遺跡に通う日々

 今までの旅だとあちこち名所をめぐって、ガイドさんの話にも耳を傾け、ところどころで、30分か40分自由時間をもらってスケッチする、観光の合間にスケッチをしているのが常だった。次のスケジュールが押しているときには、「じゃぁ、ここで10分ね。はい!始め・・・・、はい!終わり」なんてこともあった。が、今回のアンコール遺跡はちょっと違う。いちおう遺跡についてのガイドはあるのだが、一日にいくつも廻らない。スケッチをしているといろんなガイドさんの話が耳に入ってくる。今日は朝から5つ遺跡を廻ってきたとか、これから日没までにあと3つ廻るとか。私たちはといえば、今日はワット、明日はトムね、明後日はワットで、明々後日はまたトムね、と言った具合。朝8時半にでかけ、それぞれ希望の遺跡で下車、スケッチ。お昼にバスにピックアップしてもらって、昼食をとってホテルに戻り休息、午後は3時頃からバスで遺跡に出かけスケッチ、5時頃またピックアップしてもらってホテルに戻る。そんな生活をしていた。じつにゆったりと心地よい時間が流れる。

アンコール・ワットの中央祠堂の急勾配の石段。
初めは足がふるえたが、上り下りしているうちに慣れてくる。
毎日帰り道はバスからこの風景が見える。〜アンコール・トム〜