蓄光ボード・ミニ


○こんな実験です
太陽光や蛍光灯に約10分当てるだけで,一晩中光り続けるN夜光ルミノーバを用いた伝言板です。紫外線ペンを用いて図や文字を描き,暗闇で伝えるボードの工作です。蓄光ボードのミニ版,家庭版です。

○こんなことが学べます
蓄光物質の光の吸収と発光が体験できます。特に,光の色の違いで,発光の強さに差が生じることが学べます。また,電気等のエネルギーを使用しない,自然にやさしい発光体であることが学べます。

○こんな仕組みです
蓄光物質に光を当てると,電子が高いエネルギーの軌道に上がります(励起という)。この励起された電子が低い軌道に落ちるとき発光します。ルミノーバはアルミン酸塩化合物を主成分に希土類元素の賦活剤を添加焼成した物質で,従来品と比べ、初輝度で10倍、残光輝度で10倍の明るさをもちます。光の吸収−発 光−吸収−発光を何度でも繰り返すことができます。


G-300シリーズ 特性表
化学組成 SrAl2O4:Eu,Dy
体色   緑白色
発光色 緑色
発光ピーク波長 520nm(緑)
励起ピーク波長 365nm(紫外)

参考:蓄光ボード

製作図

材料一式(蓄光シート,ウィンドウボード)
○準備しよう
蓄光シート(14cm×10cm),ウィンドウボード,紫外線ペン,タコ糸,はさみ

○入手先
蓄光シート(根本特殊化学株式会社製)(株)シータスク,ウィンドウボード((株)リプレ,百円ショップ),紫外線ペン(「マジックライトペン」K.S.C.LTD.,百円ショップ)

○作ってみよう
@蓄光シートを14cm×10cm大きさに切ります。
Aウィンドウボードの裏面に,空気をはさみこまないように@を慎重に貼り付ける。
B紫外線ペンとウィンドウボードをタコ糸でつなぐ。

○製作の注意
蓄光シートを貼るときは,空気の泡が接着面に残らないようにしましょう。もし,泡が残ったら,その部分まではがして空気を追い出し,再度貼りましょう。

紫外線ペンを用いて文字を書いているところ

紫外線ペンを用いて文字を書いているところ(照明を消したとき)

表側にはウィンドウボード付属の水性ペンで文字や絵が書ける。
○遊びかた
部屋を暗くし,ペンライトで絵や文字を描きます。明かりを消して部屋を出るときに,伝言を残しておくことにも使えます。LEDライトが暗いときは,電池をティッシュ等で磨いてみましょう。電極面の汚れで暗くなっている場合が多いです(東播工業高校森本先生より)。

○気をつけよう
紫外線を長時間見続けると目を痛めます。短時間でさっと書いて,ペンのスイッチを早めに切りましょう。


○開発の経緯
蓄光ボードを作ったとき,子供用の工作にできないかと思っていました。たまたま行った百円ショップに,ウィンドウボードという水性マーカーで絵や文字を描くボードを見つけ,この裏面に蓄光シートを貼れば,明るいところでは表のプラスチック面に,暗いところでは裏の蓄光シート面に文字や絵を描くことができると考え,開発しました。

参考:根本特殊化学株式会社Webページhttp://www.nemoto.co.jp/product/01_luminova/