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いなばろぐ「べんとーさん忘れてもかーさん忘れるな」の,雨と無知との遭遇いなばにあん日記。

今日のろぐはトップページにおいてあります。

2007年12月31日(月)よい明日を!
 届けられた郵便物の宛先の横に,鉛筆で十字と小さな丸がつけてある。わが家の位置が記されているようだ。自転車に乗っているアルバイトの若者が配ってくれたのだろう。ありがとね。道路脇に郵便受けのある家ならいいのだろうが,わが家は自転車をとめて私設ポストまで足を運ばなくてはいけない。そんなことまで考えて家を建ててなかったよ。ごめんね。
 年賀状が終わったら部屋を片付けると言ってあったのだが,どこから手をつけていいのかわからなかったのでやめた。すまぬ。ボクの周囲をちょっとばかり小綺麗にするより,音楽を聴いて自分の中を清々しい身体にしておいた方がよいと思ったんだよね。...。地雷に注意。
 ということで,地雷を避けながら音楽を聴いたのだった。新しく封を切ったアルバムは,TIGRA HAMASYAN TRIOの『New Era』だけで,あとは馴染んだアルバムばかり。デビッド・ギルモアさんの『On An Island』や,クリムゾンの『Island』や,フロイドの『狂気』とか。それと,『Waltz for Debby』と,『Melody At Night, With You』。予定調和は気持ちがよいな。
 昨日聴いたイエスの『CLOSE TO THE EDGE』は,今日も聴いてしまった。最後はこんなフレーズで終わっていく。
 Seasons will pass you by.
 I get up.
 I get down.
 季節がうつろうということは,その人のよい時期も過ぎていくということだ。旬を大事にしないといけないのである。35年前にイエスが教えてくれていたはずなのに,忘れていたよ。ボクの旬は終わっているな(というか,あったのか?)。くっ,つらい。
 ということで,今年はこれでおしまい。おつきあいいただいたみなさまありがとうございました。これからもよろしくお願いします。ある日更新が止まっているかもしれないけれど。
 では,これから除夜の鐘をつかせてもらいに行ってきます。
 みなさま,よい明日をお迎えください。明後日のことはさておき。

2007年12月30日(日)CLOSE TO THE EDGE
 朝から,年賀状の作成だ。
 問題はBGMである。切羽詰まった状況に合わせ,ダイアー・ストレイツというか,マーク・ノップラーさんのアルバムを4枚ほど流した。「DIRE STRAITS」は,「絶体絶命」のようなものなんです。イージー過ぎず,ヘビー過ぎず,丁度いい塩梅である。乾いたギターなのに,結構泣かせる。
 13時過ぎに完了。市内の皆さまには,年明けには届きそうな気がするけれど,小笠原にはいつ着くんだろう。...。まっ,危機は脱した。
 気持ちのよいノップラーさんのギターを聴いていたら,何だかソニー・クリスさんが思い浮かんだ。どちらも何か新しいことをやった人ではないけれど,悲しい音作りが上手である。音楽シーンには革命的な影響は与えなかったかもしれないが,その人しか出せない印象的な音の出せる人達だ。そんなミュージシャンも貴重である。
 危機を脱したので,久しぶりにイエスの『CLOSE TO THE EDGE』を流した。こちらは,ロックの世界で今まで人のやってないことをやろうという野心丸出しの1972年のアルバムである。5人のメンバーが,新しい世界へ行こうぜという明確な意思を持って作っているアルバムだということが,最初から最後までビシバシ伝わってくるプログレの名盤中の名盤である。18分の曲とは思えないほどすぐに終わってしまう,キラキラと音が輝くテンションの高い演奏だ。10代から世話になったアルバムのひとつだが,今でも曲の最後になると胸がいっぱいになるね。
 その後のイエスは,この作品以上のものは作れなかったと思うな。人は行こうとするところまでしか行けないものだ。邦題を『危機』とつけられたアルバムでたどり着いた場所のあと,彼らはそれ以上の場所が思いつかなかったのだろう。もちろん,『CLOSE TO THE EDGE』だけで十分すぎるほどなのだけれど。
 そんな時代に立ち会うことができて,とても幸せでしたよ。と思いつつハガキをみたら,宛先に,気高郡や岩美郡国府町という住所がプリントしてある。うーん,住所録の手入れをしていないからなあ。まっ,郵便番号があるから届くだろう。初笑い用にどうぞ,ということでそのまま投函した。まったく危機管理能力の低い男である。
 お詫びにおまけです。今週の「文春」の顔面相似形は笑えます。つれあいは小田さんの対話があって喜んでいたし。堀井憲一郎さんは,鳥取砂丘までリサーチにいらっしゃったようだ。ホント,いつまでも東西16kmなんて言わない方がいいよね。おっと,鳥取砂丘のイラストの川と道路が合体してますぜ。知らない人が見たら,わが家の近くの道路は川だよ。ということで,合併号を買うなら「文春」はどうでしょう。年賀状が完成したものだから,ついついダラダラと書き散らかしてしまいました。失礼。
 ところで,年賀状の内容は大丈夫なのかね?EDGEのそばかも?

2007年12月29日(土)カモ鍋の日
 今年最後の忘年会は,カモ鍋。国産のカモが28日に入るということで,招待されていたのであった。ネギもいいのがあるし,お酒もあるらしい。持っていくものがないので,自家製の燻製を2つ3つと,柚子もちと,ケーキやホッピー(お酒が苦手な人用ね)などのジャンクを持参した。ジャンクしか揃わないわが家である。
 但馬の浜坂界隈の産らしいカモは,クセがなくておいしい。1キロ以上用意していただいたので,もう満腹である。「恐怖のミイラ」の話や「ジェスチャー」などのテレビネタ,ローマン・オリンピック・ネタ(ボクは覚えがないけれど)や,ボタンや大きなビーズを子どもが鼻に詰め医師のお世話になった話などで盛り上がった。話題が共有できる人がいるというのはありがたいことである。えつこさんとあつしくんありがとね。って,順番はこれでいいのか?あつしくん。青谷の(パートナーが)こばやしさんもありがとうございました。お酒が強い人がいるというのも大事なことである。
 さて,そんなわけで,帰宅時間は予定を大幅に過ぎていた。何とか,今日のうちに帰ることができたけれど。
 問題は年賀状である。
 とりあえず,最優先はおつれあい様のハガキだ。明日はがんばるからね。
 この時期,郵便局界隈は渋滞していることだろう。年末は,余裕のないみなさんがスピードを出したりイライラしているから,車の運転はいつも以上に慎重にしないとね。
 年賀状は早めに,スピードは控えめに。

2007年12月28日(金)餅つきの日に
 起きれば元気になっているかもしれないと期待していたのだが,風邪をひいているのに夜中まで遊んでいて老体がそう都合よく回復してくれるわけがない。首筋や肩の辺りがかなり凝っていて,身体がだるい。起きて熱を測ってみたら,37.4度である。昨夜が遅かったので,つれあいは,あんたとはつき合いたくないとつれない。年末に追い出されると困るな。何でもしますだ,お代官様。
 と言いつつ,今日は13時から今年最後の短歌会。「餅をつくんだけど」というおつれあいさまの声を背にして会場へ向かうのだった。すみません,越後屋なんです。
 そんなわけで,いつも以上に頭の働きが悪いことだろう。どれくらい出来が悪かったかは帰ってからのお楽しみである。って,誰も楽しみにしていないと思うけれど。何はともあれ,餅つき頑張ってね。おいしい柚子餅を楽しみにしているよ。
 *****
 21時45分に帰宅。熱は,朝と同じ37.4度だった。平熱なのだろうか。
 歌会では,チャレンジングに難しい歌の読みに挑戦してみたのだが,例によって甘さが露呈されただけかも知れぬ。すみませんねえ,数だけでなく質もあげることを来年の目標にしたいと思いましたよ。
 今年の自選1首とか,師匠の1首とか,今年発表された全短歌から1首とか,通常の宿題の他にもたくさんお楽しみを作っていただいたので,とても充実の歌会でした。いつもありがとね。次回が70回目である。

2007年12月27日(木)午前様
 忘年会をするのも今のうちである。
 ボクはありがたいことに今日から忘年会3連発。誘ってくださる方があったり,忘年会ができる関係があるというのは,大変ありがたいことだ。夜の学校,弥生町から学ぶことは多いのである。人との関係に使うお金はケチってはいけないよね。
 そんなわけで,今日の帰宅は2時15分だった。楽しかったのである。朝から風邪で身体がだるくて,鼻水を垂らしながらの宴会だというのに。しんどそうに見えるはずだと自分では思っているのだが,誰も心配してくれない。自分の身体は自分で守るしかないのである。よくわかった。
 今日は,小さな部署の忘年会だ。外部からゲストをお招きしてある。とても盛り上がった。ゲストは,わが職場の監督担当で,苦情のメールなどに丁寧な回答を書いていらっしゃる方だ。よくご出席いただきましたねえ。誘ってみるモノである。ありがとうございました。オフレコもあれこれ。
 「皆さん,パワーがありますなあ。」と感心された。元気はよいのである,わが部署のメンバーは。放っておけば,朝まで帰してもらえないかもしれないくらいだ。そんなわけで,鼻をぐずぐず言わせているボクは,ごめんなさいをして帰してもらったのだった。
 さて,明日も遅くなりそうである。年賀状はいつ作るんだね?

2007年12月26日(水)HAPPY GO LUCKY
 昨日も今日も印刷所に詰めていたのだが,ストーブの換気が十分ではなかったようで,喉が痛くなり夜は鼻水がでる。ティッシュ・ボックスを抱えた生活である。どうも抵抗力が落ちているようだ。印刷所の皆さんはよい方ばかりなのに。
 さて,ジャズを聞き始めた頃からあまりにも有名すぎて意外に聴いていないような気がするな,オスカー・ピーターソンさん。わが家にはアルバムがたった6枚しかない。素人なんです。コロコロ明るい演奏が多いし,演奏時間の短い曲も多いので,あまり真面目に聴いてこなかったかもしれない。
 というか,ボクの学生時代には,ピーターソンさん絶賛派と反対派の論争があって,ボクはちょっと反対派の教授に賛同していた時期がある。何だか1972年頃のピーターソンさんは不遇だったような気がするのだった。
 ピアノ・トリオの作品が次々と制作される昨今では,とてもピーターソンさんまで手が回らない。こんなことにならないと聴かないというのは,熱心なファンではなかったということなのだろう。いや,楽しい演奏だとは思うんですけどね。
 お馴染みの『WE GET REQUESTS(プリーズ・リクエスト)』より,『PLAYS』の方をよく聴いたので『サテン・ドール』を流してみる。キラキラとした演奏で,何だかお金がかかりそうな女性が街にいるようすが伝わってくる。ついでに,レッド・ガーランドさんの『SATIN DOLL』も聴いてみたが,こちらは少し抑えた演奏である。それでも,ボクはどちらの女性も声をかけられそうにはないけれど。
 明るいピーターソンさん達より,どうも暗めのエヴァンスさん等の演奏の方が性に合っているのかもしれない。
 トロント郊外で23日にお亡くなりになったそうだ。あちらでも陽気にご活躍されるのだろう。『WEST SIDE STORY』を聴きながら,追悼させていただくことにした。お疲れさまでした。

2007年12月25日(火)カレー・クリスマス
 年末の業務繁忙期につき,わが家は弁当製造停止期間に入った。そんなわけで,今週最初の昼食は,カツカレー。職場近くのお店で,マスターがお作りになったものをお任せで食べさせてもらっている。料金はワンコイン。で,いつもの通りお任せで食べて帰宅したら,つれあいがカレーを作っていた。「ああ,昼もカツカレーだったよ...。」
 「大丈夫,お肉はもも肉の安いやつだし,うちのはおいしくないから。」って,どういう意味やねん。障子張りで疲れ,食事を作る気力が低下したらしい。1日に2回もカレーを食べて,カレールー消費量トップを目指す(目指しているのか?)市のために貢献している,安上がりなお任せ人生である。
 夕食後は,つれあいのご計画通り,もち米や発泡酒やお届け物等の重たい商品を買いに行かされた。灯油5缶もついでに。
 せっかくのクリスマスの夜の買い物なので,ご近所の電飾を撮影してから買い物へ行くことにした。
 砂丘の電飾見学帰りの方が多いようだ。9時を過ぎているのに車が多い。おうちの前には,焼き芋屋さんの車や若い女性が3人乗った軽自動車が止まっていて,電飾を楽しんでいらっしゃった。
 衛星から見た地球の夜は,ヨーロッパやアメリカだけでなく,日本も中国沿岸部もインドも明るい。ご近所で暗いのは北朝鮮なので,明るい韓国は中国と日本の間の島のように見える。そんな写真を見ると,夜にやたら電力を使うのもどうかと思うのだが,火や明かりを見るとボクはわくわくしたりもするのでちょっと困ってしまうのだった。何はともあれ,北朝鮮は地球に優しい国である。えらいね。根性のないボクは住めそうにないけれど。
 さて,買い物はちょっとした面白い話があったのだが,書けばつれあいに怒られそうである。とりあえず,セルフでプリカ利用の灯油18リットルは約1555円だった,ということだけを備忘のために書いておくことにする。

2007年12月24日(月)Do They Know ?
 珍しいことに,昨日までクリスマスの楽曲を流していなかった。クリスマスどころではなかったということがよくわかるな。
 朝のテレビ番組で,クリスマスの曲と言えば,というアンケートのようなものをやっていたので,1年ぶりに自家製編集アルバムを流してみた。
 1曲目は,ブライアン・アダムスさんの『Christmas Time』で,2曲目はBAND AIDの『Do They Know It's Christmas?』である。BAND AIDの演奏は,1984年,1985年,2004年と3つのヴァージョンが入っている。U2のボノさんなどのアイルランドやイギリスのミュージシャンが集まって,エチオピア飢餓の救援資金を募ろうという,チャリティ・プロジェクトの作品である。宗教的なことはさておき,北と南の格差を音楽によって少しでも縮めようとする姿勢はとりあえずいいことだと思うな。
 2004年の演奏は,せっかくいい雰囲気のアコースティクではじまるのに,途中からラップや興ざめの電気音が飛び込んだりするので,1985年のライブがいちばんお気に入りである。
 簡単に入手できるのかと思ったら,ブライアン・アダムスさんのシングルCDは27500円って何ですの?アマゾン・マーケット・プレイス。責任者出てこい,である。もちろんBAND AIDの作品もすでに廃盤で,入手のためには少し余計なお金を払わないといけないようだ。いずれもクリスマスの名曲である。簡単に手にはいるようにしていただけないだろうか。クリスマスは愛の日である,多分。もう少し愛がほしいな。

2007年12月23日(日)ベストだんごインいなば
 いなばを離れて10年以上になる友人に打吹団子等を送ったり,東京の皆さんに安物のカニを送ったり,船橋からのお客さんをお迎えしたり,病院へお見舞いに行っているうちに,ああもう今日が終わる。明日が短歌提出の締切だというのに。明日早起きをして仕上げることにしよう。って,今やれよ,である。昔から,あすなろ物語の人生だったかもしれないと反省した。
 打吹団子と打ったら,何だか食べたくなったな。わが家用を買ってくればよかった。
 くだんの友人には,毎年の結婚記念日に,いなばの銘酒やふろしきまんじゅうや打吹団子を送っている。奥さんが喜んでくださっているらしい。いなば出身者だけでなく,打吹団子は結構女性に人気があるようで,つれあいが上京する際のお土産のひとつはいつもこの団子である。先日も,つれあいが持って行った団子をいきなり4本食べた女性もいらっしゃったらしい。ボクなら,一度に5本はいけるけどね。
 というような団子話を書くつもりではなかったのだが,書き出しのおかげで,こんなことになってしまった。いなばのお土産は打吹団子で決まり(伯耆産だよ),というのが今日書きたかったことだろうか?
 そんなわけで,今夜流れている音楽はKAREL BOEHLEE TRIOの『Last tango in Paris』である。ピアノだけでなく,ベースもドラムスもよく歌っている。団子がないのが残念である。しつこい。

2007年12月22日(土)カンパする人々
 午後から募金活動に行かなくてはいけない。寒いので気合いが必要である。久しぶりに,復活したスマッシング・パンプキンの『ZEITGEIST』を流してみた。昨日,還付金をたくさんもらったからね。
 ヘビーなギター・リフとまとわりつくようなヴォーカルが気持ちよい。ハードロックをしっかり身体に閉じこめて,カンパ活動に出かけたのだった。
 今年の募金活動は,ホームセンターの入り口前が担当場所である。基本的に,募金活動には全面的に賛成ではないのだが,組合のお付き合いでここ7年ほど毎年のように街頭募金に立っている。ホームセンターでお金が集まるんかいなと心配したのだが,これがびっくり。大丸はもちろん,ジャスコ北店でやった時より,皆さん次々と募金箱に小銭を入れてくださるのである。どうでもいいが,カンパ活動をお考えの方は,大丸界隈はやめた方がいいと思うな。ほとんど,時間の無駄である。
 さて,このホームセンター利用の皆さん,失礼ながらオシャレなコートを着た方は少ないような気がする。作業服や普段着の地味な服装の皆さんが,ユニクロのよれよれのコートを着て声を張り上げているオヤジの箱に次々とお金を入れてくださるのである。ありがたいね。
 おばちゃんやおじさんや家族連れだけでなく,ブレザーの制服の男子高校生2人連れも協力してくれた。店舗入り口前の横断歩道上に車が止まるから,何だよこんなところに止めるなよと思っていたら,車から降りたお母さんが募金箱にお金を入れてくれるんですぜ。お母さんはもちろん,助手席のお嬢ちゃんにもありがとうございましたと声をかけましたよ。涙がこみ上げてくるぜ。こぼさなかったけれど。
 買い物を済ませたあと,お釣りをそのまま入れてくださる方も多い。ホームセンターで買い物をしている時の方が,人は優しい気持ちになれるんですかね。募金場所がレジから近かったからだろうか。ボクがみすぼらしかったからか?当たり前だが,お店の種類や服装で人は簡単に判断できないのだった。
 何はともあれ,ご協力いただいた皆さんありがとうございました。今日は,ちょっといい気分です。そんな穏やかな夜の音楽は,TORD GUSTAVSEN TRIOの『BEING THERE』。ゆったりとくつろぐことのできるピアノである。

2007年12月21日(金)焼き鳥屋さん
 忘年会シーズンである。今夜は夜の街も大変にぎわっていたようだ。わが家の夫婦はそれぞれの職場の忘年会で,お互い夜遊びをしていたのだった。たまにはね。
 目隠しをして人の足に触り,その人を当てる「大根掘り」とか(さすが女性の職場である),100均の万歩計をいくつか用意し1分間で何歩になるか競ったり(体力も増強できる),氷を口に入れて伝言ゲームをするなどというのが,つれあいの職場の忘年会だったらしい。「結構毛だらけ猫灰だらけ」は「結婚するならイケメン男」になったとか。定番ビンゴ・ゲームは,つれあいのところは子どもの名前でボクのところは苗字だった。ちょっと似ていた。忘年会用に楽しいゲームがあれば紹介していただきたいものである。
 ボクは,職場の皆さんに「麻雀名人戦」に誘ってもらったのだけれど,ボロ負け。「焼き鳥」2回である(焼き鳥というのは,最終局の終了までに一度も和了できないという,他の皆さんのためだけに存在している男を讃える呼称!)。屈辱である。もう焼鳥屋さんも開店できるくらいである。今年も勝負事はさっぱり勝てなかった。マイナー・リーグに降格かもしれない。

2007年12月20日(木)会議は踊りもせず
 15時30分過ぎから20時51分まで会議だった。約5時間。トイレ休憩もなしである。しかも,結構集中して取り組んだので,さすがに疲れた。ウィーン会議のように,踊る元気はない。
 終了後に,日誌を作成して帰宅したら,もう今日の残り時間は僅かである。遅れるんなら,連絡くらいしてよねとつれあいに怒られたけれど,ゴメンね。そんな余裕はなかったのだ。こうみえても,仕事をするときはするのである。
 通常,長時間の会議は悪く言われることが多いが,今日の会議は目的が明確だし,下請けの委員会に丸投げするわけにもいかない議案だ。どうしてもそれくらいはかかるだろうという内容なので,まっ,納得の5時間である。時間のかかる会議が必要なこともあるのだった。
 とりあえずひとつ片付いたので,ちょっとうれしい。と思っているのはボクだけかもしれないけれど。皆さん,お疲れさま。
 何はともあれ,明日の忘年会を迎える心の準備だけはできたような気がする。

2007年12月19日(水)When I Was young
 勤務時間終了後につぶさなくてはいけない時間があって,電子辞書で漢字の読みや英単語を調べていたら,「脳年齢測定」ソフトがあった。挑戦。
 47歳。
 くやしい。以前やったyahoo!ゲームでは20代前半だったのに。再挑戦。45歳。ほとんどかわらんな。もう一度。37歳。
 ああ,とりあえずそんなところで十分でございます。
 その年齢のころボクは何をやっていたんだっけ,と振り返ってみたら,仕事のストレスで円形脱毛症になったころだ。皮膚科の女医さんに,何か最近変わったことがありましたかと問診されたのを思い出す。変わったことがあったんだよね,そのころ。若いころは,顔にも身体にも態度にも出やすい体質だったのである。って,今もか?
 というようなことはさておき,電子辞書に付録の脳年齢測定ソフトは,簡単な加減乗除をやったあと,3文字のひらがなを1分間ほどじっと眺め,いくつ覚えていたかで年齢を判定するというゲームである。加減乗除は何とかなるが,言葉をいちどにたくさん覚えるというのは苦手だ。与えられた言葉をそれぞれ関連づけて覚えようとしても,どうも海馬やシナプスの精度がよくないようで,出題数の6〜7割ほどしかできない。コツがあるのだろうか。どなたか教えていただきたい。
 脳内の高齢化だけでなく,ここのところ頭部全体から脱毛するようになり,頭部年齢も高齢化している。太くて鋼のような髪だったころが懐かしいな。

2007年12月18日(火)もういくつ寝ると
 毎週火曜日の夜10時ころは,つれあいが共同購入の生協カラー・カタログを広げる時間帯である。今回は,大晦日一斉配達という文字が入っていて,おせち料理のご案内だ。
 未だかつて市販の高級おせちを食べたことがない。「子どももいないんだし,年末は楽に過ごしたらどうかね」と言ってみたのだが,三段重の重箱つきの価格は2万円ほどする。
 ...。
 お手伝いするからいつものようにうちで作ろうね,ということになった。料亭監修高級おせちを食べない人生になりそうだ。
 せっかくだからカタログをめくってみた。ぶり・かに・かき・ふぐ・えび・牛肉・合鴨などの写真があって,どれもおいしそうである。ぶり寿司というのも食べたことがないな。
 で,何を注文したのかと尋ねたら,「あら,紅白のかまぼこだけよ」とのこと。   ...。
 ぶり寿司ってのを買ってみない?
 それにしても,生協というわりにお金のかかった豪勢なカラー・カタログである。しかも,大量。紙ももったいないし,編集のコストも大変そうだ。ネット注文ができるようにした方がいいと思うな。

2007年12月17日(月)男女格差
 どうせそのうちお迎えは来る。それほど知りたいことでもないので,余計なことをしなくてもよいと思うのだが,厚生労働省が,2005年の「都道府県別平均寿命」というのを発表している。
 鳥取県の男性は78.26歳で34位,女性は86.27歳で8位である。その男女差はほぼ8歳。青森,沖縄,島根についで,全国第4位である。何だか,辺境というか,最低賃金が低そうというか,過疎地の男女間格差が大きいようだ。どういうわけかね。寒かったり暑かったり雪や雨が多いので,これらの県の男子乳幼児が育ちにくいのだろうか。あるいは,女性に比べ男性がよく働くので長生きできないのかもしれない。いや,わが家のことではないんですけどね。
 ちなみに,男性の平均寿命1位は長野県で女性は沖縄県である。最下位はいずれも青森県。脳卒中や心臓病が多いらしい。
 歩かないし,運動もロクにしない。食べたいモノを,本能の命ずるままに食べて生きてきた。職場の定期検診も,2年連続で出張と重なり受けていない。メタボ街道爆走中。おそらく,平均寿命低下に貢献することだろう。ますます男女間格差が広がりそうである。

2007年12月16日(日)特別快速
 USJの滞在時間は11時から18時50分までだ。アトラクションによっては,150分待ちなどと表示がある。残り時間が少ないオヤジ達には,2時間以上も行列する時間はない。
 エクスプレス・パス・ブックレット4(7は売り切れていた)を,メインゲート入ってすぐのショップで購入した。「割り込みパス」である。時間をお金で買ったのだった。ちなみに,中国語パンフでは「環球特快入場券・小冊子」とあった。
 そんなわけで,スパイダーマン・ザ・ライドやハリウッド・ドリーム・ザ・ライドも,長い行列の横をサッサと進んで,体験させていただいた。結局は,後から来た者の割り込みであるから,小心者は,並んでいる人達に何だか申し訳ないなと思ったりもするのだが,生き急いでいるのである(って,どういう意味やねん)。許してやっていただきたい。
 ボクが若い時のデートだったり,子どもを3人連れての入場だったら,やっぱり割り込みパスを買う余裕はなくて,行列に並んでいたはずだ。
 子どもに,我慢させる経験も大切である。たどり着いた喜びも大きいであろう。若いカップルは何をやっても楽しいのである。待っている時間さえ。恋愛の一番おいしいところは,結婚するまでのプロセスである。婚約はUSJで並んでいるようなものだ。たぶん。
 ということで,2カ所しか入場できなかったとおっしゃるツアー同行ファミリーの方に,ボクは7カ所を楽しませてもらったとは正直に言えなかったのだった。ゴメンね。

2007年12月15日(土)ご褒美
 朝6時過ぎに家を出た。東の空が美しい朝焼けである。早起きにはご褒美があるらしい。
 8時ころに中国山地の一角にあるドライブインに寄った。辺り一面霜が降りていてこれもきれい。とりわけ,山茶花だと思われる葉っぱに降りた霜が,葉の周りを白く縁取って,美しい。
 温度はマイナス3度だった。いつでもこんな光景が見られるのかと思いドライブインの方にお聞きしたら,雪が降ってしまうことが多いので,今日のようにきれいな霜は珍しいのだそうだ。冬に早起きをして高地へ行くと,普段気づいていない世界を楽しむことができるのだった。
 さて,そんなご褒美続きだったのだが,USJツアーも,交通費・スタジオパス・弁当付きで5000円ポッキリという日ごろの感謝を込めたご褒美価格。天気も良いし,都合7つほどのアトラクションを楽しませてもらった。

2007年12月14日(金)じっと手を見る
 なかなかハードな1週間だった。ミスもいくつか,ふたつみっつ。おまけに,帰宅後,職場に忘れ物をしていることに気づき,結局最終帰宅は22時。迷惑をかけた皆さん,ゴメンね。ボクとしては真面目によく働いた方なんです,これでも。誰もほめたりなぐさめたりしてくれるわけもないから,せめて自分が労ってやらないとね。
 デスクトップに張り付けたDO ITの付箋(シン覚え書)を,業務遂行ごとに削除していく生活である。結構片付けたと思うのだが,それでもまだ残っている付箋が4枚あった。来週に持ち越しである。来週も同じような生活が待っているらしい。働けど働けど。
 まっ,「俺たちに明後日はない」が信条の夫婦である。明後日以降のことはさておき,今日と明日を考えて楽しい気分に浸ることにした。今日は,お気楽な映画でも見ることにしよう。明日に備えて,『スパイダーマン3』。日常から離れるにはぴったりだ。
 苦あれば楽焼き。楽しい土曜日になりそうである。
 とはいえ,明日の起床時間の早いことだけが,ちょっとだけつらい。

2007年12月13日(木)年賀状は早めに?
 ここのところ毎日のように,「喪中につき年末年始のご挨拶ご遠慮申し上げます」という葉書が届いている。今のところ7枚。若い頃は,こんなにはなかったのだが,そんな年齢になったということなのだろう。
 中には,11月26日にお母様が亡くなられたという葉書もあった。ついこの間のことだ。欠礼の葉書の準備より,年賀状の方を買われていたのではなかったかと余計な心配をした。
 15日から年賀状の受付がはじまる。受付初日に投函される方も多いことだろう。投函されたあとにご不幸に遭われたりすることがあって,葬儀に参列したのに,亡くなられた方から年賀状が届くというようなことも世の中には結構あるのかもしれない。それはそれで不思議なというか,印象深い最後の年賀状になりそうである。
 ボクの場合は,年末ぎりぎりにならないと作成に着手しないので,残念ながら,そんな印象深い便りになるようなことはないと思うけれど。
 何はともあれ,あわただしい年末を,皆さまお元気に事故なくお過ごしください。

2007年12月12日(水)天国への階段
 レッド・ツェッペリンの復活ライブの様子を,朝日新聞がカラー写真付きで掲載している。毎日新聞は文字だけの扱いで,読売新聞にはなかった。
 28000円のチケットが1900万円にもなったとか,お騒がせのERIKAさんがライブを楽しんだとか,とっくの昔に解散したバンドなのに,結構かまびすしい。
 ツェッペリンは,アメリカで7000万枚の売り上げがありながら,グラミー賞をもらったのも最近のことだ。マスコミ受けのよくないバンドである。世界中のヒルトン・ホテルから永久追放されたとか,おっかけっ子(グルーピー)との常軌を逸したエピソード等がたくさん残されている。ヴォーカル担当のロバート・プラントさんの,「離婚に不倫にその他諸々が1日の中に詰め込まれていた」という当時の思い出話で想像がつくであろう。そんなバンドのことを,社会面に写真入りで掲載するのだから,朝日新聞も変わった新聞である。リアルタイムにツェッペリンも聴いて育った世代なので,うれしいことではあるのだけれど。
 衝撃のデビュー・アルバムは,ボクが高校生だったころに発売された。ボクは,ディープ・パープルとピンク・フロイドのLPを買うのがやっとだったので,今は某警察署長をやっている友人が買ったのを借りたのだった。オープンリール・テープにダビングさせてもらいましたなあ。
 最初は音を聴くしかできなかったのだが,その後ジミー・ペイジさんが雪かき仕事のような姿勢でギターを低く下げて演奏するシーンを見て,そのカッコよさにさらに参った覚えがある。単純なリフやハードさだけの音作りをせず,曲の構成が巧みなので,40年近く経った今聴いても名曲と思える曲が多い。
 とりあえず今夜は,ダブルネック・ギターで『天国への階段』を弾くペイジさんを見ながら,ロンドンでのコンサートのことを思ってみるのだった。アコースティック・ギターではじまりながら,これほど盛り上がるロック曲を他に知らない。
 ツェッペリンの皆さんは,本当に当時のハード・ロックの「先頭に」いたと思うな。

2007年12月11日(火)記憶力
 幼稚園や保育園の発表会の時期である。ひとりのお子様に,ご両親やおじいさんおばあさんもセットなので,どちらの会場も混雑しているようだ。
 さて,年長の美佳ちゃんに,発表会で演奏した曲を来年の今頃も思い出してねと話したら,「私たち女の子は覚えているけど,男は忘れるでえ。男っちゃあな,忘れやすいけえなあ。うちのお父さんは,昔のことを何にも覚えてなくて,いつもお母さんに怒られとるでえ。」という答えが返ってきたらしい。いや,知り合いから聞いた話なんですけどね。
 その通りだよ,お嬢ちゃん。6歳なのによく分かっているねえ。おじさんも昔のことをあまり覚えていないんだわ。初めてのデートに着ていったセーターの色とか,結婚する前にした約束とか,言った言葉とか。サラリーマン川柳の,「ケンカしてわかった妻の記憶力」というのを思い出すよ。
 大人になってからのことでも覚束ないのだから,幼稚園のことなんかさっぱりである。男はどうして物覚えが悪いんだろうねえ。男の記憶力は犬と大して変わらんような気がするのは,ボクだけだろうか。って,犬が怒るかも。ホント,女性の記憶力の良さには参る。
 それにしても,6歳の時にそんなことを言っていたということを,美佳ちゃんは大人になっても覚えているんだろうな。怖ろしいことである。

2007年12月10日(月)聴牌即リーチ
 ちょっとテンパっている。朝からイレギュラーな仕事が飛び込み,1時間以上かかって片付けたと思ったら,夕方の18時30分から会議をするというFAXが入ってきた。その日の会議を当日に招集しないでほしいと思うのだが,あなたは必ず出席するようにというニュアンスの文言あり。行きますよ,行きますよ。
 ただでさえ,今日と明日は業務多忙なのである。ミスをしないよう,DO ITの付箋をデスクトップに張り付けたけれど,業務途中で切り上げ会議場に向かったから,やり残したことが多い。明日がますます窮屈になっていくのだった。ゆううつである。
 会議には10分遅れで入室。ボクよりさらに遅れてきた某金融関係者が,入るなり灰皿を持ってきて隣でマイルド・セブンをお吸いになる。参加者の誰も吸っていないのに,いい度胸をしてはりますなあ。会議中に喫煙できる職場というは,それはそれでなかなかリベラルな雰囲気の会社なのかもしれない。2時間,久しぶりに副流煙を楽しませていただいた。ということで,帰宅後は穏やかなピアノを聴きながら体力回復である。
 ところで,いっぱいいっぱいのつもりでテンパっていると書いたのだが,考えてみれば,麻雀ではテンパったらおいしい状態である。あとは上がるのを待つだけだ。どうして,「テンパる」にパニック寸前のようなニュアンスが含まれるようになったのだろう。早く上がって楽になればよいのに。
 そんなわけで,今日は深く考えもせず,聴牌即リーチ果報は寝て待て海路の日和のログである。あぁ,ホント,テンパってるな。

2007年12月9日(日)
 朝晩はめっきり冷えるのに,朝顔がまだ咲いていて,これは日没後のつぼみである。支柱の太さに比べ,あまりに頼りないつぼみなのだが,つけ続けている内は何だか根っこを抜いてしまうのがしのびないので,そのままにしている。寒さの中にある姿を見るのも,それはそれでしのびないのだけれど。
 朝顔は短日植物で,日が短くなると花をつけると聞いたことがあるけれど,日照時間だけで考えれば,日が短くなり続けている現在は絶好のコンディションである。それにしても,最低気温は5度前後だ。玄関の中にでも入れてやった方がよいのかもしれない。
 日が短くなるとつぼみをつけるというのは,夜行性度の高いボクは何だか親しみを感じるのだが,早い朝も好きというのがちょっとね。
 そんなわけで,パールハーバーやジョン・レノンさんを思い浮かべる季節に,朝顔も頑張っているというお話。
 ジョン・レノンさんは,トロントのフットボール・スタジアムでのライブ(ギターはクラプトンさん)DVDが発売されたり,紙ジャケ・シリーズ(完全生産限定版らしい)が発売されるなど,相変わらず話題は豊富だ。
 久しぶりに,『Jealous Guy』と『Woman』と『Imagine』を聴いて,今日はおしまい。嫉妬深い男はどこか(どこやねん)の女性を想像しながら眠るのである。

2007年12月8日(土)
 「畑の柚子を少しいただきましたよ」と,ご近所のおばさんがおっしゃる。魚やら作りたて惣菜をいつもいただいているので,お安いご用である。
 今年のわが家の柚子は,生り年のようだ。日没前だったけれど,ジャム用とゆず湯用に収穫することにした。木の大きさは,つれあいによると約3m50cm。脚立を持参しての柚子採りである。
 何しろ元気な柚子の木なので,トゲが長くて強力。枝の奥の方の実を採ろうとすると,ゴム手袋を突き破って突入してくるからちょっと怯む。バラのトゲがかわいく見えるほどだ。帰ってから手を見たら,ひっかき傷が4カ所もあった。
 そうまでして柚子は何から身を守ろうとしているのだろう。あの酸っぱさだけでも相手を選ぶと思うのだが,柚子が大好物だという鳥や動物が自然界にはたくさんいるのだろうか。あるいは,水分蒸発を防ぐために葉っぱがトゲに変化したサボテンと同じような仕組みなのかもしれない。
 何はともあれ,自然にあるものは無駄なものを身にまとってはいないだろう。トゲがあるから柚子は今日まで生きながらえてきたのである。ボクもトゲを持っていたから,外敵防御や水分蒸発防止をしてここまで生きながらえたのかもしれないし。ボクのトゲで怪我をした人がいたらゴメンね。
 それはさておき,柚子が生り年の時は大雪になるという話もある。わが家界隈は今年は雪が多いぞ,きっと。

2007年12月7日(金)青春の光と影
 いなばの絵画展のことを書いたら,東京の国立新美術館の『オランダ風俗画展』の情報をいただいた。ご本人に了解をとっていないけれど,ネタに使わせていただきました。すみません,事後承諾ということで。
 乃木坂にある美術館らしい。東京にいた時にもっと美術館等にも行っておけば良かったのだが,建物といえば,ジャズ喫茶や映画館(場末専門)や雀荘くらいしか入らなかった。もったいないことをしたものである。
 『オランダ風俗画展』の目玉は,フェルメールの『牛乳を注ぐ女』のようだ。そういえば,植田正治写真美術館にもポスターが張ってあったような気がする。東京の美術展だから真剣に見なかったけれど。
 オランダの風俗画が100点以上展示されていて,フェルメールはその作品1点だけだったとか。タイトルに期待して行かれた方には,ちょっと肩すかしだったようである。
 ところで,フェルメールって昔から有名だったのだろうか。ボクは,若い頃は名前も作品も知らなかったな。勉強不足である。フェルメールを主人公にした小説の発表や映画上映のころに作品がたびたび紹介されるようになり,やっと名前を覚えた。もちろん,本物の作品を見たこともない。
 その映画,『真珠の耳飾りの少女』のストーリーはさておき,映像における光線の使い方が技巧的で,映画の場面がとても絵画的だったのを思い出す。フェルメールの描く作品のバランスの取れた光と影が,映像でもうまく表現されているというか。専門的なことはしらんけど。
 いずれにせよ,勉強する目的のひとつというのは,絵を見て過ごす時間に幸福感を見いだすことができるようになるというようなことなのかもしれないなと思ったりしたのだった。
 若い時は勉強が足りなかったのである。今もか。ということで,今夜はジョニ・ミッチェルさんの『Both Sides, Now』。

2007年12月6日(木)グッドナイト・バビロン
 これはどうですか,『バベル』。
 あっ,まだ見てないんだよね。借ります借ります。すみませんね。感想くらいお安いご用ですよ。
 んー,都会にはあんな女子高生がいるのかね。マンションもすごいな。モロッコでハンティングをするお父ちゃんって,どんなんやねん。歯医者さんは大概マスクをしてるぞ。というような突っ込みはさておき,バベルの塔を建設しようとした人々の言語を神が混乱させ,互いの言葉を理解できなくさせたという『The Old Testament』のエピソードがモチーフだ,多分。それにしても,東京はバベルの塔だらけだ。東京はバビロンだったのである。って,バビロンはイラクか。
 言葉の違うモロッコやメキシコや日本が舞台である。言語や民族の違いによる壁があるのだ。いや,同じ民族でも。ピンク・フロイドの『The Wall』を思い出す。
 日本語圏にいても思いが伝わらない疎外感やストレスを抱えている女子高生と,モロッコの事件がかすかにつながっていたりする。人はそれぞれどこかでつながっているのである。ほんの些細なつまらないことが大きなトラブルに発展したり,不幸は突然にやってくる。
 あのような(って,どのようやねん)女の子の描き方に不快感を抱く人もいるかもしれないので,ちょっとコメントしづらい作品だが,ボクには興味深く感じられたのでした。
 ラストで繰り返される重いピアノの音やアコースティック・ギターの音色が暗くていい雰囲気である。人生は時に暗鬱なのだ。他者と理解しあえたり,つながっているという感覚をもつことによって回復していけるのかもしれない。
 とりあえず,DVDを貸してくれる人とつながっていてよかった。ありがとね。

2007年12月5日(水)忘れたいのに
 今シーズン2回目の忘年会だった。とはいえ,年末をゆっくり過ごすためには,この時期に酔っぱらっているわけにはゆかないのである。早々に切り上げて帰宅した。
 労働者の皆さんの集まりであるから,あまり景気のよい話は出ない。ケーキを作っていらっしゃる労組もおありなので,みんなで買いましょうというような話があったくらいだ。クリスマス・ケーキは早くから作り置きをしていらっしゃるので鮮度がねえ,などと思ったりするのだが,お付き合いも大事にしないとね。
 帰宅後にネットのニュースを見たら,「仙台市内の小学校の忘年会を中止しなければ子どもの命を奪う」という手紙が県教委に届き,すべての小学校に年内の忘年会中止の指示が出されたらしい。3年連続で手紙が届いているのだとか。いやだね,脅迫時代。まっ,新年会に切り替えればいいのかもしれないけれど。
 世の中には忘年会が嫌いな人もいるようだ。酒が飲めない,くじ引きで着いた席の両隣がタイプではなかった,人と喋るのが面倒,ビールを注がなかったと怒られた,愚痴をこぼすのは好きだが聞くのは嫌,酒は一人で手酌に限る。うーん,あまり思い浮かばないが,どんな理由で忘年会がお嫌いなのだろう。
 ボクは,この30年間の職場のほとんどの忘年会に皆勤だったと思うのだが,そんなオヤジが,忘年会なんか嫌いだという若者を生み出す要因だったのかもしれない。すまぬ,人生酔ったもん勝ちで生きてきたのである。職場の宴会くらい軽くこなせる大人になってほしいな。夜のお店を経営していらっしゃる皆さんだってお困りになるんだし。
 今年最後の忘年会は今のところ27日。さて,それまでに何回忘年会があるのか。忘れる努力をしてそれでも記憶に残っていることが,今年忘れてはいけないことだということにしておく。いくつの物語が残るのだろう。

2007年12月4日(火)ヴェニスの小品
 あちこち巡回しているらしい,『ヴェネツィア絵画のきらめき』という展示を見せていただいた。
 さて,どれをもらって帰ろうかと思ったのだが,さすがに宗教画系はわが家の部屋には合わない。しかも大きすぎる。もらうのは遠慮することにして,見学だけさせてもらった。
 頭蓋骨を見つめる女性を描いたドメニコ・フェッティさんの『メランコリア』という作品が気に入った。比較的小品。その絵の解説には,アリストテレスさんの,「創造的な仕事をした天才は憂鬱質である」という言葉が紹介されていた。そうなのかあ。脳天気に生きてきたことを反省した。
 もうひとついいなあと思ったのが,ジャンバッティスタ・ピットーニさん描く『寓意のモニュメント』(アイザック・ニュートンに捧げる)という作品。さらに小品である。本物の見本絵のようなものらしいが,天然色絵画だらけの展示の中で,モノクロのトーンが印象深い作品である。
 帰りに,1515年頃に描かれたというティツィアーノ・ヴェチェリオさんのポスト・カードを買った。『洗礼者ヨハネの首をもつサロメ』である。オスカー・ワイルドさんが描くサロメの遙か昔の作品なのだが,ヨハネの首を欲しがったサロメが穏やかな顔の少女のように描かれている。貧しかったり陰謀があったり混乱の時期だったと思うのだが,そんな時代だからこそ,かえって美しいものが求められたのかもしれない。現代の日本はどうだろう。
 小さなポストカードを眺めながら,今夜はU2の『Salome』を聴いて眠ることにする。

2007年12月3日(月)当たるもはっけよい
 いなばの衆議院議員選挙の野党候補者はもっと有名な方になるのかと思っていたのだが,どのようなことがあったのか,結局,元県議さんということになったらしい。大臣就任やテレビ出演のおかげで全国区の存在である現職と戦って,勝算があるのだろうか。
 で,ド素人が選挙を占ってみることにした。
 参議院選挙で,薬局の方が意外なほど票を集めることができなかった。県議等の皆さんの集票力が低下しているのだろう。連立を組んでいる某政党も意外にあっさりと反対票を投じる可能性がある。
 現職には,大学・銀行時代の同級で,その後山田さんへ入社したお知り合いもいらっしゃるとか(新潮ネタ)。守屋問題は早く終わってほしいだろうな。
 さて,現職の方の後援会は,父親時代のものがベースである。ということは,支持者の皆さんは相当高齢ということだ。投票所が統廃合され,自宅から遠くなった方もいらっしゃるはずである。冬の寒い日に選挙に行くより,コタツにあたってミカンを食べながら相撲を見ている方がよいという方はいないだろうか。心配である。雪でも降ったら,投票率も下がって勝敗に大きな影響を与えそうだ。って,初場所の時期に選挙があるのか?
 ということで,勝負の行方は,総選挙の時期と天候によってという見立てになった。いい加減な占いである。
 まっ,与党出身とか公設秘書だったというような因縁はさておき,参院選と同じように結構面白い選挙区になりそうだ。高齢者の皆さんも頑張って選挙に行ってくださいね。雪で滑ったりしないように。って,選挙は雪が降るころなのかあ?

2007年12月2日(日)有限なればこそ
 亡くなられた方を偲ぶ会で久しぶりに正座をした。お経に敬意を表し,いつも最後まで姿勢を崩さないように心がけているのだが,寒さに備えてアンダータイツを履いていたこともあってか,今日は正座が50分しかもたなかった。お経は30分で終わったのに,その後の法話が30分もあるんだもの。
 その法話の内,縁起の話や,五木寛之さんの言葉の引用である「泥中にあれば花咲く蓮華かな」あたりは理解できたのだけれど,話があちこちに飛ぶししびれがくるし高尚だしで,無限の中の有限性といったあたりは,もうひたすら終わっていただくのを願っているばかりでしたよ,ボクは。すみません,修行が足りませんでした。
 大体,有限性について和尚さんからあれこれ教えていただかなくても,ここまで生きてくればわかるんです。髪が抜けることも財布からお金がなくなっていくことも。もちろん,有限だからこそ毎日を頑張らないといけないんだろうなあというようなことも。締切あればこそである。
 そういえば,わが家の旦那寺からは,住職が代わるとかで,寄付金の振込書が4枚も送られてきていた。分割でいいから40000円振り込むようにということのようだ。年会費だけでは足りませんの?スルーの予定である。
 あぁ,こうやって,タダでさえ少ないボクの信仰心がさらに薄れていくのである。三途の川で溺れるかもしれんな。浮き輪を持っていったほうがよさそうだ。

2007年12月1日(土)黄金のまどろみ
 伊坂幸太郎さんの新刊の案内が新聞広告にあった。『ゴールデンスランバー』だそうだ。マザーグースなどにも収録されているらしいが,日本ではビートルズの楽曲のタイトルとしての方が有名であろう。曲を作ったのはポール・マッカートニーさん。
 ビートルズが最後に録音したアルバムである『ABBEY ROAD』後半のメドレー中に登場する短い曲である(最後に発売されたアルバムは『LET IT BE』)。
 ビートルズの曲でいちばん好きなものは何かと尋ねられれば,ボクはいつも『Golden Slumber』と答えることにしている。ゆったりとしたテンポのピアノではじまる子守歌のような曲である。もう少し長い演奏になっていたら,聴くたびに涙を流すかもしれないというくらい歌詞もメロディも好きだ。関係が悪化したメンバーを何とかつなげようとしたポールさんの気持ちが表現されている曲だ。叶わなかったけれど。万物は流転するのである。
 そんなわけだから,何としても買わなくてはいけないのである。本屋さんで,平積みにされた『ゴールデンスランバー』の上から2冊目を抜いたのだった。
 ついでに新刊書コーナーを見ていたら,なんと土屋隆夫さんの書き下ろし新刊も置かれていた。えーっ,土屋さんはまだ新作を書かれていたんですの。てっきり,前作が最後の作品かと思って買ったのに。土屋さんは1917年生まれである。失礼ながら,90歳でミステリーの新作が書けるのかと,26ページほど立ち読みをさせていただいたのだった。
 その結果,買って帰って,『ゴールデンスランバー』より先に読み終えてしまった。ビックリするような意外性はないけれど,90歳で書き終えたとは思えないような,みんなが眠りにつくというミステリーである。最後の作品だということを覚悟しながら書かれているのだろう。土屋さんのあとがきは悲しいけれど,創作活動がそんな歳までできるのかと,ちょっと感激だった。
 ということで,今夜は,ポールさんやリンダさんやクラプトンさん!が一緒に演奏する子守歌を聴いてから眠ることにする。朝まで黄金のまどろみである。多分。

2007年11月30日(金)朝日のあたる家
 商店街の苗屋さんに頼んでいた「猩々赤」というタマネギの苗をつれあいが買って帰っていた。夏であれば19時を過ぎても明るいのに,もちろん帰宅したときは真っ暗。とはいえ,新聞紙に包まれた苗が早く植えろとうるさいので,懐中電灯を片手に200本を植えた。40分かかった。
 冬至までに3週間あるということは,まだまだ夜が長くなるということだ。苗を植えるには相応しくないが,まっ,部屋に入ってしまえばボクには都合のいい季節ではある。
 とはいえ,この時期の朝日は,ちょうどボクが出勤する方向の低い位置に輝いていてまぶしい。夜の快適さとは逆に,朝の運転がちょっと不快な時期である。今朝は,殊の外朝日がまぶしくて,アニマルズの『朝日のあたる家』を思い浮かべながら運転していたのだった。懐かしいね。アニマルズで有名になった『朝日のあたる家』は,何とも陰鬱なブルースだけれど,いちど聴いたら頭から離れない印象深い曲である。
 ニューオーリンズにある朝日のあたる家の中には,sin&miseryまみれの家があるらしい。多分怪しい屋敷である。貧しい若者がひしめいている廃墟だとも。sin&miseryはどの家にもあるのだと思うけれど。
 住むんだったら,日当たりの良い南向きの角地,ついでに朝日があたって駅から5分,というような家を希望される人もいらっしゃるのだろうが,ボクが眠る部屋には朝日が入ってこない。おかげで朝はゆっくりできる。朝日のあたらない部屋も結構快適なのであった。
 アニマルズは『朝日のあたる家』が終わると,『悲しき願い』を演奏していた。

2007年11月29日(木)内容はないよ
 世の中の事件の大半はお金のトラブルか,男と女の別れ話のもつれである。ような気がする。
 お金はほしいけれど,夫婦揃ってつかまるというのも嫌だな。回収に困るようなお金は誰にも貸していないし。当たった後が怖いから宝くじは買わない主義である。というか,当たると思っていないので買わないだけだ。わが家に大金が入ることはないけれど,とりあえず欲望をかなり自制できるようにはなってきた。パンの耳をかじりながらでも結構やって行けそうな気がしている。今のところ,金銭がらみの事件はわが家は大丈夫ではないかと思うのだった。しらんけど。
 さて,別れ話のもつれはどうかね。世の中には縁を切るのが上手な方がいらっしゃるようだが,個人的に別れ話は苦手だ。ついつい格好をつけたりするから,上手に切り出せなかったりね。
 別れたい相手から愛想尽かしされるように持って行ける人は,別れ話の実力者だと思うのだが,そんなわけでボクは実力のない男なのだった。もつれるところまでもたどり着けない。今のところ別れ話のもつれもないのではないかと思うのだった。しらんけど。
 何も考えずに最近のニュースを思い浮かべながら書き始めたら,書く前には考えてもいないような内容になった。というか,これは内容があるのか。まっ,中身はさておき,目覚めた時には想像もしていなかったような文が夜に生まれる,というのを本人が面白がっているからろぐは続いているのかも知れないと思ったりしたのだった。お付き合いしてくださる方には申し訳ないのだが。すいませんねえ,最後まで読んでいただいて。

2007年11月28日(水)規格外なし
 短歌会である。久しぶりの少人数開催だった。皆さん,自分の世界を押し広げるためチャレンジングに取り組んでいらっしゃるところがあって,良い歌が多かったようである。何しろ,今日は規格外?作品が一首もなかったのだ。というのが良いこととは限らないかもしれないけれど。もっとハメを外した方がよいのかもしれない。
 さて,歌会終了後,例により河岸をかえて議論が行われたのであるが,この会が大変よかった。
 乗り合わせたクルーが良ければ,お互いの世界が拡大できるのである。ただ運んでもらうだけではつまらない。航海に少しは貢献したいな。あるいは,自分が表現できなかった思いを的確に言葉にしてくれる人こそ貴重な存在なのである,というような話題で盛り上がったのだった。
 歌に限らず,音楽でも絵画でもそれぞれの好き嫌いというのがあるのだろうが,好き嫌いだけでは論理的な議論は難しい。表現されたモノに対し,いいモノや少し瑕疵のあるモノという想定を持ちながら,我々は歌会での議論を展開しているのである。というようなことを,あらためて認識したのだった。皆さんありがとうございました。
 ちなみに,ろぐは好き嫌いだけで展開しているんです。難しいことはなしで。

2007年11月27日(火)夕べの秘密
 某ハンバーガー屋さんも期限切れのシェイクなどをお売りになっていたとか。次から次へとたれ込みの続く告発時代である。夕べのことはもう言わないでと歌っていた小川知子さんが懐かしい。
 秘密のない人間はつまらないし,秘密を守ることは時に大切なことだ。期限のごまかしはさておき,誰にだって知られたくないことはあるんじゃないの?ボクにも3つくらいある。うんにゃ,4つかも。うーん,5個以上。いや,たとえば車を直すのにかかった費用とかね。
 先日は,某所の不正の証拠写真を某事務局に送ってみました,というメールがボクのところになぜか届いた。つれあいが仕事に行っている場所に近い某所は,最近閉店されたようよとつれあいが教えてくれた(お店ではないけれど)。そのメールにあったようなことが原因だろうか。いなばも侮れないのである。
 大体,人の秘密や弱味を握っても黙っているというのが,友人から信頼を得るいちばんの方法だと思うのだが,友人も信頼も不要な,正義感溢れる人が増えているのかね。ボクは,こう見えても,職業上の守秘義務はもちろん,大事な人の秘密は簡単に口外しない,口の重い,もとい口の堅い男である。いや,ホンマですよ。
 と思っているのだが,小出しのネタを毎日ろぐに書いているような人間が信じるに足ると思ってもらえるだろうか。ろぐもほどほどにした方がよいのかもしれない。
 テクマクマヤコン,テクマクマヤコン。

2007年11月26日(月)愛と悲しみのギャンブラー
 ANAから,優待券とカレンダーが届いていた。つれあいや子ども達が江戸往復に利用できるのでありがたい優待券である(有効期間は半年)。
 因幡江戸便は,ハイ・シーズンだと福沢さん3人分くらいになる割高感のある路線だ。片道運賃が半額になるとちょっとうれしい。優待券はオークションなどでも手に入るけどね。
 ここのところ,サブプライム・ローンなどというフレーズが聞こえてきたと思ったら,ドル安・株安で,どこが底なのかさっぱりわからない。というか,今回に限らずいつもさっぱりわからないし,思ったようにもならない。
 まっ,自分の思うようにいかないことが多いという点において,どうせ人生もギャンブルである。ん?結婚もギャンブルか?あれ?愛の結果だっけ?
 というようなことはさておき,自分のお金を引き出すだけで手数料をお取りになる金融機関より,ハラハラドキドキの方が面白いに決まっている。と言っている間に,面白いようにただの紙切れになったものもあったりするのだった。悲しい。
 懲りない男である。なんでも地道が一番だぜ,ぼうや。

2007年11月25日(日)苗の教え
 土・日に出かけることが多かったり天候が悪かったりで,やっとタマネギ苗を植えることのできそうな休日である。午前中にJAのショップへ寄った。売り切れ。そのご近所のホームセンターも完売だそうだ。
 えっ,また一昨年のように苗の出来が悪いんですの。
 少し離れたホームセンターも,今シーズンの入荷はもうありませんとのこと。第3番目のホームセンターへ寄ったのだった。
 あった。しかも,1束50本50円とか,定価の2割引とか,50本298円の定価販売の3種類。あるのはありがたかったのだけれど,50円の処分品はもちろん,定価販売のものもあまり新鮮そうに見えない。
 お店の仕入れ加減の見誤りということもあるのだろうが,4店舗の中で1店だけ古い売れ残りまで抱えているのって,ちょっと他店と差をつけられているね。
 はからずも,市内のショッピング・モールの現在の状況がタマネギ苗から見えたのだった。多分,あの辺りの集客力は落ちていくような気がするな。
 で,さらに市内商店街の種苗専門店を2軒回った。さすが専門店である。在庫数は多くないけれど,しっかりした苗が置いてあった。値段もホームセンターより安いくらい。ただし,「猩々赤」はなくて,2日後の入荷予定らしい。いやあ,苗購入で学んだことがあったのだった。来年は,迷わず最初から専門店へ行かせていただくことにしましたよ。頑張れ専門店。
 とりあえず,今日は400本だけ植えることにした。

2007年11月24日(土)最終処理
 今日の業務は,DVカメラで撮影した映像をDVDに5分程度ずつ落とすという作業。DVDは25枚。もちろん,1枚ごとに違う映像である。
 カセット・テープやビデオ・テープのダビングであれば,コピーするのにかかった時間だけで済む。しかし,DVDの場合は,ファイナライズという処理をしないと,どの機種でも再生できるようにならない。
 2時間の映像を入れた場合のファイナライズは3分前後で完了するのだが,5分ほどの映像しか入れなかった場合は,ファイナライズは13分!かかる。1枚制作するのに20分は必要で,すべて終えるには,作業時間が500分かかる計算である。外はいい天気なのに。
 何とか今日の内にファイナルになったのだが,DVDの機種が古いからファイナライズに時間がかかるのだろうか。最近の機種だともっと早いのかな。まっ,最終処理が大変なものは他にもたくさんありそうだから,これくらいはかわいい仕事のうちである。

2007年11月23日(金)星のきれいな夜に
 三連休の初日はボランティア勤務日である。外はいい天気だというのに。仕事の後は,昨日と同じようにお酒を飲むという業務。ご飯を食べない生活が続くな。今日はビュッフェ形式なので,油を使った料理が多く,胃がもたれる感じ。帰宅後の珈琲がおいしく感じられた。明日はおいしい食事をしたいものである。お願いします,星なしシェフ様。
 ミシュランという言葉が目につくようになった。タイヤ屋さんが,車を使った旅行が増えることを見越してガイドを作成するという発想はなかなか良いね。縁がないので興味はないけれど。で,西原さんの『恨ミシュラン』を引っぱり出して読み返してみた。1993年前後の連載なので,今となってはちょっと古い。 
 有名人が紹介する店は,彼らには特別なサービスをし庶民がその分割りを食うとか,出版社やTV局の多い地域に紹介されるお店が多いとか,庶民のやっかみが盛り込まれている。西原さんの(もちろんコータリさんのも)顔や星印が多いほどマイナス評価で,中には7つも顔が描かれた場所もあったりするのだった。
 それにしても,よくこれだけ描きたい放題ができたものだ。罵詈雑言を書くのはかなりストレスフルな仕事だと思うのである。若気のいったりきたり戻ったりだろうか。無頼派西原さん以外にこの連載がこなせる人がいたとは思えないな。日本の三星店レポートもやっていただきたいものだ。いゃあー,やっぱりあそこの但馬牛はおいしいねえとか,地鶏はうまい,作りたての新鮮な漉し餡餅はおいしいねえと言っていた人にも参考になりそうな作品である。
 まっ,おいしいものであってもコストパフォーマンスを考えてしまうような人間には,ミシュランが評価したような店には縁がなさそうである。自分の舌を信じるしかないな。当てにならないけれど。

2007年11月22日(木)あしたはあしたの風
 つれあいが,22日はいい夫婦の日だそうよと教えてくれた。そんな日があるのか。1年に1回だけのいい夫婦でいいわけがないだろう。とりあえず,ぼくたちは353/366(閏年の場合)くらいは一見いい夫婦じゃなかったっけ?そんなわけで,そんな記念日はスルーである。特別な祝いをしなくて良いよねということで勘弁してもらったのだった。朝のうちは。
 さて,そんないい夫婦の日の帰宅時間は23日の0時40分である。おしかりを受けた。今日は,滅多にない,いい夫婦例外の日だったらしい。だって,倉吉での飲酒付きの業務だったんです。
 倉吉まで列車で行ったことが今までにあったのかどうかよく覚えていないけれど,運賃は650円もした。東京からであれば,立川辺りまで行けそうな距離だ。中央線はもっと静かだったように思うのだが,ローカル線は,車輛と車体のきしみでうるさい。車内アナウンスの半分は聞き取れないぞ。
 まっ,それでも,太陽の光をガラス越しに受けて,車内はとても暖かくて気持ちが良かった。よだれを垂らして寝てしまいそうなほどだ。いつも車で行っていたけれど,ローカル線車内がこれほど気持ちの良いものだとは思わなかったのだった。
 で,目的の会場へ行ったら,これがまた暖房が良く効いている。ジャケットを脱ぐ人もふたり三人。お話にも目新しいことがなくて,ちょっと大人の対応をさせていただいた。
 会議終了後に三次会までお付き合いしていたら,そんな時間の帰宅になったのでした。いい夫婦の日だか,いい夫婦だかは終わっていたのだった。Tomorrow is another day。でありますように。

2007年11月21日(水)冬をはじめる
 週のはじまりから寒い。今日は,今シーズン初めてのマフラーとコートを着用して出勤した。ついこの間ジャケットを初めて着て秋を始めたと思ったのに,もう冬を始めることにしたのであった。
 秋は真面目にジャズを聴いていたのだが,今日はちょっと疲れていたので,ポップなコールド・プレイを聴きながらメール・チェック。打楽器使いのピアノや美しいメロディーや甘めのヴォーカルで体調を整えていたのだった。たまにはね。
 例によって数多の迷惑メールの中から必要なものを探していたら,何とジャズ・ラボのメーリング・リストの案内が混ざっていた。危うく迷惑メールかと思って削除するところでしたよ。いやあ,さすが仕事が早い。何だか,まわりには仕事の早い方がたくさんいらっしゃるので,締切寸前に間に合わせるという生活習慣が定着している我が身が情けないな。
 メーリング・リストやHPは,早晩ブログやSNSに追いやられるのだろうと思っていたけれど,まだまだ使えるのであった。そんなわけで,ジャズがお好きな方はどうぞご参加を。
 ということで,コールド・プレイは途中でやめ,Tord Gustavsenさんのピアノ・トリオを流した。今日の締めくくりは内省的なスローなピアノになった。ちょっと身体が溶けていく感じ。

2007年11月20日(火)ガリバー
 ウィルス・プロテクト・ソフトの有効期限が切れたというお知らせがあった。何だ,そんなソフトを使っているのかというムキもおありかもしれないが,日本でのシェアは低そうなソフトを使っている。一度他のソフトに切り替えたことがあったのだけれど,更新したHPがアップできなくなりエライ目にあった。そんなわけで,マイナー・ソフトのお世話になっているのだった。
 ダウンロードの前に市場価格を見ておこうと思い,仕事終了後,量販店に寄ってみた。駐車場の車が少ない。さすがマイナー・ソフトである。2店に寄ってみたのだが,どちらにもなかった。
 ということで,リニューアルしてからはなるべく行かないことにしていたジャスコ北店に寄ってみることにした。初めてのコジマさんだ。平日の19時だというのに,店舗に近い側の駐車場はほとんど埋まっていて,巨大ショッピング・センターは繁盛していた。
 で,さすがコジマさん。他の量販店にはないのに,このお店には置いてあった。しかも,結構安い。我が家に一番近い量販店なので,これからはコジマさんのお世話になることが増えそうだ。家電量販店3枚目のカードを作ることにした。
 ソフトも量販店も弱肉強食加速中である。平和な世でも,そこここで激戦が展開されているのだった。厳しい時代である。

2007年11月19日(月)香水
 感想が聞きたいということで,『パフューム』という映画のDVDを貸してくださる方があった。自分で借りてみる予定のなかった作品だが,貸してやると持ってきていただいたのだから,お言葉に甘えた。
 汚物を窓から通りに捨てていたという18世紀パリの汚さがよく表現されている。そんな汚臭漂う中で生み落とされた男の子が主人公である。ちょっとえぐい映像もある。
 きちんと教育はされなかったけれど,特別な才能があって周囲から孤立した人間が,自分が理想とするものを作り出そうとする映画である。目的のためなら,世間の道徳や法も関係なしである。破天荒だ。なんという映画やねんなどと思っていたのだが,それでもラスト近くのシーンが飛び出すまでは真面目に見ていた。求道者は孤独で周囲から理解されないことも多いのである。多分。
 さて,その処刑寸前の場面。何しろ殺人を繰り返す男なのだ。活字で読む分には面白そうである。そこがいちばんの見せ場なのだろう。しかし,映像にしてしまうとリアリティがなさすぎではないんですかね。まっ,あれほどの裸が画面に溢れる映画というのはそれはそれで貴重である。似たような大衆の愚かさというのは,今でもあちらこちらで散見されるのかもしれない。ジーザスのように,汝の隣人を愛せよというメッセージをまき散らしたのかもしれないし。
 香水の香りが浮かんでくるというより,エログロナンセンスという言葉の方が思い浮かんだのだが,実は崇高な愛の世界が描かれていたのかも。何はともあれ,男の作った映画である。
 つっこみどころ満載,積載量超過違反免許停止ものの娯楽映画ということにしておこう。「いやあ,面白かったす」と言ってお返しすることにする。

2007年11月18日(日)堪忍
 お待たせいたしました。といっても,待っていたのはわが家の人間だけである。堪忍してね。今シーズン初めての松葉ガニを食べさせていただいたのである。大きい。1キロまで計れる料理用重量計では,エラーが出てしまう大きさである。
 少し生でかじり,手足をしゃぶしゃぶにして,最後は雑炊。ミソ焼きもおいしゅうございました。「バチが当たらないかしら」などという小心者夫婦の会話をしながら,本日の食事時間は仲良く55分ほどかけて食べつくした。殻は生ゴミ捨て場へ。
 ああ,カニは食事だけでなく食卓の会話も土壌も豊かにしてくれるのであった。いつものことながらありがとうございました。って,まだお金を払っていないことが気がかりだったりするのだけれど。
 さて,そんな(どんなやねん)とさきさんによると,わが家のCD置き場と本置き場は,床が傾いているのではないかというご託宣である。床はそんな簡単に抜けるものではないと思うのは素人考えで,ラックがたわんでいる分は床にも負荷がかかっているらしい。言われて納得。急に不安になったのだった。
 お金はお腹の中に消えていくものに使うのがいいのかもしれない。どうしたらいいかに。

2007年11月17日(土)疲れた夜には
 ジャガイモの土寄せをしたり,シンビジュームをガラスケースにしまったり,琉球朝顔の冬越しの準備をしたりという一日である。
 胡蝶蘭は素人には育成が難しいので1鉢しかないけれど,シンビジュームはしぶとい。株分けをしているうちに,15鉢ほどに増えた。昔は花芽をつけない鉢もあったのだが,近年はほとんどの鉢が花芽をもつようになって,近所のおばさんからもほめてもらえるようになったのである。
 で,栽培のコツを聞かれるのだが,素人がわかるわけもありませんよ。昔と変わったのは,春から秋にかけて大量に水をやるようになったことくらいだ。夏は朝と晩に2回。とにかく水が好きなようですよ,ということで,「何だそんなことかいな」と思われたかもしれない。今年は,すでにつぼみがたくさんついていて,いつもより開花の早いものがありそうだ。
 そんな夜はカレー鍋。昆布と煮干しでダシをとり,みりんと酒と醤油で軽く味付けしてルーをひと箱の1/3ほど投入。あとは食べたい食材を放り込んだ。ブロッコリーとかこんにゃくとかたまねぎとか。
 そんなわけで,今日もお疲れー。

2007年11月16日(金)別れのはじめ
 ジャズラボのお別れ会だった。思えばレアな時間をマスターありがとうございました。ジャズラボのことを言い出したひとりだったと思うのだが,いつのことだったのか記憶が定かではない。最初の会に誰と同席だったかも,脳内記憶だけでは不確かだ。一部の政治家の方と同じようである。
 そこで,PCに放り込んである記録を調べてみた。1999年7月が第1回のジャズラボだった。8年も前のことだ。記憶が不確かなのも仕方がない。
 しかし,2〜3年前を覚えてないのとはちょっと違うような気がするな。まっ,それにしても何でも書いておくものである。ちなみに,「みずたまり」の誕生日は2000年5月11日だった。
 誰と飲んだかを何年間も覚えていることは難しい。けれど,高級料亭や高級クラブなどで接待されたらボクは簡単には忘れないと思うな。というか,はるか昔,自分からは行かないような場所に何カ所か連れて行ってもらったことは今でも覚えているぞ。
 滅多にない人間には記憶に残るけれど,それが当たり前のように仕事としてある人達の場合は,誰と飲んだかなど分からなくなるのだろうか。あるいは,早く忘れるように努力することが仕事なのかもしれない,あちらの皆さまは。もちろん,文字で記録するなどということは愚か者のすることである。
 今日の楽しい宴で誰と一緒だったかボクはそう簡単には忘れないと思うのだけれど,念のために書き残しておくことにしよう。別の隠しファイルに。

2007年11月15日(木)ワインの節句
 今年もヌーボーを飲ませてもらった。めずらしく,自宅で夫婦のヌーボーである。踊らされているだけなどとおっしゃる向きもおありだろうが,1年のうちには何回かの「節」が必要である。
 スローテンポだった時代は五節句でよかったかもしれないが,スピードアップされ,関係性が広がり,情報の溢れる社会でストレスフルに生活しているのだから,昔からの「節日」以外にも,わが家に都合のよいものは取り入れてもよいのではないかと思うのである。まっ,つまり節操がないということでもあるけれど。
 常日頃は発泡酒で節約し,今日はその節約したお金でヌーボーを2本買い求めた。何だか,節約ではないような気もするな。
 若いライトな果実の味がおいしゅうございました。これで次の「節」まで頑張ることができそうだ。
 ところで,解禁になってから10日ほど経つが,松葉ガニの「節」をまだ楽しんでいない。早く次の「節」を迎えたいものである。

2007年11月14日(水)力関係
 おつれあいさんから殺意をもたれる皆さんがあちこちにいらっしゃるらしい。愛知県とか群馬県とか。お気の毒なことである。って,ちょっとした喧嘩は時々発生するので,他人事ではない。
 2005年の統計によると,妻が夫を殺したのが120件で,その逆は88件だとか。
 「加齢につれて夫婦の力関係が逆転し,妻の方がタフになる」とか,「いないと困るので夫は妻をいじめても殺しはしないけれど,妻の方は最後の手段として暴発する例がある」というようなコメントをされる方がいらっしゃる。
 加齢につれなくても,力関係はかなり早い段階でバランスが崩れたような気もするのだが,あちらにはあちらの言い分があって,大体ボクの方が悪いことが多いらしい。日頃から,食後の皿を洗わせていただいたり,肩をもませていただいているんだけどな。まっ,そんなことは当たり前のことのようだ。
 ボクの場合は,ややこしいことになりそうな前に,とりあえずケーキ屋さんに寄って惨事を何とか回避してきたような気がするのだった。ケーキ屋さんあればこそのわが家。
 「50歳以降は,夫婦はお互い感謝しあう心を忘れずに」だそうだ。あっ,いやホント感謝しているんです。オノはやめようね。

2007年11月13日(火)メタボ
 3日連続で勤務時間外の会議である。一昨日が4時間,昨日と今日が各1時間30分。一昨日の会議は,もっとスリム化を図れば3時間でもお釣りがくると思うな。
 昨日の会議は,お土産になぜか「岩のり」をもらった。300円くらいのもののようだ。拍手要員としての参加なので,拍手の報酬かもしれんと思い,ありがたくいただいた。これがあれば他のおかずはいらないくらいの好物なんです。すみませんね。
 今日の会議は,目的がはっきりしていたので,大変順調な進行だった。USJに5000円で行こうと思うけれど,よござんすか?という提案である。もちろん,日帰り交通費及び入場料込みである。帰りのお弁当もついている。
 太っ腹である。メタボに注意した方がいいね。
 割引チケットやヤフオクなら少し安く手に入るだろうが,正規の一日フリーパスだけで5800円するのである。反対する理由のあろうはずがない。
 中には,気の利いたネタで笑いをとる方もいらっしゃって,余計な発言をすると帰りが遅くなるじゃないかよー,えー加減にせんかい急旋回。と思ったのだが,最近にないおいしい提案だったので,我慢した。12月15日にボクと一緒に5000円でUSJへ行きたいという方は,どうぞお申し出ください。
 さて,明日も明後日も会議があって,今週は5日連続の会議である。その次の日にご褒美の宴会が待っているので,それを楽しみに残りの会議を乗り切ることにする。

2007年11月12日(月)三枚目の私
 これも初雪というものであろうか。朝方,雷の後,大粒の霰がバババッと降ってきた。雷は雪起こしだったようだ。大山も初冠雪らしい。
 寒くなったけれど,灯油を買っていない。電気ストーブを引っぱり出して防寒である。ちょっとわびしい。電気ストーブしか使ってはいけなかった東京の最初の下宿を思い出す。浪人生も多い下宿で,明日は入試だという夜に麻雀をやっていた皆さんは今ごろいかがお過ごしなのだろう。歳をとるということがどういうことかわからなかった,恐れを知らない時代だったような気もするな。
 電化製品は,東芝のワールドボーイというラジオと,寒くなってから買った電気ストーブだけであった。何しろ3畳9000円の下宿である。
 寒さのせいで,暗い昔を思い出してしまった。それでも,毎日楽しかったんだから青春は安上がりである。
 さて,ブルーノート・クラブから定期的に刊行される冊子が届いていて,「ブルーノート私の3枚」ベスト10中間発表があった。上位は,『サムシン・エルス』『アウト・トゥ・ランチ』『ブルー・トレイン』である。『アウト・トゥ・ランチ』で気持ち良くなる人がたくさんいるんですかねえ。緊張感がありすぎて,夜聴くにはちょっとつらい。
 というわけで,ボクの場合は,ハンコックさんの『処女航海』,ティナ・ブルックスさんの『トゥルー・ブルー』。三枚目はジャッキー・マクリーンさんの『デモンズ・ダンス』ということにしてみた。
 いずれもロマンティックでメロディーが際だっているアルバムだと思うな。といっても,甘いわけではなくそこはそれブルーノートであるから,パワフルな演奏である。ちょっと元気がでる。まっ,安上がりの青春の中にあった貴重なアルバムということなんです。

2007年11月11日(日)ブラフ
 9時30分までに米子へ来いというミッションである。つらい。7時32分に家を出たら,トライアスロン発祥の地という看板のある場所に9時7分についた。鳥取砂丘から皆生温泉まで,日曜の朝なら1時間35分で行けるということである。参考にしていただきたい。1時間で行ける日を迎えることができるといいのだけれど。
 帰ってニュースを見ていたら,町村官房長官が,衆議院の解散はすぐにはないというようなお話をしていらっしゃった。解散・総選挙は,来年7月の北海道・洞爺湖サミット以降になるのだそうだ。ほんまかいな。議員の皆さんの心はもう選挙に飛んでいると思うな。
 12月15日まで35日の会期延長をしたというのは,参議院で新テロ特措法案が否決されるのを見越し,もういちど衆議院で審議しようというご計画ではないんですの。野党の審議引き延ばしで新テロ特措法案が時間切れになったり,与党が強引に通過させれば,衆議院は解散だろう。
 ということは,早ければ2008年の1月20日ころに選挙になるということだ。そんなことは素人が考えてもわかりそうなものだと思うのだが,まったく政治家というのは信用ならんな。まっ,ブラフも政治家の仕事か。

2007年11月10日(土)サフランの咲く頃
 今日も明日も業務である。朝顔がまだかなり咲いているのだが,ゆっくりとした朝を過ごすことができないので,チラッと眺めるだけである。
 日没前に帰ってきたら,2つめのサフランが紫の花を咲かせていた。結構寒い時期に咲くのだという備忘のための記録写真。今年は,少し遅いような気がするな。
 1つめの花のめしべの柱頭はすでにつれあいが収穫していて,現在乾燥中である。いつものように,古い方の花びらはサラダに入れて食べた。妊婦さんにはよくないらしい。
 サフランの周囲は生ゴミ捨て場にしていたのだが,ジャガイモが芽を出し大きく育っている。味噌汁の残りのジャガイモが芽を出すわけもないので,剥いた皮から芽が出ていると考えるしかない。皮から再生できるとはタフなやつである。というか,皮をむいた実からは芽が出ないらしい。実が大きくなるのかどうかわからないけれど,せっかくだから芽欠きをしてやった。
 ゴミ袋の値上げのおかげで,生ゴミ捨て場から収穫したジャガイモを食べることができるかもしれない。楽しみなことである。肥料はやらなくてもいいだろうか。

2007年11月9日(金)余裕の人々
 某国立大学史料編纂所の6名の皆さんのお話や意見交換の会に参加させてもらった。伯耆地方の有名史料を使ったソフトのプレゼンである。というか,ソフトの使い勝手のモニターだった。参加者はたった10名。実際にソフトを操作したり,内容についてもあれこれ質問させてもらって,大変勉強になった。ものごとを拡大してみるというのは,発見につながるのだった。
 某有名大学だからというバイアスはかかっていなかったと思うのだが,若者中心の6名の皆さんは,大変クレバーな印象を受けた。話がとても聴きやすくてわかりやすい。
 東京弁だからなのかと思い意識して聞いていたら,若者の喋りには,まあとか,エーとか,あのーとか,そのーとか,んーといったフィラーがほとんどないことに気づいた。すごいな,意識して入れないようにしているのかな。
 さらに,話しぶりがさりげなく謙虚で腰が低い。大ネタではなく,小ネタでクスッと笑わせるサービスも入っている。もちろん,適度な笑顔つき。余裕があるということは,そういうところに現れてくるのかとちょっと感心した。
 いちど,自分の喋りを点検した方がいいなと思ったのだった。まあ,あのー,そのー,こちらはいっぱい一杯の日々なのである。

2007年11月8日(木)Remember That Night
 ここのところ,秋の夜長のジャズ・ライフだったのだが,11月7日発売のデヴィッド・ギルモアさんの国内盤最新ライブ2枚組映像が届いた。タイトルは『Remember That Night: Live at the Royal Albert Hall』である。邦題は『覇響』。Sony Musicって趣味が悪いんじゃないのと思うのはボクだけだろうか。
 邦題はさておき,すばらしいロック名盤DVDだ。歓喜悶絶極楽往生である。生きていてよかった。って,往生しないんかい。
 さて,なにが悶絶かって,『Echoes』が収録されているのである。もう35年以上前に作られた曲の2006年5月の演奏だ。高校生の時以来,おそらくボクが最多回数聴いた曲である。1曲が20分以上あるというのに。
 歌詞もメロディもリズムも展開も演奏も,そしてその美しさやエネルギーも,高校生のボクにジャスト・フィットした曲である。
 DVDで視聴する演奏は,テレビのスピーカーのせいなのか,ベースやドラムの音も柔らかくて身体に快適である。目は疲れるけれど。とはいえ,ピンク・フロイドの大がかりなライトショーに比べれば穏やかで,あれでも地味な方なのだろう。
 後半のドラミングが激しくなる辺りからがとりわけ好きなパートなのだが,ライトショーとの相乗効果で,悦楽トリップ状態である。ホント,長生きはした方がいいね。
 隠しトラックもあって,そちらにはアコースティック演奏の『Echoes』も入っていた。歓喜法悦愛染明王という興奮の夜である。ちなみに,『Echoes』の歌詞は,誰も子守歌を歌ってくれまへんねん,誰もボクを眠らせるために歌ってくれまへんねんというような内容である。多分。
 それにしても,かつてはビジュアル系?だったギルモアさんは,歳とともに若い頃とのギャップが激しくなっているような気がするな。年代に応じていい味を醸し出しているクラプトンさんとか,同僚のリック・ライトさんとはちょっと対照的である。ミューズが降臨しているせいなのか,美しさを作り出す代償なのかもしれないなどと思ってみたりもして。
 まっ,そんなことはさておき,5時間収録のDVDでは,車椅子のロバート・ワイアットさんのコルネットやギルモアさんのアルト・サックス!デヴィッド・ボウイさんやデヴィッド・クロスビーさんにグラハム・ナッシュさんのヴォーカルが聴ける。本当にすごいんです。
 このDVDを初めて見た夜のことは忘れないだろう。文句なしにあちらに持っていくDVDである。

2007年11月7日(水)不自由民主島
 政治の情報の何が正しいのか田舎住まいの身にわかるはずもないが,ここまでの政治を歴史的に見た時,政党政治とか二大政党といった大人の政治はどうも日本では期待しない方がよいということはわかった。というか,政治家の貢献による繁栄というより,市井の皆さんがこつこつ働いてきたからこその現在であろう。
 大体,長い間野党をやっているわけだから,山田さんから相手にされる議員も少ないわけで(代表さんや元自民党の皆さんはさておき),官僚や財界の方々とのお付き合いだって薄いし,野党の皆さんに今のような政治がすぐにできるわけがない。そんなことは当たり前だ。新米のお医者さんや教員も,小さなミスくらいはするんじゃないの。政権担当能力の低いことをわざわざ自分から言わなくてもいいと思うな,代表が。時に政権担当が変わってみることが大事なのである。
 自民党の皆さんも,あいつらに自分達がやったようなきちんとした政治ができるわけがないと自信をもっているのであれば,時々野党が政権を取るくらい,蚊に刺されたようなものだ。すぐに取り返せますがな,政権は。
 それとも,おこぼれがもらえなくなったり悪事が発覚したり,大した政治をやってこなかったことがばれるのが心配なのかな。集めたお金の使い方のいい加減さとか,外国の皆さんとのお付き合いの下手さ加減なども。
 そんなわけで,どっちもどっちである。お金を大事に扱ったり,他者ときちんとお付き合いできる大人の皆さんが政治をやる日は,ボクが存在しているうちにくるのだろうか。まっ,大衆にも問題はありそうだけれど。あっ,ボクにも?

2007年11月6日(火)アミーゴ
 何だかよくわからない画像だが,キセルガイ1号・2号は健在なのである。ふたを開けてみてびっくり。
 折角,新鮮な朝顔の柔らかい葉っぱと卵の殻を入れてやっているのに,脱走しようというのはどういうわけかね。そんなに居心地が悪い部屋なのかい,このパンケースは。100均製品だから気に入らないのだろうか。悪かったね。
 15センチもある高さを乗り越えてでも,外へ出たいらしい。残念ながらそこを出てもまだ家の中だよ。家を出たって,地球の中だし。
 で,フタを閉めたら,その後フタの真ん中辺りにぶら下がっていた。やっぱり,合成樹脂に囲まれて暮らすのはきついのだろうか。ボクも,まわりが全部プラスティックだったら嫌かもしれないなあ。
 と思って見回したら,向かっているPCはプラスティックだらけだった。ボクも我慢するから,もう少しつき合いなよ,悪いようにはしないから。なっ,檻の中のアミーゴ。

2007年11月5日(月)地下鉱脈
 備忘のため,玉井さんのお話を簡単に記録しておくことにする。短歌の話のことね。
 我々の中に眠っているものをどう見つけるかという話である。地下鉱脈をどう掘り当てるかということだ。
 ひらがなを多用してみたり,歌を単純化したり,テーマを与えて詠んでみたり,自分の中にある思いを継続的に読み続けてみたりというのが,掘り当てるためのツールなのだというお話だった。と思う。
 誰にでも地下鉱脈があるらしい。本当かなあ。金やダイヤモンドが誰にもあるのだろうか。あるけれど,気がつかないだけなのかね。わからん。あぁ,あと1メートル掘っていたら金にたどり着くことができたのに,土と水を掻き出すだけの人生だったねえ,とつぶやく肉体はそこここに溢れているのかもしれんな。
 まっ,黄銅鉱でもいいや。思いこみで掘り続けてみることにしよう。それにしても,穴掘りに使っている古びたスコップは重い。

2007年11月4日(日)講師えーん
 日曜日の早起きはつらい。ウィーク・デイのような時間に起きて倉吉へ向かった。県の短歌大会である。
 分科会の進行担当という話だったと思っていたのだが,打ち合わせ室に入ったら,講師ということになっていた。はぁ?なんですの,講師って。聞けば,参加者の皆さんが歌についての評をされた後に,まとめのコメントをするお仕事らしい。いつそんなことになっていたのだろう。えーん。ここは甲子園球場?そんなことをボクにやらせていいんですかい。って,いいわけがないと思うのだが,今になってごちゃごちゃ言っても詮無いことである。大人の対応をするしかない。ボクは進歩と調和の万博世代なのである。
 あぁ,それにしても,昨日の夜に予習をしておいてよかった。司会が読めない字があっても困るし,自分なりのコメントを言えるようにしておこうと思っていたのである。何しろ,皆さん難しい言葉をお使いなんだもん。「蛛蠕」とか。いや,ほんと,みずたまりでもそれくらい準備して出席しろよ。
 大体,師匠は,講演会の講師である玉井さんを知らない人はもぐりだとおっしゃるのだが,ボクは名前だけかすかに知っていて,歌も知らなければ,歌集も持っていないんですぜ。すいません,もぐりに近いコメンテーターでした。とりあえず,みずたまりの名を貶めるようなことはしなかったと思っているのだけれど。
 ということで,玉井さんのお話はまた今度。入賞されたみずたまりの皆さんおめでとうございました。
 で,世間と隔絶された時間を過ごして帰ったら,某党首がお辞めになるというニュースがあった。よっぽど,山田さんと深いお付き合いをしていたのかもしれんな。お気の毒さま。つき合う人は厳選しないとね。って,ボクは選んでもらえる人間なのかね。

2007年11月3日(土)ロングプレイ
 オークションということだったのだが,お集まりの皆さんのご所望されているモノが競合するということもあまりなく,ほぼ希望商品がお持ち帰り自由であった。もちろん,お金さえ払えばである。
 CD盤は出品されていないので,ボクはLP盤をいただくことにした。団塊のおじさん達の中にはLP盤を欲しがる人がいるらしいのでまだ値崩れしていないが,ハードオフなどのロックのLP盤は,210円のものがたくさんある。グラム1円以下だ。溝がある限り音は消えないとはいえ,一部のレア盤を除き,世代が変われば,早晩LP盤は二束三文になるとボクは踏んでいる。わが家の子ども達が相続しても,小型破砕ゴミとして廃棄されるくらいのものだ。ゴミと宝は一重まぶたである。
 そんなわけで,あまりLP盤を増やしたくないのだが,マスター所蔵からの記念として7枚のLP盤を持ち帰らせてもらったのだった。
 いやあ,久しぶりにターン・テーブルの回るところを見た。アンプの入力切り替えもいつ以来のことだろう。
 音楽だけじっくり聞くのであればよいが,PCに向かったりしながらだと,片面20分はすぐ終わる。CDに比べれば全然ショート・プレイである。知らない間に,その都度レコード盤を交換するのは面倒くさい体質になっていたのだった。3枚聴いて(もちろん片面だけ),入力切り替えをCDのポジションに戻した。すいません。だって,初めてCDを買ってからすでに22年経っているんだもの。それ以前のレコード生活16年より,もうCD生活の方が長いのである,ボクの場合は。
 これがLP盤の買い納めなのかもしれない。

2007年11月2日(金)コーラス
 文化祭シーズンである。中学生の文化祭がホールで行われていたので,お昼過ぎにぶらりと顔を出してみた。ちょうど合唱のお時間で,50人前後の男女混成のハモリを2組聴かせてもらった。それぞれのパートのユニゾンが溶け合ってひとつに聴こえる,大変気持ちのよい合唱だった。
 外は寒かったのに,会場は暖かいし若者男女の声が美しいので,このままシェスタをしたら贅沢な眠りになるだろうなあと思いながら,聴かせてもらったのだった。
 さてそんな合唱であるが,つれあいのグループの今度のレパートリーに,『Nuovo Cinema Paradiso』が加わったらしい。わが家にその曲はあるかと言うから,イツァーク・パールマンさんのヴァイオリン曲のあと,トランペット奏者のFABIRIZIO BOSSOさんの演奏を流してみた。
 『ニュー・シネマ・パラダイス』や『この素晴らしき世界』,『ESTATE』などが収録されているウィズ・ストリングス・アルバムである。美しい旋律で,真夜中に聴いてもうるさくないトランペットだ。
 「えっ,こんなきれいな曲を歌うんですの。」曲に負けないようにね。皆さんを凍らすのもダメだよ。

2007年11月1日(木)植田調
 植田正治写真美術館へ行く仕事だった。業務上?何回目の訪問になるのかわからないくらい入館させてもらってきた。いつやって来ても,写真を撮りたくなるような建物である。今月いっぱいまで,「写真の幻影〜ふしぎの世界」という展覧会が開催されている。
 演出写真はあまり好きではなかったのだが,結局は切り取るしかないわけだし,表現には何らかの作為が入っていると割り切るようになった。とはいえ,今回の展覧会にあるような演出に小道具が加わった静物写真は,チャレンジングなところや不思議さはよくわかるけれど,写真としてはなんだかなあと思ったりもする作品もある。やっぱり人物が写っている作品が好きだ。50年以上前の作品でもオシャレである。すごいセンスだ。
 美術館の売店には,植田さんが亡くなられてから福山雅治さんたちが行ったプロジェクトの冊子,『HOMAGE』がまだ売ってあった。アマゾンでは手に入らないと思うし,そのうちレアな写真集になるかもしれない。今日の業務のご褒美ということにした。

2007年10月31日(水)THE LAST DAY
 酔族館最後の日。大入りである。開店の日にも閉店の日にも参加させてもらった。本当にお世話になりました。
 マスター謹製の料理以外に,お寿司の差し入れや,釣ってこられたという障泥烏賊などの差し入れもあって,飲み物も食べ物を大変おいしくいただきました。
 ボクが帰る頃には,見たこともないような若い女性達もいらっしゃった。色んな方が酔族館さんにいらっしゃっていたのである。それぞれ一家言おありなのだろうが,皆さん穏やかないい方が多かったような気がするな。
 全然関係ないが,エリック・ドルフィーの『Last Date』が思い浮かんだので,帰宅後,久しぶりにドルフィーさんのバス・クラを聴いた。冒頭の『EPISTROPHY』も最後の『MISS ANN』も,とてもアグレッシブである。酔族館に流れることはなかった音楽だとは思うけれど。
 お馴染み,"When you hear music, after it's over, it's gone in the air. you can never capture it again."という最後のドルフィーさんの声まで聴いた。本来,音楽は一回きりなのだなあ。お店も人生もいつか終わる,悲しいけれど。酔族館に消えた数多の音で,気持ちのよい時間を過ごさせていただいたのは確かである。
 ボクはマスターご所望の,わが家秘蔵(というほどでもないけれど)のCDをお土産に持って帰っていただくことで,感謝の気持ちということにさせてもらった。
 本当にありがとうございました。お疲れさまでした。またどこかで復活されるといいなと思っているのですよ。

2007年10月30日(火)カタルシス
 まだ名前のないキセルガイの2匹は元気よくみどりのウンチをしている。自分の身体より長いのではないかと思うようなそれは,殻の中から顔の方に向けて出てくる。お腹を伝わり,ちょうど口の辺りに排泄されるのだった。臭くないのだろうか。それとも,舐めてみて健康チェックをしているのか。排泄とともに,殻の下に見えていた黒い線が消え,きれいな身体になっていくのがわかる。浄化されているのだった。
 たまにはメニューを変えて人参でも食べさせてやれば,赤い色のものが出てくるのだろうか。ディープな世界に楽しみは広がるのだが,いかんせん動きがほとんどないので,何を考えているんだかよくわからん。コミュニケーションがしにくいやつである。
 さて,早速「夢幻館」を買われたというご連絡をいただいた。ありがとうございます。24ページの小品なので少し物足りないような気もするのだが,著者近況の中に,現在の樹村さんのコメントがちょっとだけあったりするところもファンの方には喜んでもらえるのではないだろうか。
 内容が体調不良というのがちょっと残念なのだけれど。

2007年10月29日(月)旧作ですが
 新作ではないが,樹村みのりさんの作品が今月発売の「夢幻館VOL.15」という雑誌に再録されている。本来は新作が掲載される予定だったのだが,樹村さんの体調不良のため,旧作で穴埋めということのようだ。
 タイトルは,『麦わら帽子いっぱいの夏休み』。1979年の「mimi」に掲載された作品である。その後,どの単行本にも収録されていないので,あまり知られていない作品ではないかと思われる。新作ではないが,樹村さんが好きな人には貴重な再録というわけである。
 1979年から1980年ころというのは,『菜の花シリーズ』が一区切りつき,『マルタとリーザ』や,『ルイ子さんのメガネ』,『海辺のカイン』,『悪い子』,『ジョーン・Bの夏』と,立て続けに力の入った作品が発表されたころだ。
 夏休みに似たような年齢の従兄弟の家へ遊びに行くというのは,日常とは違う人間関係や不思議な体験ができる,昔の子どもの楽しみのひとつだ。あぐりと拓の姉弟が慣れない田舎で体験したことが描かれている。「どーかこの子らにかあいそーなことが起こらぬよう見守ってくれろや」というお祖母さんの言葉を聞くための夏休みだったのかもしれない。
 来年1月22日発売予定の「夢幻館」の次号予告にも,樹村さんの名前はない。よほど体調はよろしくないのだろうか。新作を読むことができるのはもう少し先になるようだ。
 いずれにせよ,朝日新聞社が「夢幻館」のようなコミック誌を発刊してくれるというのが心強い。廃刊にならないよう,2冊買っておいた。焼け石の上にも3年かもしれないけれど。 

2007年10月28日(日)セールス
 朝方,岩美のマコモタケを届けてくださるお友達がいて,気分のよい休日のはじまりである。
 コーヒーを淹れ,ジョニー・スミスさんの『WALK,DON'T RUN!』を聴きながら本を読んでいたら,セールスの方だとか。ボクが相手をしないといけないらしい。外壁工事のセールスの方だ。えぇー,外壁リフォームのご案内は,先日来,もうこれで三回目ですぜ。わが家は関心がないと二度もお伝えしているのに,どういうわけですの。
 どうも,営業の皆さんがそれぞれ手当たり次第に戸別訪問されているようだ。休日なのに,ご熱心なことで頭が下がるが,一度断ったところはリストから消していただきたいものである。粘りと根性が社是にでもなっているのか,ちょっとしつこすぎ。わが家は,壁が剥がれようが崩れようが,もうどうでもいいのである,外観は。欲しいモノは自分で買いに行くし。
 帰っていただき,読書を続けようと思うのだが,集中力が切れて何だか気持ちが落ち着かない。断られる方も面白くないだろうが,断る方も気が滅入るのである。気分転換に,ジャガイモやネギやラッキョウに肥料をやることにした。1時間ほどで汗ばんできて,おかげで気持ちのよい午前中になりましたよ。本は読み進まなかったけれど。
 夕方は,里芋や四方竹をいただいた。ボクで金儲けをしようという人はさておき,いい人が多いのである,まわりには。
 そんなわけで,今週も気分よく休日を終えることができたのだった。感謝。 

2007年10月27日(土)レコードはいかが?
 今週は,公私ともかなり印象深いハードな週だったのだが,土曜日の今日も終日よく働かせてもらった。とりわけ午後は,体力仕事だったので疲れた。ここのところ,右手の甲に少しむくみがきて,力を入れると痛む。腱鞘炎だろうか,腎臓だろうか。それを無理して力を出したから,ちくちく痛みが走る。
 そんなわけで,夕食後,よく働いたご褒美につれあいが弥生町まで送ってくれた。ありがとね。
 営業日が残り5日ほどになった酔族館さんへお邪魔したら,とさきさんがすでにいらっしゃった。先週末の5倍以上の入りのようである。
 さて,そんな酔族館のマスターは,ご自身の貴重なコレクションのフリマというかオークションをされる。11月3日の13時ころから開始である。LP盤などに興味のある方は集まってあげてね。よくもまあこんなLPがという,レアなコレクションがたくさんある。プレイヤーのない方は,ジャケット買いでもいいと思うな。
 ということで,今日は勝手に内覧会をさせてもらって,ボクは8枚ほどいただいて帰ったのだった。って,もちろんお金は払ったのだけれど。
 家に帰った時には日付が変わっていた。庭が異様に明るい。怖くなるくらいの月明かりである。ルナが狂気というのが少しわかるような気がした。
 台風が来ていたという東京でもきれいな月が見えたのだろうか。 

2007年10月26日(金)重荷を背負うて
 雨上がりの午後,職場で草取りをしていたら(どんな仕事をしているんかね),不思議なカタツムリを発見した。
 調べてみたら,「キセルガイ」というカタツムリの一種らしい。「煙管」に似ているのである。レッドデータブックによると,「オオギセル」であれば,いなばでは準絶滅危惧種らしい。
 草取りで見つかるくらいだから,とても絶滅が心配されるような生き物にはみえないのだけれど,「オオギセル」とググったら,ヤフーのオークションでは46mmほどの殻が890円で落札されていた。ディープなコレクターの世界があるようだ。
 味噌汁に入れたらいいかもという同僚女性もいらっしゃったが,折角だからタッパの中に桑の葉っぱを入れて飼ってみることにした。
 殻のないナメクジはわが家の植物の害虫であるが,キセルとかマイマイとかでんでんむしになると,呼び方も見た目もゆっくり進む姿も何だかかわいい。身体を覆うものは大事なんだなあ。
 徳川家康さんは,「人の一生は重荷を背負うて遠き道を行くが如し。いそぐべからず。」と言葉を残されたらしい。でんでんむしをじっくり眺めることもあったのだろうか。
 さて,第22回国民文化祭実行委員会から作品集が届いていた。文部科学大臣賞は,「子の脳が萎縮つづけるこのうつつ芽吹く木草の匂う夜なり」という歌である。穂村弘さんが高い評価をされていた。うつつにはそれぞれが背負うものがあるんですよね。マイマイに限らず。

2007年10月25日(木)とほほ
 村上春樹さんの,『走ることについて語るときに僕の語ること』という本が発売されている。走ることにはほとんど興味がない。これからの人生で走ることを趣味にすることはないだろう。購入をためらったのだが,そうはいっても村上さんだしなあということで,ちょっと渋々買ってみた。
 タイトル通り,村上さんが走る話が中心なのだが,ページの最初の方から,走る時に聴く音楽のことが書いてある。走ることの話も音楽とからめて語るのが村上さんらしいところだ。
 村上さんが聴いているのは,ジャズよりもロックである。レッチリやゴリラズやCCRやビーチボーイズといったシンプルな曲がランニングに合うらしい。
 そんな中で,アルバム名まで記されているのが,たとえば,ラヴィン・スプーンフルの『デイドリーム』と『ハムズ・オブ・ザ・ラヴィン・スプーンフル』である。懐かしい1960年代のバンドの作品だ。
 流していた『KIND OF BLUE』を止めて,『Daydream』にかえてみた。こんなことでもなければ,聴くことのなかったアルバムである。ああ,1966年のフォークロック。ボクにはちょっとスカスカでシンプルすぎ。必要以上に自分を大きく見せようとしない音楽と村上さんが評しているけれど,御意にござります。とはいえ,走り出す日が来れば思い出すかもしれないが,そんな日がボクに来るだろうか。結局,CDトレイに『KIND OF BLUE』を戻した。
 『Daydream』の7年も前に録音された『KIND OF BLUE』は,まだ500回聴きたいくらい美しくてスリリングである。もちろん,椅子に座ったままで。必要以上に無理をせず『WALK DON'T RUN』。とりあえずゆっくり歩くことにする。

2007年10月24日(水)イカん
 ここのところ皆さんからいただきものが続く。昨日も惣菜とTDLのお土産。今日は障泥烏賊とコーヒー豆。ありがたいことである。人口最少県なればこその関係性というか,つながりに対する意識の強さの現れだろうか。
 鳥取県の人口が60万人を切ったというトピックが午前中のyahooにあった。せっかく東京から1名引っこ抜いてきたのに,3倍にして東京に送り返してしまったしなあ。この5年間で事業所が2500カ所ほど減ったそうだから,支店が閉鎖されて他県へ行かれた方も多いのだろう。まっ,人が少ないのだから,犯罪の少ない日本一安全な県になるとよいね。
 ところで,いただいた「あおりいか」を漢字に変換したら「障泥烏賊」と出てきた。読めと言われても読めない。ひれの色などが馬の胴体に巻く泥よけの「障泥」という馬具に似ていることからきたネーミングらしい。
 紋甲烏賊かと思うような肉厚なのだが,紋甲烏賊に比べ,甲は薄く透明である。よく活きていたので,歯ごたえがあって甘いお刺身だった。今日はわけあって朝昼の食事抜きでおまけに遅い夕食だったのだが,最後にいいことがあった。
 人口は少なくても魚介はおいしいのである。ふん。

2007年10月23日(火)身過ぎ世過ぎ
 朝から疲れる業務があったが,まっ,何とか無事終了。企業には,このような業務で身過ぎ世過ぎしていらっしゃる方もたくさんいらっしゃるに違いない。って,どんな業務なのか書かないとわからないことだろうけれど,いわゆるよくあるあれである。
 相手のペースに乗せられると論点がずれたり時間だけ過ぎるので,真摯に話を聞き,受け入れることのできる部分は改善を約束したりする世界ですねえ。下手な言質をとられないように。鍛えられるなあ。この歳になっても。
 銅製のヤカンかと思っていたのだが,結構土鍋体質だったのだろうか。自分でも意外である。
 まっ,どんな人にでも来ていただきたいというような業態での就労も考えている者には,大変貴重な訓練の場だ。ありがたいことである。たぶん。
 何はともあれ,「ふたつ悪いことさてないものよ。」だ。明日は楽しい一日になる予定である。たぶん。

2007年10月22日(月)若者の習性
 久しぶりの短歌会は,チャレンジングに少しシステムを変えて行われた。予習なしで,その場で配布された歌を読むという方式である。日頃から予習が甘いので,ボクの場合は大して変わらないような気もするけれど。何しろ,高校の頃から予習が甘かったからなあ。英語くらいしかしなかったし,予習。
 学んで人は変わるのだが,人の基本的習性というのは,若い頃とそんなに変わらないのかもしれない。って,ボクだけか。
 そんなわけで,電子手帳のお世話になることもあったが,つつがなく会を終えることができた。色々と課題もあぶり出されることがあって,良い会だったのではないかと思われる。
 その後は,週の頭から宴会である。先週は少しきつかったのだが,今週もなかなか厳しい週になりそうである。

2007年10月21日(日)バイタミンJ
 青空とほどよい雲加減の一日である。お寺で行われた葬儀に参列したり,サニーレタスを主食にしていた青虫に昇天していただいたり,ガーデン・シクラメンを植えたり,練り物の燻製やおでんを作らせてもらった。
 よく働いたご褒美に,今年も四方竹をたくさんいただいた。煮込む時間がなかったので,とりあえず今日は茹でたものにマヨネーズをかけ,発泡酒のつまみにさせてもらった。しゃきしゃきと秋にタケノコを食べる幸せをかみしめていたのでした。ありがとうございました。
 夕食は,昨日の食材が残っていたので今日も鍋。米を3日も食べていないのだった。ビタミンや必須アミノ酸の摂取が足りないかもしれない。口からの栄養補給だけでなく,耳からも栄養補給をした方がよさそうだ。
 とりあえず,ロマンティック・ジャズ・トリオの新作にしてみた。セロニアス・モンクさんの作品集である。ヴィーナス・レーベルの作品なので,音の良い輪郭のはっきりした重量級の演奏だ。甘いロマンティック・バンドではなくて,骨太のバンドだと思うな。イタリアの出身だから「ロマンティック」なのかもしれないが,ちょっとネーミングで損をしているような気がするのだった。

2007年10月20日(土)麦生活
 時々,あっさり味の「鳥人」のラーメンを食べたくなることがあって,文化祭をやっていらっしゃる高校の脇を通って,お店へ行った。味が濃くないので,麺を食べ終わった後にも,「飛び魚」を使っていらっしゃるというスープを飲むことができるのだった。さっぱりと,おいしゅうございました。
 絶好のドライブ日和なので,ラーメンの後は「殿ダム」辺りをオープンで走った。新しいトンネルや橋ができていて,ダム全体の完成も近いのかと思ったが,工事現場の方にお聞きしたら,完成予定は2010年だそうだ。あの辺りはみんなダムに沈んでしまうんだなという光景を目に焼き付けておいた。
 雨滝付近の山の紅葉はまだはじまったばかりのようだ。さすがに山をオープンで走ると寒い。晩ご飯は今シーズン初めての鍋になった。鍋の最後はうどんである。今シーズン初めてのうどんも打った。やや腰が弱かったけれど,つれあいからはとりあえず合格点をもらった。
 テレビでは日本の食糧自給等についての議論が行われていたが,今日は米を食べなかったのだった。実は,昨日は朝昼抜きで,夜に麦は飲んだが米を食べていない。日本の農家の皆さんごめんなさい。

2007年10月19日(金)最終回
 先日ご案内をいただいてびっくりしたのだが,毎月ジャズラボでお世話になっていた「酔族館」さんが,今月末で閉店される。
 ご出身の大東町方面へお帰りなのだそうだ。いなばのジャズ愛好家が集合する場所がひとつなくなる。ボク達はこれからどこへ集まればいいのだろう。
 そんなわけで,今日は最後のジャズラボだった。最終回ジャズラボは,大盛況である。お店は満席だ。ボクは,ジャズを聴かずに喋っていた時間の方が多かったような気もするけれど。ごめんなさい。
 いつも,雑誌にはない輸入盤や放送音源からのジャズを紹介していただいた。本当にありがとうございました。おかげで,ボクは豊かなジャズライフは送ることができたのでした。第1回のジャズラボにもいたのだが,一体何回目だったのだろう,昨日は。
 今月末は,お店のボトルが飲み放題なのだそうだ。お世話になったみんな,集まろうね。

2007年10月18日(木)お裾分け
 木曜日はつれあいの業務終了時間が遅い。生協などでそのことをアナウンスしているせいか,ありがたいことに,木曜日を中心にご近所の皆さんがいろいろとお裾分けをしてくださることが多い。
 今日は,ご近所の2軒のおうちから惣菜をいただいて,つれあいは喜ぶことしきりである。ありがとうございます。2品あれば,あとは楽勝。ホント助かっているんです。
 昔は,あちこちでそんな光景が見られた思うのだが,こんなご時世にもそのようなご配慮がいただけるというのは稀有なことではなかろうかと思ったりするのである。いい町である。
 そんな夕食後に,BSでベトナム映画を見せていただいた。『パオの物語』という,生みの母と育ての母の間で揺れる少女の成長モノである。悲しみの多い人生を全うしなくてはいけないという話である。自然の緑や花の美しさだけでなく,着ている服が鮮やかな原色で大変きれい。ベトナムの母親達も,自分の人生を楽しむ時代になっているらしい。
 アジアン・テイストのしっとりしたいい映画で,ベトナム映画の認識を新たにした作品だった。カンボジアやビルマにだって映画の題材はたくさんあるに違いない。けれど,まだ映画制作どころではないんだろうな。平和のお裾分けはどうやったら受け取ってもらえるのだろう。

2007年10月17日(水)自虐の詩
 Yahoo!動画の「キネマ横町」に,『自虐の詩』の予告編があった。一条ゆかりさんの『有閑倶楽部』もはじまっているし,相変わらずコミック原作の映画やテレビ・ドラマは多い。
 『自虐の詩』は,業田良家さんの4コママンガである。しかも,延々ちゃぶ台返しが繰り広げられる。登場する男女もちょっとあぶない。それが1本の映画になるのだから,大したものである。
 内縁の妻幸江役は,『嫌われ松子』で吹っ切れてしまったのかもしれないという雰囲気漂う中谷美紀さん。不幸女性役者専門になりそうな勢いである。目つきの悪いヤクザ者イサオ役は阿部寛さん。凄みがあるな。
 ちゃぶ台返しだけのギャグだったのが,いつの間にか幸江の子ども時代の回想になって,4コマ長編大河ドラマになったという変わったマンガである。
 とりわけ,中学時代の友人熊本さんが登場する辺りから,ストーリー性が高まってくる。ギャグマンガなのにちょっと泣ける。
 幸福とか不幸とか,当事者じゃないとわからないよね,と思ったりする作品だったような気がする。月末からの公開らしいが,どうせいなばでは上映されないだろうな,と少し自虐的。

2007年10月16日(火)foolish heart
 かなりお付き合いをしてきた方だとは思うけれど,最近は,キース・ジャレットさんの新譜は何でも楽しみに買うというわけではなくなった。何しろ,「スタンダーズ・トリオ」は結成25周年である。スタンダーズをやり始めたころの刺激的な密度の濃さに比べると,近年は,例の「ボーカル」も大人しくなって,大変聴きやすい演奏が多いような気がする。
 もちろん,今までやっていない新しいことをいつも表現者に求めるというのは,いくら何でも酷なことだ。我が儘を言ってはいけないのである。演奏のスタンダードが高いのではずれることはないだろうが,今度の新譜は2枚組らしい。3600円。つべこべ言わずスルーすればよいのだ。
 と思ったら,アルバム・タイトルが『MY FOOLISH HEART』。愚か者は,『MY FOOLISH HEART』に弱いのである。賢いなキースさん。そんなわけで,今夜はキースさんの新譜を聴いているのだった。
 新録ではなく,2001年のモントゥルー・ライブである。観客のノリはいまひとつだったようだが,然るべき時のために温存していたというライブだ。「メロディックで,スウィンギーで,ダイナミックに浮揚する」とご本人が自信をもって提供された演奏が詰まっている。12分を超えるタイトル曲は,テーマが出てくるまでに5分ほどかかる,軽快で美しい演奏である。愚かさ度は,ボクより遙かに低いような感じがするな。

2007年10月15日(月)敵はテレビ局
 頭の中の使い合いは面白いと思うのだが,頭の外側を攻撃に使ったり,頭を攻撃したりというゲームはどうも苦手だ。そんなわけで,ボクシングを見る習慣がないのだが,あれこれ報道されているのを見ると,ついついのぞき見根性が出てしまい,youtubeのお世話になった。
 youtubeへ行けば,映画の舞台挨拶やボクシングの試合がたれ流しである。以前なら,「誰かあの試合を録画してない?」と尋ねでもしなければ,見逃したものを見るのは難しかったのに。
 そんなわけで,ご本人はもちろん,実況や解説を行っていた人も,結構いつまでもつらい時間を引きずっていらっしゃるんだろうな。よくもまあ,あそこまで偏った中継をされたものだ。
 試合は,TBSを敵にまわして戦っていたチャンプの方が美しかったと思うな。第4の権力は,民間人に対してはほとんど怖いモノなしだった。その怖いメディアを敵にまわしてひとりで戦ったことは凄いことである。少なくとも,テレビ局から出演料をもらっている人はテレビ局とは戦わないし,テレビの悪口は言わない。
 TBSの変な体質を明るみにしてくれたチャンプにちょっと感謝してみたいのであった。

2007年10月14日(日)剪定
 大きな金木犀が満開である。隣の車が小さく見える。残念ながら,わが家のものではない。大体,枝の手入れもしていないので,こんなにきれいな枝振りではない。
 鳥取市内某集落のおうちのものであるが,この辺りのおうちは,ほとんどがこんな手入れがしてあって,見た目がきれい。生活に余裕のある,豊かな暮らしをしていらっしゃるようだ。
 まっ,あるじが散髪屋さんにもいかないくらいだから,わが家の草木は基本的にLET IT BEである。植木屋さんも頼めないので,刈り込みは最小限だ。伸びたい方へ伸びていくがよい。その代わり,消毒もしないから,虫の攻撃に耐える体力をつけておくようにね。そんなわけで,わが家の金木犀の葉っぱは虫が食い散らかしているのだった。
 庭木でも子どもでも,それぞれの家の価値観の中でそれぞれに育っていくのであろう。子ども達には,金木犀よりは手をかけたつもりなのだけれど。

2007年10月13日(土)陸蒸気
 鉄道ファンではないが,若桜町へ行くことがあったので,ついでに多可町から8月に運び込まれた件の蒸気機関車を見に行った。C12・167号機の勇姿である。60年前に若桜線を走っていたという列車だ。
 明日14日は,若桜町のお祭りがある。コンプレッサーが取り付けられ,ちょっとだけ自力走行するとおっしゃっていたように聞こえた。二人がかりで,熱心に整備をしていらっしゃったのだった。
 若桜駅の駅員さんにお聞きしたら,本格的に動かすご計画はないようだ。営業路線内を走らせるためにはあれこれ面倒な手続きが必要で,当面飾っておくだけらしい。資金もなさそうだし。置いてあるだけでは人はたくさんは集まらないだろう。もったいないことである。
 動かすため,全国の皆さまに,ひと口10000円,限定10000名様というような資金集めの募集を呼びかけたらどうだろう。出資者特典は,若桜線5年間乗り放題無料パスと黒字の際の配当金と弁天まんじゅう10個とか。まっ,ほとんど義捐金のようなもので,10000円で買う弁天まんじゅう10個のような気もするけれど。
 子どもの頃は,毎週のように浜村鳥取間を蒸気機関車で通ったので,おじさんは懐かしいのであった。いつでも夢をおもちなさんな,だろうか。

2007年10月12日(金)夢幻館
 朝日ソノラマが先月末で解散した。
 朝日ソノラマは,昨年,樹村みのりさんの文庫本を2冊刊行された,賞賛されるべき出版社である。
 たくさん売れそうにはないけれど,樹村さんの作品がいつでも手にはいるようにしておこうとされたような気がする朝日ソノラマというのは,ボクにとってはとても良心的な会社に思えたのだが,やっぱり採算のことも考えないといけないんだろうな。
 樹村さんの作品集としては,『雨』とか,『ピクニック』とか,『Flight』とか,A4ハードカバーの愛蔵版などが朝日ソノラマから発売されている。いい作品を刊行されていたのである。
 この朝日ソノラマには,ネムキ(「眠れぬ夜の奇妙な話」)増刊『夢幻館』というマイナーな季刊コミックがあって,樹村さんは,時々新作や書き直し作品を発表されている。会社の解散でこの雑誌も廃刊になるのかと思ったのだが,朝日新聞社が継続してこのマイナーな季刊コミックを発売されるらしい。ありがとうございます,朝日新聞社さま。
 通常であれば,今月の20日過ぎに『夢幻館vol.15』が発売される。
廃刊にならないようたくさん売れるといいのだけれど。

2007年10月11日(木)秋の桜
 昨日,『You Must Believe In Spring』と書いたからでもないのだろうが,春は信じてよいのである。
 いつもお世話になっているカメラ店主さんから,職場の敷地の奥の桜が花をつけていますよというご案内をいただいた。見に行ったら,本当に桜が咲いていた。秋の一部に春が紛れ込んでいたのだった。職場の敷地といっても,飛び地なので,同僚の誰も気づいていなかったようだ。
 近くにいらっしゃった方にお聞きしたら,1週間くらい前から2本の桜の木が花を咲かせていたらしい。他の桜の名所でも花をつけているところがあるのだろうか。
 花の色は少しピンクが少ない感じがする。すべての枝に花をつけているわけではないので,春のような華やかさはなくて,ひっそりと咲いている。
 季節の変わり目のせいなのか週休3日制のような生活が続いてだれているせいなのか,ここのところ気分はあまりすぐれないのだが,桜の木も猛暑が続いた異常気象のせいで体調を崩しているのかもしれない。聞けば,寒い時だけでなく暑すぎる時も桜の花芽は休眠するらしい。猛暑中に休眠していたのが,快適な秋になったので目覚めてしまったのだろうか。もう来年の春は咲かないのかな。春までに体調を整えておこうね。
 朝顔と金木犀と秋桜と桜を一度に楽しませてもらった今年の秋である。I Must Believe In Spring。

2007年10月10日(水)秋夜
 秋は何だかビル・エヴァンスである。って,冬になったらなったで,冬は何だかビル・エヴァンスであると言っているような気がするけれど。
 『ワルツ・フォー・デビー』はジャケットが好きなこともあるので特別なのだが,ジャケットがもう少しボク好みだったらデビーを抜いたかもしれないアルバムがある。『You Must Believe In Spring』という,エヴァンスさんの死後発売された1977年のスタジオ録音盤だ。
 タイトルから考えると,冬のアルバムである。演奏も,ボーナストラック以外はクールで内に向かうもの悲しい叙情的な演奏で,ボーナストラックは聴かない方がよいという珍しいアルバムなのだ。
 かつてのパートナーが自殺したころの録音で,副題が『Suicide Is Painless』という曲も収められているから,人の死をかなり意識した作品なのだろう。クスリで蝕まれていた自身の近い将来のことも頭をよぎることがあったのかもしれない。
 きれいな音が録音されているので,ひときわ秋の寂寥感が増幅されるピアノ・トリオ演奏である。
 エヴァンスさんはこの録音の3年後にお亡くなりになる。すでにボクはそんなエヴァンスさんの年齢を超えているのだった。そんなわけで,深まる秋は何だかビル・エヴァンスなのである。 

2007年10月9日(火)秋の香り
 庭の金木犀が満開である。車を置いている駐車場から職場までの間のおうちの多くにも金木犀が植えてある。朝もいい香りがするのだが,暗い帰り道は嗅覚がいちだんとよく働くのか,殊の外,甘い香りが漂ってくる。仕事の疲れが少し安らぐような気がして,秋なればこそである。
 さて,いなばはこの10月からゴミ捨ての料金が上がった。大きな袋で60円というのは,回収してくださる方の労力を思えばそう騒ぐほどの値段ではないような気もするけれど,そうは言ってもせこいわが家である。できるだけゴミを減らしたい。
 そこで,猫の額のような庭のさらに木の植えてない場所に,穴を掘って生ゴミを捨てることにした。生ゴミがなくなっただけでなく,水気がなくなった分だけは随分ゴミの量が減った感じ,というのがつれあいの感想である。
 そんなわが家の庭に出没し始めたのが,額の模様があまり可愛いとは言えない三毛猫だ。生ゴミに土をあまりかぶせていないので,猫が土をほじくり返してエサをあさっているのだった。鯖のみそ煮の骨やキャベツの切れ端やリンゴの皮やコーヒー豆のカスの和え物がおいしいらしい。
 そんなわけで,金木犀と生ゴミの匂いがミックスしているわが家の秋である。 

2007年10月8日(月)筋力増強映画
 折角の体育の日がらみのお休みなので,夜更かしをして何本かDVDを見た。腹筋ボールに座してストレッチしながら。
 ドラマも映画もコミック原作の多い昨今であるが,ここのところ,東京で暮らす若者を描いたコミックを何冊か読むことがあって,昨夜の映画は『ストロベリー・ショート・ケイクス』。
 魚喃きりこさんの原作である。なんとなななんとお読みします。写真に撮った風景や人物をトレースしたようなタッチのみならず,ずるかったり卑怯だったり純情だったり優しかったりする壊れもののような登場人物にリアリティを感じることができて,好きな漫画家のひとりだ。ひとりの中には善悪いろんな要素が詰まっているから人間なのである,ボクの場合であるが。
 なななんと,この映画にはご本人がイラストレーターの岩瀬塔子役で出演していらっしゃる。恋に落ちたかったり,職場の同性との人間関係に悩んだりしている東京に住む女の子達が,自分の存在や居場所を考えるのだが,東京に限らず,どこに住んでいても人との関係や自分が何処へ行けば良いのかという悩みや不安は常にある。器用に生きられない女の子はどこにでもいる。不器用なおじさんだって多いんだから。現代の若者の喋り方やケータイの着メロ,金魚などの小道具の使い方や抑えた演出がクールである。音声が聞き取りにくいのにはちょっと困ったけれど。
 「あんたのこと大嫌いだけど,いなくなると寂しい。」という感覚は,ボクはよくわかるな。「大嫌いと言える人」がいるというのは貴重なことだ。本当に大嫌いな人には,面と向かって大嫌いとは言えない。喧嘩するしかない。ああ,愛は憎むという感情があるから存在するのである,ような気がする。微妙なバランスの上に成り立っているというか。トッピングされたきれいなイチゴもケーキから落っこちやすいし。
 まっ,人生は,「今に見てろよバカヤロー。」なのだ。そんなお話である,多分。
 デリヘルの女の子も主人公のひとりなので,濡れ場がある。ミッドナイトにひとりで見るのがよいかも。おじさんとおばさんは大丈夫だったけどね。
 さて,腹筋力とか背筋力がついただろうか。

2007年10月7日(日)TEN YEARS AFTER
 今夜は,速弾きアルビン・リーさんのギターを聴いている。『LIVE AT FILLMORE EAST』。数年前に発掘された1970年のライブ音源である。速弾きで攻撃的な演奏だ。今はこれくらいのスピードを速弾きとは呼ばないのかも知れないが,ボクには十分の速さである。というか,速いだけで音とメロディが乖離したような演奏より,よほど歌心のあるギターだと思うな。もちろん,お馴染みの速弾き『I'M GOING HOME』もある。全速力で帰りたいホームがあるというのは大事なことだ。毎日じゃなくていいと思うけれど。
 「TEN YEARS AFTER」というバンドと出会ってから,ああ,もう4回ほどTEN YEARS AFTERが過ぎた。最初に知った時には,10年後はずっと先のことだと思っていたのに。後から思えば,10年はアルビン・リーの早弾きの如しである。とはいえ,ブルースの時は遅いんだけどね。『I CAN'T KEEP FROM CRYING SOMETIME』とか。keep from 〜ingである。英語の勉強もロックがサポートしてくれていたのだった。ありがとね。
 さてボクに次のTEN YEARS AFTERがあるだろうか。できたらブルース・テンポで過ぎていってもらえるとありがたいな。

2007年10月6日(土)3大ギタリスト
 そういえばギタリストの話を忘れていた。「PLAYBOY」の特集の件である。
 スライド・ギター編ではライ・クーダーさんとデレク・トラックスさんが1位と2位。ヘビメタ系では,アンガス・ヤングさん,トニー・アイオミさん,リッチー・ブラックモアさんの順だ。早弾きは,イングヴェイ・マルムスティーンさん,エディ・ヴァン・ヘイレンさん,アルビン・リーさん。プログレ編は,アラン・ホルズワースさん,ロバート・フィリップさん,スティーブ・ハウさんだ。その他にも,ブルーズやジャズやバッキングや歌えるギタリストなど,なかなか豊富なランキングが盛り込まれている。
 興味のない人にはさっぱりわからないメンバーである。つれあいも誰も知らないらしい。昨年のクラプトンさんのコンサートの際にデレク・トラックスさんのギターは聴いているはずなのに。
 ゆっくり休める今夜は,PCに向かっているボクのうしろで読書をしているので,BGMにあまり過激なギターを流すと余計な諍いが起こるかも知れない。とはいえ,ここはロックである。リッチー・ブラックモアさんがまだ大人しかったころのDEEP PURPLRのサード・アルバムを流してみた。かなり大きな音なのだが,「懐かしいわねえ。」と邪魔にはならなかったようだ。
 懐かしいも何も,ボクが15歳のころ初めて買った洋楽のLPなのだよ。それまでは,シングル盤しか買えなかった。40年近く前の1750円は田舎の高校生にはちょっとしたお金で,LPを買うのも慎重だったものだ。それが今では,ボーナストラックが5曲もついて1500円ほどで買える。Boschの『快楽の園 地獄』を使ったジャケットも印象的な,ディープ・パープルの中で一番好きなアルバムである。世間の評価は違うようだが。
 『April』でのリッチーさんのギターに涙を流したこともあったし。豊かなロック・ギターの演奏があればこそで,ここまでやってこれたのかもしれないと思ったりした。ありがたいことだ。プレイボーイには縁がなかったけれど。

2007年10月5日(金)ハム・ストリングス
 いなばの湖山池の近くに,よだれのこぼれる整体屋さんがあるらしい。今日は畳の部屋の飲み会だったので,その整体屋さんに定期的に通っている方からマッサージの手ほどきを受けた。うつ伏せになったり,仰向けになったりしながら。お店では1回4000円也である。無料だったけれど,大変気持ちよかった。畳の上のマグロ状態だったので,一緒に飲んでいた皆さんは呆れたかも。ゴメンね。残念ながら,よだれはでなかった。
 それにしても,ボクの身体はそうとう固いらしい。ハム・ストリングスという,股関節を伸ばす動きや膝を曲げる動きに必要な筋肉群をゆっくりマッサージしてもらった。広げていくことが肝要なのだとか。太ももの後ろ側にある筋肉を押さえられると少しくすぐったいのであるが。背中は,指でなく手のひらで押さえてもらうと快適だった。
 くだんの整体屋さんは,意外なことにカスタマーには若い女性が多いのだとか。仕事で疲れたり,ストレスが溜まったという理由でマッサージを受けているのである。若い女性はお金と時間があるようだ。オヤジは酒の席での無料サービスしか受けられない。
 ツボの押さえ方をマスターしたつもりのマッサージを帰宅後につれあいにしてみたら,あまり効かないと言われてしまった。一度プロに教わるのがいいのかも知れない。

2007年10月4日(木)Talk Spirit
 『McCOY Tyner Quartet』という輸入盤がHMVから届いていた。
 いつの間にこんな老人になってしまわれたのだろう。というか,マッコイ・タイナーさんってこんな顔だったんだっけと思うような,お痩せになったアルバム・ジャケットの写真である。1938年生まれだそうだから,そのうち70歳におなりになるのだった。
 1970年代前半に良く聴いていた,『Walk Spirit, Talk Spirit』を再演していらっしゃったので注文したのだが,手数の多さは相変わらずである。少し安心した。
 とはいえ,1973年録音の若いエイゾー・ローレンスさんのバリバリ一直線のサックスに比べ,2006年に54歳のジョー・ロバーノさんはバイブのかかったふわふわ感のあるお上品な感じで曲に入ってくる。テーマの繰り返しも少ないし。若い人のパワーが懐かしいのである。
 特に新しいことはやっていない演奏だけれど,マッコイさんの左手の動きに耳を澄ませた夜だった。
 それにしても,曲を支えているベースのメロディが「あらぶしゅぷりむ」と聴こえ,まるで『至上の愛』かと思うようなラインだ。ジョン・コルトレーンさんの精神性は,歳を重ねたマッコイさんのバンドにも受け継がれているらしい。 

2007年10月3日(水)頑張れ教科書会社も
 11万人(水増しらしいが)が参加するデモというのはかなり大きなデモである。学生時代はさておき,いなばではせいぜい200〜300人くらいのデモにしか参加したことがない。何となく気休めのようなというか,とりあえず自分の意思表明といったニュアンスや,組合のお付き合いだったりする。
 そんな経験しかない者には,デモがすぐに大きな力になって政府や文科省を動かしたという今回のできごとはちょっと驚きである。大人しい国民性なのかと思っていたけれど,ちゃんとやる時はやるんだなと安心した。高校の日本史の教科書の問題である。
 基本的に,政治は教科書に関してあまり口をださなくていいと思うのだが,政権の意向に配慮した文科省のスタンスが事の発端なのだから,今回は政府もきちんと対応する必要があるのではないか。
 大体,軍命令有無をめぐる民事訴訟があることを書き直し理由に挙げるなどというのは普通に考えたらおかしい。まだ判決は出ていないのである。確かに歴史の事実認識は難しい。しかし,今までの沖縄の多くの皆さんの証言を元に作成した教科書が,それほど事実からズレているわけではないだろう。
 アメリカ軍の捕虜にならないようにと一般市民には縁のない手榴弾を配られたら,それは大きな圧力である。そういうのを「強いる」とか,軍が命令したと言うんではないんですかね。
 街を歩くなと軍は言ってないよと仮にビルマの政府がアナウンスしても,カメラを使ったら射殺されるのであれば,軍が市民に大人しくしていろと強いているのと似たようなことじゃないのかな。武器を持っている人には逆らえませんぜ,丸腰一般市民は。
 作戦としても,沖縄を守るという発想ではなく,本土決戦になる前の時間稼ぎだったはずだ。沖縄を学ぶ際には,そんなことも無視してはいけないと思うな。
 沖縄のデモには参加できなかったけれど,遅ればせながらここに賛同の意を表しておきたい。大体,自分達がいい教科書を作っているという自負心があるなら,教科書会社の皆さんもデモをしてみたらどうなんですかね。文科省が絶対正しいなんてことはないのだから。 

2007年10月2日(火) ぬるま湯な日々
 勤務を終え駐車場まで向かう途中,市役所に近い道路で何カ所か水が溢れていた。車に乗って走っている途中にも,水の出ている道路があった。水道管が破裂しているようだ。断水のため,給水車が活躍している。ごくろうさま。
 そういえば,中越沖地震のあった柏崎の友人から先日メールがあった。道路はまだあちらこちらに亀裂や段差やうねりがあって,電柱も傾いたままのものがあるとのこと。設置された1200戸の仮設住宅に入れない方もまだいらっしゃったらしい。その時だけ騒ぐけれど,実際は2か月経っても人々は慣れない生活を続けていらっしゃるのだ。蛇口から水が出ないのはもちろん困るけれど,お風呂をガスで沸かしているおうちは,水が出てもガスが復旧しないとお風呂には入れないし。
 わが家は標高25mくらいのところにある。水圧が弱かったりポンプのトラブルがあったりで,住みついた当初は断水がたびたびあった。水の保管などには結構気を使っていたのだが,最近は危機管理がまったくできていない。貯めてある水は,いなかからもらって来たコーヒー用の水だけである。
 こんなぬるい生活をしている我が身には,時々ライフラインのトラブルが発生し冷たい水をかぶせてもらった方がよいのかもしれないと思ったりした。給水車のお世話になっている皆さんには申し訳ないけれど。

2007年10月1日(月) こうふくな話
 HPを見られた方で,一昨日樹村みのりさんにお会いしたという方からメールをいただいた。サインまでもらわれたそうだ。ご近所の高校の学園祭でのできごとらしい。うらやましいなあ。
 樹村さんが,高校のマンガ研究会のようなところで指導されていらっしゃるという話は聞いたことがあったのだが,ご自身もイベントに参加されるくらいお元気だということがわかり,とてもうれしい。
 手元に,何年か前の「にんじんマンガ教室」の競作集というのがある。これもHPを見られた方から送っていただいたものだ。学校や社会などとの関係性に少し苦労しているように見える子ども達が,樹村さんのちょっとしたアドバイスで自分の思いを表現できているような作品が多い。マンガ教室を開くにしても,そのスタンスがいかにも樹村さんらしくて,やっぱりうれしい。
 樹村さんは寡作である。メジャー誌で新作を見かけることも滅多にない。今時の高校生はその名前を知る由もないだろう。都会には漫画家はたくさんいらっしゃる。当たり前にあると,そのことのありがたさに人はなかなか気づかないかも知れないが,樹村さんと一緒の時間を過ごしていれば,数多いる漫画家の中で樹村さんに出会えたことがいかに奇跡的なことであったか,きっと気づくに違いない。
 なんと『こうふくな話』であることか。


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