと困った。職場の外の人の話であるが。
 何しろ,円滑な関係性を維持していくことより,責任を他者に転嫁したり他者を攻撃することによって自己防衛を図ることが思考の中心なのである。コミュニケーション能力で大事なのは読み書き笑顔だと思っているのだが,世間の皆さんがそう思っているわけではないのだろう。
 できたら,関わらないのが一番だ。弥生町や遊びに行った先では当然スルーするのだが,業務上ということになるとそうもいかない。ボクは時々のことだけれど,世の中にはクレーマー対応を日常業務にしていらっしゃる方もいるんだろうな。ご苦労お察し申し上げます。
 結局,誰かのせいにして生きている人は,反省とか客観的自己認識などというものには無縁だ。中華思想のようなものか。それはそれでうらやましいことである。
 反省だけならサルでもできるというは,もちろん嘘だ。ヒトでも反省は相当難しいのである。といいつつ,我が身を省みもせず今日も勝手なろぐだ。反省はホント難しい。

2007年7月8日(日)楽しくせんとや
 労働者のスポーツ大会のうち,昨日は軟式野球,今日は卓球とバドミントンの試合が行われた。今日は早く出かけて,ネット張りやラインテープを貼った。県民体育館のメインアリーナを借り切っての大会なのに,参加チームは5チームである。機器の使用料も含め経費は約23000円。
 それにしても,日曜の午前8時30分だというのに布勢の駐車場にはたくさんの車が止められているし,トレーニング・ルームではベンチプレスやウォーカーで汗を流している方が10人以上いらっしゃる。スポーツ好きの方がナント多いことよ。ああ,ボクは日曜の朝は10時まで寝ていたい。健康は,食べ物の調節で維持したいんですぅ。
 そんなわけで,体育館では皆さん軽やかな動きをされているのだが,ボクはスリッパにジーンズでキースのTシャツというやる気のなさ。皆さんのお世話をさせていただくだけで,ボクには十分の汗なのだった。
 お気の毒なことに,バドミントンの試合中にシューズが滑ってアキレス腱切断の疑いの方がいらっしゃり,試合中断。救急車で病院まで運ばれた。
 楽しいことは危険と隣り合わせである。無理はされませんように。って,危険が少ない分だけ,人生を楽しんでいないのかもしれん。

2007年7月7日(土)星なき夜の願い
 NHKの課外授業という番組で,原一男監督が小学生に自分の母親のドキュメンタリーを撮らせていた。ちょっと泣けた。
 原監督のお母さんはすでに亡くなられていて,ご自分ができなかったことを,小学生達にさせていたのだった。
 子ども達は,母に対する日常の不満をぶつけてみたり,出産の時の気持ちをカメラを向けながらインタビューしていた。
 人が自分の物語を綴り始める最初は,それぞれの母から聞き取るしかないのである。大きくなった子ども達に,その時のことや思いやその時に願ったことなどをきちんと伝えるというのが母親の大事な仕事なのかもしれぬ。
 原一男さんといえば,執拗に対象を追い続けるドキュメンタリー製作監督というくらいのイメージしかなくて,わが家には『極私的エロス』と『ゆきゆきて神軍』しかない。
 もう一度見てみようと思い,EUROPIAN JAZZ TRIOの『星に願いを』を聴きながら探したけれど,ビデオもあちこちに散逸していて,どこにあるんだか不明。
 来週末は,少し部屋の掃除や整理をした方がいいようだ。今度の土・日はゆっくり掃除ができますように。
 星も出ていないし,とりあえず今日も寝よう。

2007年7月6日(金)関係は常に危うい
 やっと週末である。探偵!ナイトスクープも,時間延長の特別ヴァージョン「アカデミー大賞2007」だ。のんびり見ながら1週間の疲れを取りたいと思うのだが,明日も出勤。明後日は,労働者のスポーツ大会のお世話係である。早く寝よ。
 ところで,カナダでお勉強中のコバちゃんは,宿題をするのにグレン・グールドをBGMに流すこともあるらしい。そういえば,吉野朔実さんの作品に『グールドを聴きながら』というのがあったはずだ。読みながら寝ようと探したのが,行方不明。探している時にあった吉野さんの『瞳子』を読み耽ってしまった。
 「人との距離の計り方というのは難しい。肉親ならば,なおさらのこと。−たとえば 母親...」というコマで始まる短編集である。「人はその人にふさわしい人生を生きる。必要の無い能力は開発されない」とか,「好きなものが同じより,嫌いなものが同じ方がいいような気がするんだ」とか,ホントかあと思わせるようなフレーズに少し考え込んでみたり。
 いずれにせよ,女性(ヒト?)は母親と自分を客観視し,依存や反発を重ねながら成長していく存在なのだなあと思ったりして,樹村みのりさんがかつて表現されてきたテーマが繰り返されているのだと改めて感じたのだった。ああ,もう1時を過ぎた。グールドはまた今度。寝よう。

2007年7月5日(木)ハチクを止めて
 20時ころの晩ご飯の最中に訪問客。ご近所の幼稚園の先生だった。幼稚園の先生も遅くまで働いていらっしゃるのである。ごくろうさま。明日の朝,畑の笹を切らせてくださいとのこと。七夕飾りに使われるようだ。ああ,何本でも切ってください。全部切ってもらってもかまいませんぜ。「ハチクを誰かが全部抜いてくれますように」というのが,今年のボクの短冊に書く願いでもいいくらいだ。
 30年以上前に母によって植えられたハチクは,隣の畑や隣の庭にも進出して,畑のお隣のご主人さまに一度ご注意を受けたことがある。広がらないように,時々地下茎の一部を抜くのだが,中途半端な仕事なので,しばらくすると思わぬところからタケノコが顔を出してくるのであった。
 庭や畑には竹を植えない方がよい。中途半端な仕事もやめた方がよいけれど。竹と同じように地下茎が横に広がっていくのが,ナツメだとかハーブ類。横に広がるだけでなく,わが家の庭のほったらかしのミントはボクの背丈より高い。植えるのは簡単だが,気がついた時には大変なことになっていることも多いのである。
 とはいえ,先のことを考えて行動するというのは大人だってなかなか難しい。園児のみんなはどれくらい先のことを思って願いを書くのだろう。って,字が書けるのか?今時の幼稚園児は。先生がお書きになるのかな。
 わが家の笹にどんな短冊がつり下げられるのか,ちょっと覗いてみたい気もするのだった。

2007年7月4日(水)ああせんとこんせんと
 新幹線の東京大阪間が5分短縮だとか。飛行場まで行くことを考えたら,時間的には大した差はなさそうである。もうJR東海は安泰だと思うのは,飛行機嫌いの勝手な思い込みだろうか。
 JR東海の収入の85%は新幹線収入らしい。おいしい路線を握っていると,収入に困らないのである。室町時代に,道路から「関銭」を取って富を築いたという日野富子さんのような上手なご商売である。
 ところで,この構図は地元の智頭急行と同じだ。路線内だけの乗降客数は知れているはずだ。そこを通らないと関西方面へ行けないということだけで安定収入である。切符は鳥取駅などのJR西日本の駅が売ってくれる。おいしい商売で,まずはめでたい。
 「スーパーはくと」がリニューアルされたというニュースもあった。座席は鳥取砂丘の風紋をイメージした模様を使い,枕カバーに鳥取砂丘や三徳山投入堂等のイラストも入れてあるらしい。洗面所に因州中井窯の手洗い鉢,倉吉絣のカーテンや因州和紙と智頭杉を用いた照明を設置等と続くが,できれば座席にコンセントを用意していただけると充電し忘れたツールも安心して使える。枕カバーやカーテンより優先的に考えていただきたいな。
 現在は黒字の智頭急行であるが,鳥姫線が開通すれば利用客が減るだろう。関西圏だと今でも車を利用しているボクには,鳥姫線は有難い。が,飛行機を使わないで東京へ行くことを考えると,「はくと」がなくなると困る。5時間で東京へ行けるというのは,7時間以上かかっていた30年前のことを思えば隔世の感がある。飛行機を使うのとほとんど変わらない(ようにボクには思える)。
 鳥姫線が完成しても時々は乗せてもらう予定なので,本数を減らさないよう頑張っていただきたいものである。

2007年7月3日(火)辞任仕様
 天声人語に,「しょうがない」についてのコラムがあった。『雨が空から降れば』が引用されていて,手の打ちようがないという定義が与えられている。
 まだ元を取るほど使っていない「パピルス」内蔵のスーパー大辞林だと,「仕様がない」は,他によい手段がない,やむを得ないなどとある。久間さんはしょうがないを使うしか思いつかなかったのかね,原爆に対して。戦争では何があってもしょうがない。日本が核兵器を持つことも世界の流れから考えるとしょうがない。というようなお考えをお持ちの方ではないかという妄想が浮かぶほど,脳内が透けて見えるようなご発言である。発する言葉にもっと自覚と責任を持たないとね,それなりのポストにいらっしゃる方は。辞任もしょうがなかとですね。
 さて,例によって積極的に反省の言葉を発しない任命責任者の方は,「原爆の惨禍にあった長崎について,(久間さんが)自分としては忸怩たるものがあるという被爆地としての考え方も披歴された。」と発言されていた。
 ちょっと意味が分かりにくかったので,これもスーパー大辞林で調べてみた。忸怩は,自分の行いについて,心の内で恥じ入るさまとあった。言葉は変遷していくので辞書通りではないこともあるだろうが,美しい日本を提唱される方の日本語が時々よく分からなくなる。久間さんは,被爆地長崎を恥じていたんですの?慚愧といい,忸怩といい,難しい言葉がお好きなんですねえ。そんなに美しい文字には見えないんですけど。
 スーパー大辞林をさらにみると,「仕様がない」には,あきれるほどひどい,手に負えないという意味もあるようだ。お二人とも仕様がないんじゃありません?

2007年7月2日(月)瞬間ポスト
 電話作戦に続き,今日は勤務後にポスティングである。500枚のリーフレットを預かっているので,手分けをして配布。1時間ほど指定地域のポストをめざして歩き回った。いゃあ,いい汗をかかせてもらった。発泡酒がうまい。
 ポスティングはこれで3回目の経験であるが,今回は職場近くが配布対象だったので,結構大きなおうちが多い。門からポストまでが遠かったり,ポストのあるところまで階段を10段以上のぼるおうちもあったりで,郵便屋さんや宅急便屋さんのご苦労がしのばれる。それでも,ごくろうさまと声をかけてくださる方もいらっしゃって,ありがたいことである。
 そんな中,殊の外感じが悪かったのが,ラウドな犬が2匹もいたおうち。2匹揃ってこれみよがしに大声で騒ぎまくる。おじさんはこのクソ暑いのにネクタイ締めてんだぞ。無駄吠えだろう。しつけはしてないんですの。
 と思ったが,もしかすると以前ネクタイオヤジに悪さをされたトラウマがあるのかもしれんな。不審人物だけに吠えるようにしつけてあるのかもしれないし。すいません,このクソ暑いのにネクタイをした不審者でした。結局,ポストに入れるのはあきらめたが,書留などでハンコをもらうお仕事の皆さんは大変そうだ。
 自分が吠えたおかげで怪しいオヤジを追い返したぜ。いい仕事をしたワン,と思っているのだろうか,お犬さま方は。ボクの発泡酒よりうまいものを飲ませてもらっているのかもしれない。クッソー。

2007年7月1日(日)でんわ
 今月末は選挙である。ここのところ選挙関係の集まりが続いていて,今日は,支持者カードを元に,紹介された皆さまのおうちに電話をかけるという業務だった。ボクは,午前10時から100軒ほどに電話をかけさせていただいたのだった。ジャスコ北店が20%引きをやっているからか(知らんけど),午前中なのに留守のおうちが多い。3割くらいが留守電やお留守だった。残念。
 以前の選挙では,コピーした電話帳4ページ分を渡され,手当たり次第に電話をするというクレージーなミッションだったこともあるが,何しろ紹介された方への電話なのでお気楽である。ありがたくもない迷惑電話の一種だと思うのだけれど,大半は頑張ってくださいという大人の対応をしてくださる。声だけの対応は,そのおうちの余裕度が見えてくるような気がした。わが家も注意した方がいいかも知れない。何はともあれ,電話を受けていただいた皆さん,ありがとうございました。
 さて,電話で支持をお願いする候補者をボクが心から信頼しているかと言えば,いやまあそのなんといいますかあれです。よくわからない。2回ほど宴席でもお会いしたことがあるが,多分お友達にはならないタイプの方だ。それでも,そこから受信する情報もあって,たとえば「あの方」の頭の中の大半は「憲法改正」であるとか。
 そんなわけで,個人を支持するという要素よりも,そんな「あの方」等への反対票という選挙なんです,ボクの場合は。


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