「憂秋」

 臨床心理士(主にカウンセリング)という仕事をしていると、実際、様々な境遇の人々と出会います。なかでも、崩壊寸前の家庭からご夫婦でお見えになることも珍しくはないのです。現在も数組のご夫婦とカウンセリングを継続していますが、実はお互いにお互いのことを思いながらも、ちょっとしたきっかけで長年すれ違ったまま、互いに内面を語り合うことなしにきてしまったご夫婦に出会うことがよくあります。こうしたご夫婦の多くは、子どもが思春期にさしかかっているか、その真っ直中にある時期、30代後半から40代後半(人生の秋)にかけてのご夫婦です。僕は、カウンセリングをしながらこうした夫婦の危機を歌にできないかなと感じていました。歌にすることで、妻の側、夫の側の気持ちの接点を見出すことができないだろうかと考えたのです。
 うまく歌い込めたかどうか分かりませんが、ボサノバでメランコリック(憂い)に仕上げてみました。人生の秋の憂い、という意味で「憂秋」と名付けました。

by Yacco



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