バリは雨季

 成田からのフライトは、予定通り??遅れて、バリ・デンパサールの空港に着いたのは、もう日付が12月28日になろうかという頃。
 私はいつも空港から一歩外に出て吸う、「ひといき」の瞬間が、たまらなく好きだ。バリではむ〜んとした熱風と、待合いのバスの排気の臭いの歓迎を受けた。土砂降りの雨でもあったのか、路面には水たまりが出来ている。「バリは今、雨期。雨が、降ります。でもだいじょうぶ。ザァッと降って、すぐにやみます・・・そういうこと。」とガイドさん。
 

じつはこのひとことが今回の旅の行く末を暗示していたことに、このときまだ気付いていない私たちだった。

 ホテルは、空港から20分くらいだという。バスに揺られて明るくない町中を走っていく。
20分にしては長いんとちがう?と気になり始めた頃、ジンバランの村に入る。ホテルのゲート前でバスは止められ、車体の下にミラーを入れての数分間の車体チェック。テロ後、万全を期すために、どんなに深夜でもどんなに早朝でも、全車両必ず行われているという。

                  

 やれやれ・・・早く寝たいぞぉ、疲れたぁ〜。と、見上げたホテルロビーの天井は、まさにバリアート!神々と天女が私たちを歓迎している。よく冷えたウェルカムドリンクを飲みながら、しばらく見とれてしまった。ホテルロビーといえば壁とガラスに囲まれた空間を思うが、ここは違う。壁とガラスは一切ない、まったくの吹き抜け状態。照明は最低限にしぼられ、聞こえてくるのは、水の流れる音や遠くでなくカエルの声。ロビーには数々のヒンズー教にちなむ像。

うんうん!こうでなくちゃ!わたしが待っていたのは、こういう空間なのだ!

(写真は、私が泊まった部屋。日本の我が家でも見習いたい。)