「雨のレクイエム」
 


 97年1月、2月、3月と立て続けに伯母、友人、伯父と親しい人を亡くしたことをきっかけにレクイエム(鎮魂歌)を創りたいとの願いを持ちました。遺された者たちの心情を歌い上げることで悲しみを癒し、同時にそれが鎮魂となればとの思いだったのです。ただ、テーマが重いだけに、むしろライトな弾む楽曲で歌い上げる方が僕にはピッタリきたように思います。以前から手がけたいと考えていたレゲエミュージックがそれを可能にしてくれました。南洋はジャマイカの底抜けの明るさはテーマ的には描きにくいものがありましたが、考えてみればレゲエ自体、ロックと同じように体制批判的に反骨的精神で歌い上げられた音楽であることを考えると、必ずしも明るい必要もなかったのかもしれません。軽快なリズムがかえって哀しさを誘いますが、泣き笑いのできる歌に仕上がってくれたのではないかと自負しています。
 途中、ライブになりオーディエンスとの呼応部分がありますが、誰しも経験したことのある親しい人の死の悲しみを、ステージ、アリーナ一体となって共感し合うイメージのもとに編曲をしました。親しい人の死は、一人で背負うにはあまりに重く、その悲しみを分かち合うことでその荷を少しでも軽くしたい、そんな思いを込めてみました。
 また、2番のサビの前に、♪強く強く強く抱きしめて心から・・・・・♪と、無言になる箇所がありますが、この”・・・・・”には「ありがとうと言おう」「ごめんねと言おう」「愛してたと言おう」など、捧げる故人によって捧げる言葉が異なるため、あえて歌わずに♪・・・・・♪にしています。聴く時、歌う時、このCDを手にしているあなた自身が、好きなフレーズを入れて歌ってみてください。

by Yacco
 



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