Sweets物語=後編=

 同室のJさんが「コンビニで面白いもの見つけた!」とドリンク缶を差し出す。「せんそうゼリーっていうだよぉ。」すぐさま私の頭の中に「戦争ゼリー」の文字が浮かんだ。内乱の際に考案された携帯食料かなんかだと思った。「せんそう」は「仙草」と書く。甘いお茶にゼリーが浮かんでいる。缶入り汁粉や粒コーンスープの姉妹品のようなものだ。ほんのりした甘さが、朝の目覚めにはちょうどいい。もうひとつはまったのが、「冬瓜茶」冬瓜は夏場の煮物しか知らなかったから、冬瓜がお茶になるなんて、驚き。このお茶もまたまた、軽い甘さで、冷たく冷やしておけば、のどの渇きを止めるにはもってこい。帰りのホーチミン空港でも見つけて、嬉しくなって飲んでみたが、ちょっと甘味が強かった。シェムリアップで飲んでいたものはもっと上品な甘さだったような・・・。

 アンコールワット前の広場に、夕暮れになると竹筒を荷台にいっぱい乗せた自転車が集まってくる。「おこわを売っているんですよ。」とガイドさん。3本で1ドル。竹の焦げ具合から美味しそうなものを見繕ってもらう。竹筒は薄く削られているものだから、手でぺりぺりとむける。ひとくち頬張って・・・・あ・・・この味・・・どこかにあったぞぉ・・・うん!北海道で食べた「甘納豆お赤飯」の味だ!一本あれば、十分夕食にだってなる。

 ベトナムを旅したとき、道端でフランスパンを売っているのをよく見かけた。シェムリアップでもやはり同じ。自転車の荷台にいっぱい積んで道端で売っている。米粉を使ったフランスパンだという。「AKEさんもひとくち・・・」とお裾分けをいただく。パリッパリの皮に中はしっとりもちもちの生地。美味そう・・・。「いっただきま〜す!」とパンをわったら、なんと、ありのような虫がおる?!ひょっとしてパン生地と一緒に焼かれてた??でも、高温で焼かれてるんだから、へっちゃら??・・・たぶん。
 何人もの売り子さんに出会ったから、きっとどこかでパンを仕入れているに違いない。ガイ゙トさんの話だと、と〜っても大きなパン工場があるらしい。日本も米粉パンはちょっとしたブームだが、フランスパンタイプにはまだお目にかかれていない。どなたか、作ってくれないかなぁ〜。

 極めつけのSweetsは、「サトウヤシ」だ。バンテアイ・スレイに向かう途中の村の露店で売っていた。サトウヤシを煮詰めてできたサトウを型に流し込んで固める。それを切り分けてヤシの葉で編んだ筒に入れ売っているのだ。以前サトウキビで同じようなものを食べた記憶がある。さらりっとした甘さで、後も残らない。3個で1ドル。自分用とお土産用を買い込んだ。

サトウヤシ

つぶして・・・

煮詰めて・・・

型に流し込んで冷めて固まるのを待つ。
ヤシの葉で作ったケースに入れて売っている。