ツアーのパンフレットが送られてきたとき、「子どもたちに絵を教えたりイベントを予定」の一文に心が踊った。ビギニング・ニュースなどで三原色の国旗の国で絵を教える企画が掲載されるたびに、いつか私も参加できるといいなぁ・・・と思いながらも、休暇もとれず、資金も調達できず、そしてなにより言葉ができず・・・で、あきらめていた。それが今回のツアーでは実現するかもしれない。海外で教えるその現場に居合わせることができるのだ。
現地に着くまでは、何もかもが用意されているそこに招かれていく、そんなことどこにも謳ってはいないのに、なぜだかそんな気持ちでいた。
12月29日、場所は森本喜久夫さんが主催する「クメール伝承織物研究所」
ここで絵を描いている女性たちが生徒さんになってくれるという。はじめて彼女たちの仕事場にあげてもらったそこで見たものは、手本を忠実に模写する静かなまなざしだった。さて、ここからがたいへん!座卓をあっちへこっちへ運ぶもの、パレットにだだだっ・・・と絵の具をしぼり出すもの、画用紙を切るもの、バケツやたらいを借りたり、水を汲みに奥の炊事場に走るもの・・・・ぜ〜んぶ自分たちでやる??・・・のだ。そういやぁキミ子方式って、いつもそうだもの。なのに何故、何もかもが用意されているそこに招かれていく気になってたんだろう?
キミ子先生が日本語で説明し、ガイドのアネットさんがカンボジア語に訳す。前日の打ち合わせで記録係を仰せつかった私は、その様子をカメラにおさめる。絵の心得のある人たちなので、はじめのうちはあまり躊躇もなくとんとんと色作りが進むのだが、2色、3色と混ぜていくと、あ〜、悩んでる悩んでる・・・。「同じような色ばかりができる」と言って困り顔になってくるのは、この国でもいっしょだ。「教えるのは講師、助手は助手に徹する、今日の私はカメラマン」がお約束事項なのだが、目の前の困り顔を何とかしてあげたい・・・と思ったら、あれれ・・・私もいつのまにか「this color・・・&this color &water mix・・・・」「good!good!」すっかり、教える人になってしまっていた。
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